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no.
no.
僕は急いで走り寄り、声を掛けた。
no.
et.
no.
そう言うと、etさんは困惑したように苦笑し歩き出す。
et.
「一緒に帰りましょう!」
…そう言うつもりだったのに。
何も、言えなかった。
etさんの頬には、涙の跡が残っていたから。
no.
こう言う時は、どう声を掛けるべきなのか、 僕には分からなかった。
「大丈夫?」
「相談に乗るよ!」
そんな安っぽい言葉を掛けることもできた。
でも、彼女の顔が見ている僕が泣きそうになりそうな程、
哀しそうで、苦しそうで。
胸が締め付けられるような気がした。
no.
あーもうっ!僕のバカっ! etさんはそんな場合じゃないに決まってんじゃん!
…そう思っていたのに、
et.
…びっくりした。
etさんはあまり人との関わりに興味が無さそうだったのに。
それでも僕と関わろうとしてくれているのは、たぶん、
etさんの心に余裕がないからだと、気づいた。
no.
ちらりとetさんの横顔を覗き見る。
etさんは無表情で、顔から感情を読み取る事は難しかった。
でも、辺りに立ち込める雰囲気から落ち込んでいるのは分かった。
no.
no.
et.
僕がetさんに対してできる事は、これしかない…そう思った。
no.
no.
no.
no.
no.
no.
no.
no.
no.
no.
no.
no.
no.
no.
no.
no.
no.
no.
no.
no.
頬を冷たい涙が伝う。
それでも、僕にはそれを拭うことはできなかった。
et.
no.
et.
et.
et.
いきなり鼻声になったから、驚いてetさんを見る。
etさんの頬には、やっぱり涙が伝っていた。
etさんも、それを拭おうとはしなかった。
et.
no.
et.
涙に濡れた顔で笑ったetさんは、
この世のものと思えないくらいに、美しかった。