テラーノベル
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初めて徹夜をした。 誰かが隣にいたわけでもなく、 何かをしていたわけでもない。
ただ、夜を超えてみたいという理由で 私は朝まで起きていた。
徹夜をするために 昼に少しだけ寝て、備えた。
なんて無駄なことだろうとも 思ったけれど、 自分の好奇心を前には、 それは些細なことだった。
0時を過ぎた後の世界は、 本当に静かで 車が走るたびにタイヤが 地面をこする音すら聞こえる。
それ以外は、静寂の世界だった。 自分だけがこの世界に 取り残されたような気がした。
寂しさはなかった。 むしろ、息苦しささえ感じた 昼の世界よりも居心地が良かった。
朝が来ないで欲しいとすら、思った。 けれど、日は少しずつ上っていき、 私の願いは朝に笑われた。
朝7時。 皆が当たり前のように 日の光を浴びる頃、 私は自分の夜を迎えるために ベッドに行き
まぶたを閉じて、 自分の夜に帰って行った。
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