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第1話 「春のはじまり」
お母さん
お母さん
布団の中でうずくまったまま、 うちは小さくうなった。
実瑠
ドアの向こうから聞こえてくるお母さんの声は、 朝からやたら元気や。
お母さん
その後ろで、
お父さん
って、お父さんののんびりした声。
はぁ、と小さく息を吐く。 今日から、宮城県。 知らん土地、知らん学校、知らん人だらけ。
正直、不安しかない。
実瑠
そう呟きながら、 うちはゆっくり布団から起き上がった。
この春が、 自分にとってどんな春になるかなんて、 この時はまだ、全然知らんかった。
大阪生まれ大阪育ちのうちが、 まさか高校入学と同時に引っ越すなんて思ってもなかった。
名前は、実瑠(みる)。 今日から、この学校の1年生になる。 中学までは女子バレー部で、 ポジションはリベロ。 バレーするのも、見るのも、ほんまは大好きや。
でも今は、 期待より不安の方がちょっとだけ大きい。
引っ越しの荷物が積まれた車に乗り込んで、 窓の外を流れていく大阪の街を見ながら、 胸の奥がきゅっとなった。
宮城の空は、 思ってたより澄んでて、少し冷たい。
この場所で、 うちはちゃんと笑えるんやろか。 友だち、できるんやろか。
そんなことばっかり考えてた。
——でも。
この春。
うちの人生を、 少しだけ、いや、きっと大きく変える出会いが待ってるなんて。
その相手が、 学校中で有名な“モテ男”の先輩やなんて。
この時のうちは、 まだ、何も知らんかった。
車が止まって、
お父さん
ってお父さんの声がした。
ゆっくり外に出ると、 目の前には見慣れへん景色。
実瑠
思ってたより静かで、 空がやけに広く感じる。
お母さん
お母さんはそう言って笑うけど、 うちは小さくうなずくだけやった。
実瑠
正直、まだ実感が湧かへん。
玄関のドアを開けると、
新しい匂いがふわっとして、 靴箱も、廊下も、全部がピカピカ。
実瑠
自分の部屋に荷物を運び込んで、 段ボールの山を見つめながら、 また少しだけ不安になる。
友だちもおらん。 知り合いもおらん。
ここでは、 誰も「実瑠」を知らん。
実瑠
窓を開けると、 冷たい風が頬に当たった。
でも、その風はどこか心地よくて。
この場所で、 新しい生活が始まるんやって、 少しだけ実感した。
——この家で。 ——この街で。
うちは、 恋をすることになる。
新しい部屋のベッドにぼふっと倒れ込んで、 うちはスマホを手に取った。
実瑠
実瑠
画面をスクロールして、 一番最初に出てきた名前をタップする。
ぷるるる……
実瑠
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通話
00:00
なな
実瑠
電話繋がった瞬間、 うちは一気に声のトーン上げた。
なな
実瑠
実瑠
実瑠
一人で喋りながら、 部屋の中をくるくる見回す。
なな
実瑠
なな
実瑠
実瑠
自分で言うて、 ちょっと笑ってもうた。
なな
実瑠
なな
実瑠
なな
その言葉に、 少しだけ胸が軽くなる。
実瑠
数分
実瑠
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通話
26:35
電話切ったあと、 スマホを胸に抱えて、 天井を見上げた。
不安は、まだある。 でも。
こうやって話せる人がおるってだけで、 ちょっと元気出る。
明日から始まる、新しい学校生活。
そこで、 どんな人に出会うんやろ。
どんな春になるんやろ。
はいはい
ここでカッチョンカッチョン!!
100タップおつかれ!
むちゃいいの作れた♡
んまぁ
続きも見てね♡♡
次は
入学式の日
楽しみにしとけ~♡
♡待ってる