白い部屋
消毒臭い
司
俺…消毒の匂いは無理なんだけどなぁ
俺は今、病院にいる
やっぱり、1人は心細い
司
………
司
玲奈…は、元気にしてるか?
司
って、聞けるわけねぇしなぁ
司
俺から振ったわけで…
司
あー、やっぱちゃんと言うべきだったのかよぉ
司
俺が
もうすぐで消えるって
司
ん〜、ん〜、
司
やっぱ、わかんね!
司
そーゆうのは玲奈が…
司
………
暇さえあれば、
玲奈のことを考えてる
元気にしてるのか
ちゃんと寝てるか
誰かに頼ってるのか
それと
泣いていないのか
俺は…、
癌があるらしい
もうすぐ死ぬらしい
っても、もしかしたら
助かるかもしれないらしい
自分のことなのに他人事みたいに思えるなんて
不思議だ。
むしろ、玲奈のことになると
自分のことのように考えて思ってしまう
司
俺といても幸せになれない
司
幸せにしてあげれないんだ
司
だから、
司
嫌いになってほしいのに…
司
ほんとは、嫌ってほしくなくて
司
あのとき、好きって言ってくれたのも
司
ほんとは…
司
嬉しかったんだ
涙で視界がぼやけて見えねぇよ
司
玲奈と別れてからは
司
世界なんてどうでもよくなって
司
それから
司
玲奈がどれだけ大事か思い知らされた
司
だから!
司
俺は、!
司
………
玲奈を幸せにしたかった
司
だけど…その役目は
司
俺じゃないんだよな…
玲奈が俺の隣にいない世界は
海の底にいるみたいに
いつもぼやけてる