コメント
1件
22話、再編集したのでもう一度見てください!もう一度見て頂くと、話の内容が掴めるかと思います!よろしくお願いします!
四季涼雅
待って…!
止まって!
俺は、涙を拭いながら階段を駆け上がる三波斗を追いかけた。
三波斗は自分の部屋に入っていった。
四季涼雅
俺が名前を呼んだ途端、三波斗はその場で崩れ落ちた。
椚三波斗
四季涼雅
三波斗の元へ駆け寄り、背中を支えた。
椚三波斗
四季涼雅
三波斗は泣いていた。
顔を覗き込もうとしたが、顔を埋めていて見えない。
どうしたら良いのか分からない。
少し焦ったが、フローリングは冷たいから、立たせてベッドに座って欲しいと思った。
四季涼雅
椚三波斗
四季涼雅
びっくりした…
なんで急にそんなこと言い出したの?
悪いことしたつもりじゃないんだけど…
四季涼雅
ほっといて欲しい時くらいあるよね。
仕方ないか。
椚三波斗
椚三波斗
三波斗はそう言いながら立ち上がった。
そして、俺に背を向けた。
その背中が、いつもの三波斗の背中よりも少し遠くにあるように感じた。
2人でベッドに座った。
さっき、本当のこと言ってって言ってたけど…
俺がさつきのことを好きなことを、三波斗は気づいてるってことなのかな?
嘘つかれたのが嫌だった…とか?
いや、でも、そのくらいだったらこんなに泣かないかな…
なんで泣いているのか確かめる為にも、ちゃんと話そうかな。
嘘ついたって、メリットはないし。
でも、正直に言えば、デメリットが出る可能性が高い。
でも、やっぱ嘘は良くないよな…
よし、一か八かで言ってみよう!
四季涼雅
四季涼雅
四季涼雅
椚三波斗
頑張れ俺!
四季涼雅
椚三波斗
俺が正直に話そうとしたのを、三波斗が遮った。
四季涼雅
椚三波斗
椚三波斗
…え?
確かに言ったけど…
正直に話そうとしただけなのに…
なんでそんなに嫌なの?
自分から聞いといたくせに。
俺は、三波斗の気持ちなんか考えずに、少しの苛立ちと疑問を抱いていた。
四季涼雅
しばらくの間、微妙な空気が流れた。
話すことも無いし、聞きたいことも無い。
きっと“話しかけないで”とか、言われるだろうし。
椚三波斗
椚三波斗
四季涼雅
四季涼雅
三波斗が戻る気になったのは嬉しい。
だけど、少し嫌な気分だった。
四季涼雅
椚三波斗
2人で静かに階段を降りた。
リビングに着いたら、どんなこと話せば良いだろう。
特に話すことも無いし、向こうからもきっと何も言ってこない。
喧嘩ではないけど、少し気まづいな。
そのとき、
ドン!
何かが落ちる音がした。
四季涼雅
後ろを振り返ると…
椚三波斗
三波斗が階段に滑り落ちていた。
四季涼雅
四季涼雅
三波斗は俺のいる段の2段くらい上の所まで滑り落ちていて、右足を手で抑えている。
椚三波斗
椚三波斗
“大丈夫”とは裏腹に、顔は険しかった。
足が痛いのかな…?
何をしたらいいのか分からず、おどおどしていると、
ガチャッ
リビングのドアが開く音がした。
市川慶一郎
仮屋瀬さつき
市川君が顔を覗いてきた。
その後ろにはさつきもいる。
四季涼雅
市川慶一郎
俺の“三波斗”と言おうとした声を聞きた途端、表情が一気に変わった。
そして、俺達の方に階段を駆け上がってきた。
椚三波斗
椚三波斗
そう言って、三波斗は手すりに捕まって立とうとした。
大丈夫な訳ないじゃん。
俺が手を差し出そうとした時、
市川慶一郎
市川君が横から三波斗の腕を掴んだ。
そしてその腕を自分の肩に乗っけて、優しく体勢を起き上がらせた。
ここに居たままじゃ良くない…
四季涼雅
市川慶一郎
椚三波斗
三波斗はそう言って、市川君の肩から腕を外そうとした。
でも、市川君はガシッと掴んで離そうとしない。
三波斗はみんなを心配させないようにか、ヘラヘラと作り笑いをしているけど、市川君はずっと真剣な顔をしている。
市川慶一郎
市川慶一郎
椚三波斗
市川慶一郎
椚三波斗
市川君は三波斗を運びながらそう話していた。
三波斗、転けるの2回目なんだ…?
その時は、大丈夫だったんだ。
4人でリビングに向かい、三波斗をソファに座らせた。
椚三波斗
椚三波斗
三波斗は、俺、市川君、さつきの3人の顔を見上げながらそう言った。
市川慶一郎
市川慶一郎
市川君が少し冷たくそう言った。
椚三波斗
椚三波斗
一瞬戸惑った顔をしたけど、すぐに元に戻した。
そしてソファに手を置き、“よいしょ”と立ち上がった。
だが
椚三波斗
一瞬で崩れ落ち、またソファに座ってしまった。
三波斗は右足首を抑えた。
市川慶一郎
椚三波斗
市川君はため息混じりにそう言った。
三波斗は、市川君の言葉を聞いて、右足首を抑えるのをやめた。
市川慶一郎
市川慶一郎
市川慶一郎
市川慶一郎
市川慶一郎
市川慶一郎
市川慶一郎
言い方は凄く強かった。
でも、言っていることは正論だ。
誰も言い返せなかった。
三波斗も。
椚三波斗
椚三波斗
椚三波斗
市川慶一郎
市川慶一郎
三波斗が正直に打ち明けた途端、市川君はほんの少し、優しい笑みを浮かべた。
市川慶一郎
市川君はしゃがんで三波斗の足を見ながらそう言った。
椚三波斗
市川慶一郎
三波斗は“病院”と聞いた途端、少し驚いた顔をした。
市川慶一郎
市川慶一郎
市川君はきっと三波斗が“骨折してます”って言われるのを怖がっていると思っているのだろう。
でも三波斗は病院が嫌いだから、そっちに対して怖がっている。
市川君は三波斗の頭をポンポンと撫でた。
優しい笑顔で。
三波斗もその表情に安心したように、釣られて笑っている。
なんだか、2人の空気感がいい感じに見えた…気がする。