P活してたら拾われました

そう言ってお金を要求してくる母親に目の前が暗くなる様な気がした。せっかく逃げたのに、絶縁もしたのにこの人の中では目の前の羽虫を殺しても覚えていない事と同じように俺に何を言って、したのかも忘れてお金の無心をしてくるんや…

パリン

うっかり手が滑ってしまいグラスの割れた音で意識が戻ってくる。これ以上この人の前で醜態を晒して弱みを見せたらアカン…そう分かってるのに恐怖心からか何なのか俺の指先は震えが止まらん

いらん事言ってしまった…そう後悔しても口から出た言葉は戻ってこおへん。要求が大きくなるのだろうと身構えていると少し悩んだ後にニヤッと笑った。

その汚いお金を毎度巻き上げてたのは他でもない自分やのに、それでも何も言い返せない俺を見て闇金業者から借金するからその保証人になれと言ってきた。

いふさん、バックヤードにお戻り下さい

助かった、内勤さんからの放送がなかったら俺はどんな返事をしてしまっていたか想像したくない結果が頭の中を過る

着替えようと思い戻れば悠佑さんが居たからグラスの件を謝罪したけどまったく気にしてる素振りがなくて安心する

二人して、突然心配してる様な表情を向けてくるから信じそうになる… きっと、あの人に久々に会ったから気が動転してるだけなんだろう、数回深呼吸をしてあの人の席へ戻った。

頬を少し染めて見つめられゾッとする。 声を掛ければ目を吊り上げた

いつもの興奮して暴力振ってくる感じとは少し違う…酔ってるせいなんか俺と父親を混同してしまってるんか…？

そう言ってアイスペールに入っているマドラーを手に取ると俺のシャツを掴み、瞳目掛けてマドラーを振り下ろした

さっきまで俺の目をマドラーで刺そうとしていたあの人は悠佑さんに羽交い締めにされて、俺との間にないこさんが入って物理的にも距離を取ってくれていた

これが親なのか？と哀れみや嘲笑を含んだ視線が多方面から向けられる。あの人は関係ないんか気付かんのか、ずっと喚きながら悠佑さんに腕を離す様に文句を言ったり俺にどうにかしろと叫んでくる。

りうらに耳を塞がれて何を話してるのか聞き取れないまま、りうらに耳を塞がれたまま休憩室へ連れて行かれた。