体を揺さぶる車に、私は寝かしつけられていたみたいだ
気づくとそこは私が頼んでいた場所だった
三ツ谷
起きろ、ついたぞ
水琴
ん"ー……
水琴
ありがとう…
三ツ谷
おう
三ツ谷
またなんかあったら連絡しろよ
頭に置かれた手は全く別のものなのに、私が想像するのはマイキーのことだけだった
水琴
ありがとう
水琴
またね
三ツ谷
ん、気をつけろよ
水琴
はーい
よく、マイキーの家に行くのに使っていた駅
来るのはいつぶりだろうか
水琴
(懐かし…)
合鍵を使って入ると、中はすっかり汚れていた
ホコリを被った写真立て
あれは彼が友達と撮った写真だ
水琴
…過去って、邪魔だよなぁ
自嘲を繰り返したって、過去は戻ってくるはずがないんだ
前を向こうと藻掻いてみてもきっと彼を思い出すんだろう
水琴
(忘れてやりたい)
カタン、と音がして、写真立てが倒れた
水琴
……もう一枚、ある…?
手にしたソレは銀髪ロングの可愛い女の子と並ぶマイキーだった
水琴
あ…亡くなった妹さん、
水琴
………なんか、気味悪いなぁ