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カフェ・レガーレへようこそ

8 - カフェ・レガーレへようこそ⑦

♥

415

2020年01月23日

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結城 樹里

ゆっちゃんこっち!

椎名 結

樹里!

椎名 結

どうしたの?

席につくと樹里は苛ついた様にスマホを開いた

結城 樹里

結城 樹里

紹介したい人がいるんだけど…

結城 樹里

アイツ、遅いわね…

そしてとうとうスマホを投げ出した

結城 樹里

もう!先飲み物頼んじゃお!

結城 樹里

私メロンソーダ

椎名 結

マンデリンで!

椎名 結

それで紹介したい人って…?

結城 樹里

もうすぐくるはずなのよ!

すると扉が開いた

???

???

コレか、お前の友人は

椎名 結

(誰…?)

椎名 結

(っていうか失礼じゃない!?)

艷やかな金髪に高そうなスーツ

目の前の男はいかにもお金持ちな風貌だった

結城 樹里

結城 樹里

礼儀もなってないのね

結城 樹里

良いところのお坊ちゃんは

???

はあ…?

???

お前だって…!

一触即発の雰囲気を慌てて宥める

椎名 結

ストップ!!

椎名 結

誰、ですか?

結城 樹里

ほら、自己紹介

???

分かってる

???

俺は、西園寺響平

???

西園寺 響平

コレの婚約者だ

椎名 結

婚約者…!?

思い出した

婚約でも何でもしてやるわ

あの時の言葉を

椎名 結

(でも、仲良さそうには…)

お世辞にも見えない

気づけば二人で言い合っている

結城 樹里

アレよアレ

結城 樹里

うち、ホテル事業やりたいから

結城 樹里

西園寺グループと手を組んだってわけ

椎名 結

へ、へえ

西園寺 響平

まさか婚約者がこんな女だとは思ってなかったが

結城 樹里

ハッ

結城 樹里

こっちこそまさか私より身長低い奴だと思わなかったわ

椎名 結

(うわー!)

私はもう黙っているしかなかった

結城 樹里

それに遅刻魔だなんて

結城 樹里

そんなんで後継者できるわけ?

西園寺 響平

これだからせっかちは…

西園寺 響平

俺クラスになると

西園寺 響平

のんびりリムジンで来てやったわ

結城 樹里

そういうところホントに嫌!

椎名 結

…ッフフッ

のんびり来たというのはきっと嘘

だって彼は息切れこそしていなかったものの

入ってきたときに汗をかいていた

それは急いできたという証拠だ

それには樹里も気づいているだろう

椎名 結

(樹里、楽しそう)

椎名 結

(良い人が婚約者で良かったね)

結城 樹里

ゆっちゃん何笑ってるの!

椎名 結

んー、二人お似合いだよ

結城 樹里

どこがよ!

西園寺 響平

どこがだよ!

やっぱり楽しそう

椎名 結

(羨ましいな…)

二人を見て

自分に置き換え想像してしまった

椎名 結

~っ!

相手役はいない、と思っていたが

椎名 結

(なんであの人が…)

何度想像しても相手役に彼が出てくる

そして彼と私が笑いあっている姿

椎名 結

椎名 結

(まさか、ね…)

この気持ちには気づいちゃいけない

今は、まだ

二人が話している間

まるで自分の心のようにシュワシュワと弾ける

メロンソーダを見つめていた

椎名 結

それじゃ帰るね

結城 樹里

うんバイバイ

西園寺 響平

あの女、彼氏いるのか?

結城 樹里

いないわよ?

西園寺 響平

ふーん

西園寺 響平

男を想う顔、してたけどな

結城 樹里

アンタそういうのは鋭いわね

西園寺 響平

うるさい

西園寺 響平

西園寺 響平

庶民は恋に盲目になる

結城 樹里

どうしたの急に

西園寺 響平

いやあの女見てて思ったんだよ

西園寺 響平

俺達とは違う

結城 樹里

…そう、ね

結城 樹里

羨ましい?

西園寺 響平

どうだろうな

西園寺 響平

俺達の愛だの恋だのは決められていたからな

結城 樹里

…そうだとしても

結城 樹里

私は婚約者アンタで良かったと思ってるわ

西園寺 響平

奇遇だな

西園寺 響平

俺もお前のことは嫌いじゃない

これが私達の不器用な愛の形

カフェ・レガーレへようこそ

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コメント

16

ユーザー

結気づいちゃたのかな

ユーザー

面白くなってきた!

ユーザー
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