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7月某日日曜、夏祭り当日 pm13:00
僕
待ち合わせは15:00 電車で二駅先の会場に向かうにしては かなり張り切った時間にホームに立っている
カヤの住所は知らないが、いくらなんでもこの時間に電車に乗ることは無いだろう
僕
「まもなく、3番ホームに普通神宮行が六両で参ります。危険ですので黄色の線の内側に立ってお待ちください〜」
僕
向かってくる電車を脇目にそんなことを考えていた
???
僕
僕
懐かしく忘れたい声に僕が振り返ると やはりそこには忘れようとしていた人、ハルナが立っていた
アキラ
ハルナ
アキラ
ハルナ
僕らが乗り込むのを待っていたかのように 電車のドアが勢いよく閉まる
アキラ
ハルナ
無茶苦茶な空気だ 好きな人との夏祭りに向かう途中の電車で忘れたかった元カノに出会ったら誰だってこうなる
ハルナ
アキラ
ハルナ
ハルナ
アキラ
予定の15:00まではまだ2時間近くある 話そうと思えば話せるが、しかしそれは……。
ハルナ
ハルナ
ハルナ
アキラ
ハルナ
アキラ
目的の駅の一つ前で僕らは降りることにした。
アキラ
ハルナ
pm13:30 降りた駅で僕らは手近な喫茶店に入った。 オシャレでもレトロでもないごく一般的な喫茶店だ。僕らはウェイターに案内されるままに入口近くの窓際の席に腰をかけた。
アキラ
ハルナ
注文ベルを鳴らし、飲み物の注文を適当に済ませる。外は昼時も相まってかなりの暑さで、駅から数分歩いただけで喉が冷たい飲み物を欲していた。
アキラ
ハルナ
ハルナ
アキラ
アキラ
ハルナ
ハルナ
アキラ
ハルナの気持ちは痛いほどわかる。 僕もそう……いや、そうだった。
ハルナ
ハルナ
アキラ
ハルナ
あぁ。ハルナは俺と同じ轍を踏んでいる。 いや僕がこの一ヶ月、カヤとの日々が無ければ今も僕はハルナと同じ場所で迷っていたかもしれない。
ハルナは振った側だ。 それでも僕と同じ気持ちを持って、同じ気持ちで迷ってくれている。 話すことも出来ず、忘れかけていた僕の心が迷い揺れ動いているのが自分でもわかった。
ハルナ
アキラ
ハルナ
アキラ
アキラ
ハルナ
アキラ
ハルナ
アキラ
アキラ
ハルナ
アキラ
ハルナ
ハルナ
アキラ
pm14:00 会場隣駅
カヤ
夏祭りの会場から一駅離れてはいるが、祭りといえば浴衣、だとあたしは思う。 彼に頑張って誘ってもらったんだ。 あたしもそれに応えたい。
レンタルした浴衣に身を包み、街を歩いているが どうも規模の大きな祭りのようであたしだけが浮いている格好というわけでもなく、点々と浴衣姿の男女が見えた。
カヤ
日陰を求めるように裏手に入り、抜けた先に手頃な喫茶店が見えた
カヤ
そこには見知った今から待ち合わせるであろう男とそこに向かい合う形で会話する女の姿が見えた。
女がスプーンで持ち上げたソフトクリームを半笑いで口にする男の姿がそこにはあった。
カヤ