仮屋瀬さつき
仮屋瀬さつき
市川慶一郎
仮屋瀬さつき
さっき洗面所で市川君が話してくれた好きな人の話をしようとした途端、
市川君は俺の口を焦った様子で塞いできた。
仮屋瀬さつき
俺が静かになったことを確認してから、俺の口に置いた手を離した。
市川慶一郎
市川慶一郎
仮屋瀬さつき
市川君はほんの少し耳を赤くして下を向いた。
市川慶一郎
市川慶一郎
市川慶一郎
市川慶一郎
その先は何も言わずに、ただ俯いていた。
仮屋瀬さつき
仮屋瀬さつき
だとしたら可愛いな…
市川慶一郎
仮屋瀬さつき
市川慶一郎
市川慶一郎
そう言って、俺の目を真っ直ぐ見つめてきた。
仮屋瀬さつき
市川慶一郎
ああ、本当に三波斗のこと好きなんだな…
俺も市川君の立場だったら同じこと思ってたと思うし…
仮屋瀬さつき
仮屋瀬さつき
市川慶一郎
市川慶一郎
あ、そう言えば
なんであんな質問してきたんだろ?
市川君が三波斗のことを好きっていうことで頭がいっぱいになって、
完全に忘れていた。
仮屋瀬さつき
市川慶一郎
少しの沈黙の後、俺は、さっきの質問の意味を聞くことにした。
仮屋瀬さつき
仮屋瀬さつき
仮屋瀬さつき
ガタンッ!!
どういう意味ですか?
と聞こうとした途端、廊下の方から何かが倒れるような音がした。
仮屋瀬さつき
市川慶一郎
市川慶一郎
仮屋瀬さつき
タイミングが悪いけど、俺達は見に行くことにした。
廊下に出て、市川君は階段を覗いた。
市川慶一郎
俺もその後ろから覗き込んだ。
仮屋瀬さつき
市川君の声に気づいた涼雅は、後ろを振り向いて焦った顔をしている。
下の方を見ると、誰かの足が見える。
その先は曲がり角になっていて良く見えないけど…
四季涼雅
市川慶一郎
まだ完全に話し切っていないのに、涼雅の声を遮って市川君は階段をかけ上った。
“三波斗”という声に反応したのだろう。
三波斗に何かあったのかな?
俺は恐る恐る市川君の向かう方向に着いていった。
椚三波斗
椚三波斗
ほんの少し見えていた足元の正体は三波斗だった。
三波斗は階段に寝ていた。
さっきの音は、三波斗が転げ落ちる音だったのかな。
三波斗は手すりを掴んで、身体を起こそうとしている。
市川慶一郎
市川君はそんな三波斗の腕を組んで掴み、自分の肩に乗せた。
そして慣れた手つきで三波斗を起き上がらせた。
四季涼雅
市川慶一郎
三波斗の腕を自分の肩に乗せながら、リビングに向かおうとした。
椚三波斗
三波斗は少し申し訳なさそうに笑った。
でも足は、少し引きずっているようにも見える。
市川慶一郎
市川君はそんな三波斗の言葉を無視して、そのまま歩き続けた。
市川君は三波斗をソファに座らせた。
椚三波斗
椚三波斗
市川慶一郎
市川慶一郎
市川君は少し怒っているのか分からないが、怖い顔をしている。
椚三波斗
椚三波斗
三波斗は焦った顔をしたが、足を踏ん張って立とうとした。
でも、右足は力が入らないのか、重心が左に傾いている。
椚三波斗
だが、すぐにまたソファに座ってしまった。
そして、右足を痛そうな顔をして抑えている。
市川慶一郎
椚三波斗
市川君…?
機嫌が悪そうに頭をかいた。
好きな人なんだよね?
俺だったら、“大丈夫?”とか優しく言って、手を差し出してあげるのに…
市川慶一郎
市川慶一郎
市川慶一郎
市川慶一郎
市川君?
なんで説教してるの?
怪我しちゃったんだよ?
好きな人が怪我しちゃったんだよ?
俺は、心の中で焦っていた。
市川慶一郎
市川慶一郎
市川慶一郎
そんな強い言い方じゃなくても…
三波斗は、今にも泣きそうな顔をしている。
そんな2人を、俺と涼雅は静かに見ていることしか出来なかった。
椚三波斗
椚三波斗
椚三波斗
三波斗は俯きながら小さな声でそう言った。
市川慶一郎
市川慶一郎
三波斗がそう言った途端、市川君は柔らかい表情を浮かべた。
あれ?怒ってたんじゃなかったの…?
そして、しゃがみ、三波斗の足の様子を見た。
市川慶一郎
椚三波斗
え、そんなに大事なの?
病院で検査…?
市川慶一郎
市川慶一郎
市川慶一郎
市川君、知らないのかな?
骨折より、捻挫の方が治るのが遅いっていうの…
市川君はその後、三波斗の頭を笑顔でポンポンと優しく撫でた。
その笑顔は優しかった。
さっきの説教している時とは真反対の表情。
三波斗もその表情を見た途端、可愛い笑顔を見せた。
男の俺からだって可愛いって思う。
市川君はこういう笑顔とかにやられたんだろうな…きっと。
市川君だけを見つめて笑っている三波斗。
そんな市川君と三波斗が少しお似合いに見えた。
市川君、自分で好きって伝えたいって言ってたけど
気持ちを伝えて、本当に付き合ったりしたら、どんな感じになるんだろ…
翌日。
ガチャッ
朝起きて、用意も済ませた俺は、リビングのドアを開けた。
仮屋瀬さつき
誰かの声が聞こえたから、挨拶をしようとした。
でも、そこに居たのは
市川君と三波斗だった。
仮屋瀬さつき
ガチャッ
その2人が居るのが分かってすぐにドアを閉めた。
焦ったあ…
昨日から、あの2人が一緒に居るのを見たら、どこか行かないと!と思うようになった。
だって、邪魔したくないもん…!
四季涼雅
四季涼雅
リビングのドアの前に立っていると、涼雅が廊下を歩いてきた。
仮屋瀬さつき
仮屋瀬さつき
四季涼雅
俺はそんな怪しげな返事をしてしまった。
四季涼雅
仮屋瀬さつき
四季涼雅
仮屋瀬さつき
俺怪しすぎだろ…!
無駄に声でかいし!
四季涼雅
四季涼雅
涼雅は当たり前に疑問を抱いた顔をしている。
こんなん言われたらそんな顔なるよな…
仮屋瀬さつき
仮屋瀬さつき
リビングに居る2人から離すためにも、俺達は2階に向かった。
双葉小太郎
階段を上り、廊下を歩いていると、向かうからきよちゃんとこたが駆けてきた。
四季涼雅
仮屋瀬さつき
双葉小太郎
双葉小太郎
仮屋瀬さつき
四季涼雅
六花清春
仮屋瀬さつき
仮屋瀬さつき
仮屋瀬さつき
仮屋瀬さつき
仮屋瀬さつき
仮屋瀬さつき
六花清春
双葉小太郎
俺の言葉を聞いた途端、2人同時に崩れ落ちた。
双葉小太郎
双葉小太郎
六花清春
六花清春
2人の様子を見ると、自然と笑顔が出てきた。
三波斗のことそんなに心配してたんだな…って。
そういえば
昨日、2人は何してたんだろ?
仮屋瀬さつき
仮屋瀬さつき
コメント
7件
今回も、面白かったです!! 清春と小太郎がなにをしてたのかが気になります✨