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「「互角。」」
「「ならば、ここからは……」」
サヴァラン
クロッフル
刃の狂乱へ、勇者は拳で立ち向かう。
衝突する二体。
両者、そこに迷いはない。
あるのは覚悟と、ひとつまみの勇気。ただそれのみ。
クロッフル
クロッフル
クロッフル
攻撃の数も質も、すべてにおいて勇者を超えるサヴァラン。
魔力が互角でも、その差は歴然。
クロッフル
クロッフル
勇者の両腕が斬られる。
加工された大理石のように、血飛沫すら凪いた断面だ。
勇者は微笑む。
クロッフル
クロッフル
血が、腕が切り離れるのを繋ぐ。
回復魔法。
迷いはない。踏み込む。
繋いだばかりの腕で右ストレート。
弾かれた。
サヴァランから見て、勇者のこの動きは『愚』そのものだった。
本気の自分と対峙するというのに、基本の動きをつくっているのは、
先ほど圧倒した、あの素人のほうの魂だったのだ。
隙に満ちた動き。
サヴァラン
サヴァラン
サヴァラン
サヴァランの猛撃。
顔も首も胴も脚も――全身が切断された。
しかし、崩れ落ちない。
斬られるのと同時に、回復魔法で体を繋げている。
クロッフル
クロッフル
クロッフル
猛撃は止まらない。
この勝負、押しているのは間違いなくサヴァランの方。
勇者の攻撃は、まだ一つも届いていない。
クロッフル
クロッフル
奇跡の天才――クロッフル・マジウーマイ。
人類最高の才能が、魔族きっての才能に挑む。
狂気が武に。
奇跡が必然に。
サヴァラン
クロッフル
クロッフル
全身を断たれながらも、勇者が拳を止めることはない。
それどころか……むしろ……
サヴァラン
サヴァラン
回復魔法は一般に、上位属性以上に難易度が高いとされている。
弱い回復魔法でさえ、基礎属性すべてを習得している程度の実力が必要な上、
強い効果を出す状況でなければ、核心の感覚を得られない。
サヴァランの連撃を受け、死の淵に達した勇者は超回復を習得した。
そして今、死を常に浴び続け、その度に超回復を常時発動している。
異常な才能〈センス〉と勇者の魔力量〈チート〉がなければ、こんな芸当はできない。
リミッターが壊れる。
肉体を壊すほどの全力。
さらに勇者は関節まで外し、射程と自由な動作を得た。
クロッフル
クロッフル
クロッフル
クロッフル
クロッフル
勇者の腕の骨は、もはや既に骨としての意味を持っていないかった。
連撃による反動を受け続けた結果、
回復魔法で原型こそ保っているが、アリほどの大きさに粉砕されていた。
殴るというより、打つ。
鞭のようにしならせ、加速する打撃へと変化していく。
サヴァラン
やがてそれは、魔力とは違う光を纏うようになった。
音速を越えた連撃。
サヴァランの猛撃に並びつつある。
クロッフル
サヴァラン
サヴァラン
サヴァラン
クロッフル
しかし彼は、奇跡の天才と呼ばれた――人類史においても最高の才能の持ち主。
当然、こんなところに終わる男ではなかった。
もはや、誰にも止められない成長。
彼は死に瀕する傷みを負い、それを癒す度に、回復魔法の核心へ進んでいた。
アップルパイ
アップルパイ
飛び込んできたアップルパイ。
刹那、発生した竜巻が二体を宙へと放り投げた。
オペラ
オペラ
オペラ
世界を疑い、魔力を恐れない。
それが、人として慎むということ。
空中戦。
サヴァラン
サヴァラン
アップルパイ
アップルパイ
絶技の二度打ち。
しかし、それゆえに不完全。
アップルパイの『天堕』は、そう何度も使えるほど易しい技ではない。
サヴァラン
サヴァラン
アップルパイ
アップルパイ
アップルパイ
アップルパイ
アップルパイ
防御を捨て、死を受け入れるアップルパイ。
しかし、勝負への抗い――その意思だけは、まだ息をしていた。
サヴァラン
その動きを抑えたのは、複数の小さな光。
サヴァランは振り返る。
こちらに手を伸ばしたオペラが、強い眼差しを向けていた。
サヴァラン
アップルパイ
炎を纏い、重力を収束させる――
まさに隕石。
その一撃が、サヴァランを地面へ叩きつける。
サヴァラン
サヴァラン
サヴァラン
サヴァラン
サヴァラン
サヴァラン
サヴァラン
サヴァラン
サヴァラン
サヴァラン
サヴァラン
サヴァラン
サヴァラン
サヴァランを襲う拳。
勇者の一撃。
過去、魔王ミルフィーユのみにしか、辿り着けなかった魔の極地。
奇跡の天才――クロッフルの才能は、遂に世界最強に並んだ。
回復魔法は今……
転じる。
『崩壊魔法』
不死すら殺す魔法。
炸裂。
サヴァランの腹を大きく突き破った。