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神々の仕事

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神々の仕事

4 - 「同類と格別」

♥

42

2025年03月05日

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「稲荷神,天狐の仕事」

お前何点だった?

赤点回避キター!

せんせーここ合ってるよ!

やべえ留年するかも……

星羅

…………。

89 よくできました

紗希

え、唯また百点⁉︎

星羅

……!

まぁ、今回のは
結構簡単だったし、
ほら、平均点も高かったし!

星羅

(……また負けた。)

星羅、何点だった?

星羅

……89点。

高いじゃん、凄いね!

星羅

……唯こそ、
満点でしょ?
凄いね。

でも、100点と89点なんて
大差ないよ!

星羅

(……あるよ。)

そう言いかけて、唇を噛み締めた。

唯とはもう10年以上の仲になる。

私は、彼女のことが大嫌いだ。

憎くて憎くて、仕方がない。

星羅こっち!

星羅

うん!

綺麗なシュートがその場で決まる。

唯ナイス!

まじで運動神経いい!

さっきのは星羅がいいパスを
くれたからだよ。

星羅

(……まただ。)

星羅

(また負けた。)

紗希

ねえ星羅聞いた?

紗希

唯、隣のクラスの拓実くんに
告られたらしいよ?

星羅

え……?

紗希

確か星羅、拓実くんのこと
好きだったよね……?

紗希

まぁ唯可愛いもんね〜。

星羅

(まただ、)

星羅

(また奪われた……。)

可愛くて、勉強ができて、 運動神経が良くて、

クラス1、褒められている彼女。

そして、それと比べられる私。

唯って、まじで可愛いよな。

分かる! 勉強も運動もできてさまじで星羅とは 大違い。

星羅は同類だけど、 唯はお嬢様って感じ?

分かるわー! 女として見るのは唯ってゆーか。

天狐

……あれが今回の?

稲荷神

そうだよ。

天狐

……僕らって、どうするべきなんだろうね。

稲荷神

俺たちの仕事は
真神と悪夜とは違う。

稲荷神

“心のSOS”に寄り添って、
自由にしてやるのが仕事だ。

稲荷神

……何よりも難しい仕事だよな。

  

お、星羅ー!
こっちきて話そうぜー!

星羅

……!
うん!

文化祭の催しを手伝い始めてから 仲良くなった男子たち。

この仲にいる時の私が1番、 私らしい気がする。

  

そーいえばさ、星羅って
唯さんと何年の付き合いなの?

星羅

え、あー、もう10年かな。

  

そんな長いんだ?

  

いいなーめっちゃ仲良いじゃん。

星羅

(……あ、これ駄目な
流れだ。)

  

あれ、星羅ここ
凡ミスしてんじゃん。

星羅

うん、ぼーっとしてたみたい。

  

おいおい、唯を見習えよなー
10年も一緒にいるんだからさ!

星羅

……そうだね、
見習わないとね。

10年いるから何? 10年居たら姉妹なの?

比べられて当然なの?

私を私として、 見てすらくれないの……?

星羅、帰ろ?

星羅

うん。

大事な私の彼氏。 同じクラスなのに、私を選んでくれた人。

貴方なら、私を認めてくれると 思った。

あれ、星羅?

星羅

あ、唯……。

また明日!

星羅

……うん、また明日。

碧くんも、また明日!

うん、また明日。

星羅

……。

星羅

(大丈夫、だよね?)

星羅

おはようございま──

──だよなw

そう!分かる!

星羅

(え……?)

あんなに、距離が近い。

あんなに、親密そうに話してる。

私より……。

あ、星羅おはよう!

星羅

……おはよう、何の話してたの?

ゲーム!
共通のゲームしてて、その話。

そ、星羅やってないだろ?

星羅

……うん、そうだね。

星羅

(また、奪われた……。)

あの子さえいなければ……

あの子さえ、

星羅

(私の目の前から消えてくれれば……)

私が、“私”として 認めてもらえるのに……。

星羅

(……息苦しいなぁ。)

星羅

彼女がいなくなれば
いいんじゃない。

星羅

私が、

私がいなくなれば……。

稲成

やめとけ、そんなんしても
得なんてねえぞ。

星羅

……止めないでください。

星羅

いつも皆唯唯唯唯唯って!

星羅

私は唯の引き立て役じゃない……

星羅

私が私として生きられないなら!
死んだ方が何倍もマシ!!

稲成

死んでも神は救ってくれない。

稲成

死んでも仲間は救ってくれない。

稲成

今なら、俺が救ってやれる。

星羅

神でもないのに何を……。

天狐

神だよ。

星羅

誰⁉︎

天狐

やっぱり、見えるんだ。

稲成

言ったろ、こいつ自身が
助けて欲しいって叫んでるって。

天狐

僕らは助けを求めたものに
姿を現すんだ。

星羅

私が、助けを……?

天狐

「自分を認めて欲しい」

天狐

「愛してほしい」

天狐

「……比べないでほしい。」

星羅

──っ!

稲成

……俺も、一緒だよ。

星羅

え?

「天狐は神の中でも 仕事が早く完璧で有名だ。」

「それに比べて君は……」

稲成

「比べて」って言葉が嫌いだった。

稲成

同等に育ったわけでも、
同等の教養をもらったわけでもないのに。

稲成

人はいつも、横に並んでいたら比べたがる。

稲成

そうゆう世界だよ。

稲成

くだらねえよな。

星羅

……ほんっと、くだらない。

星羅

皆私が“同類”で
彼女が“格別”だから

星羅

唯に頼れなかったら、
私に頼るんです。

星羅

そう、つまり私は、
身代わり。

稲成

……じゃあ、お前の方が
特別だな。

星羅

え?

稲成

輪に入れてもらえるのは
“同類”だよ。

星羅

輪に、入れてもらえるのは……。

天狐

……行くよ、稲荷神。

天狐

時間。

稲成

おっとやっべ。

稲成

真神手作りのプリンが
もう直ぐ出来るんだわ。

稲成

それじゃあな。

星羅

あ、待って……

星羅

ありがとうございます!

稲成

……何もしてねえよ。

その二人はまるで、 煙のように消えた。

稲荷神

あーーーーー疲れたーーーー。

稲荷神

真神プリン!

真神

私はプリンじゃありません。
もうすぐできますよ。

稲荷神

やったー。

天狐

……一緒に食べてもいい?

稲荷神

勝手にしろ。

真神

(ほんっと、仲がいいんだか
悪いんだか……。)

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