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リーダーって役半強制的に背負わされるの嫌だなぁ、
注意事項 ・グロ表現
ヴァレテイン視点
僕は父、母、祖母、祖父、そして僕の5人で暮らしている。ちなみに僕も含めて全員産まれた時から魔女だ。確か今日は父母から仕事で遅くなると言われていたから祖父母が家にいるだろう。
おばあちゃん
おじいちゃん
僕
おばあちゃん
僕は2人にさっきあったことについて話した。謎の女性「ロゼ」と魔女狩り令についてだ。
おじいちゃん
おばあちゃん
おじいちゃん
おばあちゃん
そう2人が話し合っているのを見て、僕もぐるぐる考えていた。あの人は一体何なのか、どうして明日魔女狩り令が出されると言ったのか、そして…
どうしてどこか寂しそうな顔をしていたのか
おじいちゃん
僕
でも、僕には関係ない。…彼女も悪戯のつもりだったんだろう。きっとそうだ。もう考えるのはやめよう。そう思いながら1日を終えた。
翌日、僕は部屋の中で目が覚めた。いつも通りの朝、いつも通りの1日の始まり……のはずだった。
僕
起きた瞬間、変な匂いが僕の鼻を突いた。鉄臭い、血生臭いというか…
僕
脳裏に家族が血を流して倒れている姿が頭に浮かび、ブンブンと頭を振ってそれを否定した。彼女が言っていたことを信じているわけではない。…いや、少し信じているからこんなことを考えてしまうんだろう。
僕
返事はない。今日は朝早くから仕事ではなかったはず。昨日本人達から聞いたから間違いない。
僕
次はもっと大きい声で言ってみた。…返事はない。何も聞こえない。嫌な予感がして、僕は部屋の扉を開けた。
部屋から出るとすぐに、兵士のような格好をした男性と母親の……死体があった。
僕
悲鳴がすぐに出なかった。ただ2人の死体を見て、一瞬だけ冷静になった。こいつは…兵士だよな。なんで兵士がここに?どうして母さんはここに倒れている?いや、倒れている位置的に僕の部屋に近づかせないように…?
僕はこんな事がある間もずっと寝ていたのか?悲鳴も血の匂いも何も聞こえず、分からずに…寝ていたのか?
僕
僕は彼女に慌てて近寄った。冷たい。隣で倒れている兵士も冷たい。…2人とも息をしていない。
僕
僕は周りを見渡し、父さん達が何処にいるか探した。今いる2階にはいない。…となると1階だろうか?それか……
1階に降り、リビングに向かった。そこには床で雑魚寝している父さんとじいちゃん、ばあちゃんがいた。……というのは僕の幻想で、実際は、全員息絶えていた。
僕
ここにも数人の兵士がいたが、全員死んでいた。…深夜、この家に来た兵士達を母さん達が刺し違えた…という考えに至ったのはすぐだった。
僕
昨日まで一緒に話していた家族が全員死んだ。それだけでさっきの冷静さは吹き飛び、僕はパニックに陥った。全員死んでしまった。全員全員…
兵士
兵士
鍵が掛かっていなかったのか、誰かがこじ開けたのか…兵士が2人入ってきた。手には剣を握っている。
僕
兵士
兵士
彼らは何やら話し合っていた。話の内容はどうでもいい。とりあえず逃げないと。殺される。…いや、家族全員死んだんだ。僕1人が残ったところで何ができる?何もできやしない。
それなら僕も死んだ方がいいんじゃ…
「うわああぁぁ!!!魔女だ!!魔女が出たぞ!!!!」
どこか聞き慣れた人の叫び声が外から聞こえてきた。兵士は少し顔を見合わせ、1人の兵士が外に向かった。
兵士
魔術を使う…?いや、でもこの魔術は戦闘向きではない…後衛型だ。だから剣相手に戦うことなんて…やっぱり逃げるしかない?足は速くないけどできる限り…
…いや、無理だ。距離が近い。逃げられない。ならどうすればいい?死ねば…いや、嫌だ。死にたくない。まだやりたいことだってたくさんある。
僕
僕はパニックに陥りつつも考え、考え続けて、やがて諦めかけた…もう諦めていた。抵抗するだけ無駄なんだ。そう思って目を閉じた時……
兵士
兵士のそんな声が聞こえ、何事かと目を開ける。そこにはなぜか倒れている兵士と…
美羅
親友がいた。
あそこにいても、街に行くのも危険だろうということで近くの森に移動した。2人とも黙っていたが、僕が先に口を開いた。
僕
美羅
僕
美羅
美羅
…魔女は魔女だ。でも、美羅は昨日魔女の力を発現した元人間なんだ。この場合はどうなるのか…魔女であることが優先されるのか、元人間であることが優先されるのか…
美羅
美羅
僕
美羅
僕
彼がそう言うと同時に、血だらけで倒れている家族が頭に浮かんだ。
僕
僕
美羅
美羅が大声を出した瞬間、突然、何人かの女性達と男性達が話しかけてきた。
魔女
僕
魔女
魔女達
僕
美羅
彼は僕を見てにやっと笑った。それが僕に対する「期待」なのか祝福の魔女なのに何もできない僕に向けての「皮肉」なのかは分からなかった。
僕
魔女
魔女
魔女達は期待するような目で僕を見た。断る…なんて選択肢は完全に消えていた。でも…
僕
今生きている人達を僕は助けたい…いや、絶対助ける。そんな思いで「リーダー」という思いを背負った。