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アディとシェラがルパニア国行きの船に乗ってから4日後。 船はアルディーア帝国に到着する。
シェラ
アディ
シェラとアディはアルディーア帝国の港に止まった船から降り、アルディーア帝国の地に降り立つ。
上を見上げれば、晴れた青白い空の色がシェラの青色の瞳に映る。
シェラ
アディ
アディとシェラは互いに顔を見合わせ歩き始める。そんな二人の姿は、人混みの中へと消えていった。
リヴィアス
ルヴァン
ヴァルローゼ国の第一王子であるリヴィアスは、シェラの捜索を頼んでいたシェラの騎士であるルヴァンから謝罪されてため息を溢す。
リヴィアス
ルヴァン
ルヴァンはリヴィアスの命令に頷き、部屋から出て行く。
リヴィアスはそんなルヴァンの背を見送ってから、静かになった部屋で独り言のように呟く。
リヴィアス
数年の時が経ち、ヴァルローゼ国の国王となったリヴィアスの元にとある情報が入る。
それは、数年前、ヴァルローゼ国の第一王子であったヴァリアントが殺された出来事に関することであった。
リヴィアス
騎士1
リヴィアスに報告のように淡々と伝えた騎士は、ぺこりと頭を下げて、部屋を後にした。
部屋に残されたリヴィアスは『何という事だ……』と言いながら頭を抱え込む。
リヴィアス
シェラが殺したという事実が本当なのか、調べもしないで、シェラが殺したのだと。 そう信じてしまった。
第一王子であるヴァリアントを殺した本当の犯人はシェラではなかったというのに。
ルヴァン
暗い牢獄の中で、一人の男は嘲笑うかのようにそう言い。 自身の目の前に立つヴァルローゼ国の国王リヴィアスを見る。
リヴィアス
ルヴァン
ルヴァンは人を殺したことに対して隠し通した挙句、主として仕えていたシェラに罪をなすりつけた。
人道に欠けているから、今もこうして笑っていられるのかとリヴィアスは思う。
リヴィアス
ルヴァン
ルヴァン
リヴィアス
リヴィアス
リヴィアスはそう言い捨て、王城にある地下の牢獄を後にする。 薄暗い牢獄の残されたルヴァンは一人呟く。
ルヴァン
ルヴァンの乾いた声が、薄暗い牢獄の中に溶け込むように消えていく。
頭上を見上げれば、白い天井がルヴァンの黒い瞳に映る。
薄暗い牢獄の中、ルヴァンは天井を見つめながらもう空を見上げることは出来ないのだなと思った。