花梨
ねぇ、音楽室ってどこかな?
萌那
えぇと…北校舎の階段を上がってすぐの教室です!
花梨
ありがとー。ところで名前は?
萌那
萌那です!上田萌那!
花梨
私は井上花梨だよ。同じ2年だよね?
萌那
はい。
花梨
敬語使わないでいいよ。先輩じゃないんだから。
花梨
送り出しありがとー。ごめんねー。私たち今日から友だちね?
萌那
え?…ありがと、嬉しい!
久しぶりの友達。私は好かれない性格で友達出来てもしばらくすると避けられてきた。だからこのチャンスは逃さない。そう心に決めたんだ。
真希
あ、萌那。私の係の仕事さぁ、やっといてくんない?
萌那
え?あ、ううん。い、いいよ。
真希
よかったー。萌那ならOKくれると思ってた。ほんっとありがとー。
詩織
もー、何してんの?
真希
係の仕事頼んでた。
萌那
じゃあ、私は行くね!
真希
あ、そうだ。さっき話してた子だれ?
萌那
花梨ちゃん。
真希
井上花梨?
萌那
そうだったと思うけど…
真希
そっか。とにかくあいつ性格悪いから。関わらない方がいいよー。
萌那
へえー、そうなんだ。
私はそう言ってその場を後にした。どうせ根も葉もない嘘なんだから。せっかく出来た友達だから信じたかった。
花梨
不在着信
萌那
あ、さっき連絡先交換したんだっけ?かけ直さなきゃ。
萌那
通話
01:30
花梨
萌那
わ、可愛い、
花梨
萌那ちゃんも送ってー。私も送ったんだし。
萌那
えー
萌那
わ、わかった…
萌那
花梨
おー、可愛いじゃん、今日はほんっとありがとね。音楽室の件!
萌那
いえいえ。
花梨
ところで恋バナ聞いて欲しいな。
萌那
私で良ければ
花梨
私友達少ししか居ないから聞いて欲しい!
萌那
いいよー。誰が好きなの?
花梨
同じ吹奏楽部の優也先輩!
花梨
花梨
背景は美術部の友だちの作品。手は優也先輩の友達だよー。
萌那
凄いかっこいい!
花梨
でしょ?応援してね!
萌那
もちろん。
花梨
優也先輩からLINEきた!
萌那
頑張れ!
花梨
部活の予定聞かれた!
萌那
おー!
明日も頑張ってね!
花梨
そういえば部活何やってるの?
萌那
なんにも。辞めちゃった!
花梨
辞める前は?
萌那
なんだと思う?
花梨
えー?テニス?
萌那
ハズレ。バスケ部やってた、
花梨
そっかー。残念だったね。
花梨
またあしたね
萌那
うん。
またね
花梨
おはよー。
萌那
お、おはよー。
花梨
緊張してる?
萌那
ううん、そんな事ないよ!
優也
花梨おはよ!
花梨
!
花梨
おはようございます。
萌那
(2人ともいい感じ)
優也
君の名前は?
萌那
え?私?
萌那
上田萌那と言います。
優也
素敵な名だね!
萌那
ありがとうございます
花梨
分かってると思うけど好きになっちゃだめだよ?
萌那
分かってるよ!
花梨
ねぇ。あのさ、吹奏楽部に入らない?
萌那
え?
花梨
うちの部が楽しくなりそうなの。
萌那
ムリムリ。楽しませるとか出来ないし。
花梨
私、浮いてるからさ…
萌那
そ、そっか。考えてみるね。
花梨
ありがと!
入ってくれたら嬉しい!けどお金とか掛かる事だからちゃんと考えてね。
萌那
うん、教室…戻らなきゃ。
花梨
あ、そうだね、私も戻るよ。昼休み行くね。何組?
萌那
3組だよ。
花梨
おっけー。
昼休みに3組行くから!
詩織
あ、萌那じゃん!おはよー。
真希
おはよー。
萌那
おはよー。
クラスで浮きぎみの私は真希達が怖かった。愛想笑いして乗り越えれた。
花梨
じゃあね!萌那。
萌那
うん。昼休みね!
萌那
(ふぅ…こんなに親しい人が私に出来るなんて…夢…かなぁ。)
透
萌那?
萌那
え?
透
頭…ゴミついてる。
萌那
え?どこ。
透
なーんてな。ちょっとからかってみただけ。
萌那
なっ。
透
色んな人にやってんだー。お前で7人目!
萌那
そう…なんだ。
隣の席の男子にドキッとしてしまった。友達扱いされたみたいでびっくりしたのだ。
透
お前1番リアクション薄いよw、もっとさ、どこどこってなると思ったんだけどな。
萌那
なんか…ごめんね。期待ハズレで。
透
いや、そうじゃなくていつも冷静なお前でもぎゃーってなったら意外な一面が見れたなー、なんて思っただけで…
萌那
そっか。
何この空気…。ま、いっか。透だし。幼稚園も一緒で親近感を感じていたのかな?家も近いしね…
この後私は優也先輩に会うという最大の危機を味わう事になる。とか話を盗み聞きしてたらしい透が言ってたけどなんなんだろうな。