テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ルヴァンが処刑された後、リヴィアスは生きているのかさえもわからない実の妹でありヴァルローゼ国の第一王女であったシェラに、第一王子であるヴァリアントを殺したのはシェラではないということを伝える為に、あの日の出来事の真相を他国に渡る新聞会社に売りつけた。
アディ
新聞を取りに行っていたアディが、慌てて、家の中に入って来たのを見てシェラは問い掛ける。
シェラ
アディ
シェラ
シェラはアディの言葉に思わず目を見開き、アディが持ってきた新聞を受け取り、記事に目を通す。
記事にはアディが言っていた通りのことが書かれていた。
シェラ
アディ
シェラ
そう言ったシェラの声は少し震えていた。自分に罪をなすりつけ、第一王子であるヴァリアントを殺した相手であっても、シェラのたった一人の騎士であったのだ。 内心は複雑な感情が入り乱れているのだろう。
アディ
シェラ
アディ
リヴィアスは私を捕まえて殺そうとした。 私が犯人だと信じ込み、私はあの日、城から逃亡したのだ。
シェラ
アディ
シェラ
シェラは己の騎士であったルヴァンのことを恨んではいなかった。
ただ、ルヴァンが自分の目の前でヴァリアント王子殿下を殺したこと。自分シェラの騎士であった彼が、人を殺めたことが悲しかったのだ。
アディ
シェラ
その後、シェラはアディと共に母国であるヴァルローゼ国へ、数年振りに帰ることに。
ヴァルローゼ国行きの船の中で、甲板の上から見える青色の水面を見つめながら、シェラは呟く。
シェラ
アディ
アルディーア帝国でアディと共に生活した二年間は、毎日がとても色付いていた。
けれど、いつか終わりがくると、シェラとアディはお互いにわかっていた。
シェラ
アディ
シェラ
シェラの澄んだ声は、夏の暖かな空気に溶け込み消えていく。
シェラの隣にいるアディは、シェラの言葉に少し驚いた顔をするが、優しい笑みを浮かべて頷く。
アディ
シェラ
シェラとアディが乗る船は、青色の海面を進み行き、ゆっくりとヴァルローゼ国へと近付いていた。