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➰ ✿ nrkr
32
りおん
5,264
みかんのかんずめ
246
研究区域。
白い機械音だけが、部屋の中に響いていた。
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腕に繋がれた管を見る。
いつもの診察とはちがう。
いつもなら、すちが隣にいて、体調を聞いて、薬を飲んで終わりだった。
でも今日は違った。
研究員
研究員
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いるまはすちをみる。
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すちの口が止まる。
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その言葉に、すちの目が揺れた。
研究員
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すちは答えられなかった。
その沈黙だけで、いるまには十分だった。
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いるまは目を閉じた。
その頃。
患者区域では、こさめが何回も時計を確認していた。
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けれど、その声にも自信はなかった。
そこへ、らんがやってくる。
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らんの表情が一瞬で変わる。
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らんは二人の前にしゃがみ込む。
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らんは二人に笑いかける。
けれど、背を向けた瞬間。
その表情から、笑顔が消えた。
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廊下を急いで進む。
研究区域の扉。
カードキーをかざす。
ピッ。
しかし______
「アクセス権限がありません。」
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もう一度。
ピッ。
「アクセス権限がありません。」
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そこへ、研究員が現れる。
研究員
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研究員
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研究員
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研究員
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研究員
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研究員
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研究員
らんの拳が震える。
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研究員
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研究員はなにも応えない。
その頃。
研究室では、いるまの検査が続いていた。
研究員
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研究員
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研究員
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研究員
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研究員が捜査を続ける。
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いるまは苦しそうに息を吐く。
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すちの目に、涙が浮かぶ。
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すちはなにも言えなかった。
その言葉が、余計に胸に刺さった。
そして、研究員が新しい資料を開く。
研究員
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研究員
資料には、短く書かれていた。
『研究区域、長期観察対象への変更。』
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いるまは、その文字を見ていた。
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研究員
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研究員
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いるまの顔から、少しづつ血の気が引いていく。
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誰も答えなかった。
その頃。
研究区域の外からは、
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閉ざされた扉を見つめる。
らんの端末に、通知が届く。
『対象、400220。研究区域への移動完了。』
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その文字を見つめたまま、らんは目を閉じた。
そして、小さくつぶやく。
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その言葉は、かつて自分が何回も聞いた言葉だった。
白い世界の中で。
今度は、自分がその言葉を口にする側になっていた。
コメント
1件
読了しました……。この話、ずっしり来ましたね。 いるまが「戻れるんだよな」って確認するシーン、すちが答えられない沈黙がすごく痛かったです。信じたいけど信じられない、その距離感が切なくて。らん先生の「またか」って言葉にも、過去の何かが透けて見える感じがして、胸が締め付けられました。 最後の「ごめん」が、誰のための言葉なのか……考えさせられます。続き、気になりますね。