並白坂
カズキ
......
ナナミ
どうしたの?考えごと?
カズキ
...あぁ
カズキ
(何か重要なことを忘れているような...)
ナナミ
わ!みて、懐かしい
カズキ
...
ナナミがそう言って見せてきたのは、俺らくらいの世代の者が皆懐かしむであろうお菓子だった
ナナミ
こういうのって見つけると懐かしい気持ちになれるけど
ナナミ
それまではなぜか忘れてるよね
カズキ
...そうだな
カズキ
(その通りだ。今考えてることも、綾瀬さんの件も)
カズキ
(この学校に来てからいかに自分の記憶というものが曖昧なのかが分かった気がする)
カズキ
...名前...つけとくか
ナナミ
また?
カズキ
「カズキとナナミがお菓子を見つけた日」
カズキ
これでどうよ
ナナミ
...うん、透道くんはそういうの向いてないと思う
カズキ
酷くね?
そうやっていつもみたいに笑いあった
こんな日常が...ずっと続くと思ってた
勇太
兄貴!兄貴!
カズキ
!!
カズキ
どうした?
勇太
ともじいちゃんが!
カズキ
...友晴さん?
レイジ
どういうことだ?
レイジ
親父が?
ユイ
...うん
レイジ
何言ってんだ!馬鹿なこというな!俺の親父がそんなことするわけ...
全て伝えた
でも遅かった
忍
レイジ、そこをどけ
レイジ
!!
バリバリバリィ!!
公成
やあ、いつの間にか脱出していたな、ユイ
ユイ
お父さ―
バチバチバチィッ!!
咲夜
やっと壊せるなぁ...何もかも
ケンジ
おい!やめろ!
ブンッ!!
ケンジ
??
ケンジ
なんだ...空間が歪んで...
咲夜
そういう技術もあるけどね、俺の場合は違う
咲夜
空間の方が歪んで見える、そう感じる錯覚を起こす体の動きができるんだ
蒼一郎
逃げろ!
ガン!!
リコ
みんな!逃げて!!
紗良
無理だよ~リコちゃ~ん
リコ
あんた!なんなの!
リコ
その武器どけて!
ドカァァン!!
紗良
この程度じゃあ...リコちゃんはやられないよね
紗良
わかってる...だってリコちゃんは
紗良
...
紗良
...
紗良
ズルいよね…リコちゃんばっかり
凪
本当なのか!明!
明
何をそんなに慌てている
明
お前が今まで打ってきた弾だってそうだろう
凪
あれは5分以内の記憶を消すものだろう?今の話とはレベルが違う
凪
(ふざけるな...僕はそんなつもりじゃあ...)
明
お前の大好きな記憶操作だよ
明
白園 結(しらぞの ゆい)のこともみんな忘れていたからこそ今まで行動しなかった
明
今回の現実改変は確かにテストだが...改変に成功した部分はもう戻さない
明
俺のように苗字や名前を忘れ...家族との縁も分からなくなるものもいるだろう
明
俺も実際いまだに分からない
凪
(それは...)
明
レヴェリオにある最新の技術なども壊す。我々への兵器になりかねない
明
感情や自我、肉体や記憶すらも消えたら戻さない
明
名前も
明
兵器も
明
感情も
明
存在も
明
体質も
明
記憶も
明
全てだ
明
それがΔさんの司令...絶対条件だ
凪
......
明
そろそろだな、行くぞ
Δ
準備はいいな
明
はい
忍
はい
明
(これでいいんだ、Δさんの命令は絶対だ)
公成
遂にですね
公成
遂に再構築が始まる
咲夜
再構築ってことは1回壊して戻すってこと
咲夜
つまり壊せるってことだよね!
咲夜
ああ~ゾクゾクするぅぅ
紗良
私情は持ち込まないで
紗良
ね?凪
凪
......
紗良
?どうかした?
凪
...なんでも...ない
凪
(もういい、どうでもいい)
凪
(湊真だけは助けよう)
忍
レヴェリオ学園の1部生徒と教師は厄介なので鏡世界に閉じ込めようと思ったのですが
忍
容量オーバーなのでうちの拠点の監獄に移動させます
Δ
それでいい、手を組まれないように別々の檻にいれろ
Δ
友晴も確保した
Δ
やっと――
ガシャァァン
Δ
!!
凪
!!
カズキ
はぁ...はぁ...
カズキ
間に合った...
カズキ
思い出したぞ...お前ら
Δ
......
カズキ
みんなを...返せ!!