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久し振りに実家に帰ると、 手持ち無沙汰になった。
友人たちは他県にいるし、 どこに行く用事もない。
ふと思い立ち、 僕は自分の通っていた学校へと 向かった。
卒業して10年。 通学路の全ての風景は 変わっていた。
ただ、時折「あの頃」の風景が 残っていた。 僕は当時のことを思い出しながら、 足を前に進める。
学校は特に変わっていなかった。 花壇に咲く花が ほんの少しだけ色づいている以外、 あの頃のままだった。
僕の脇を、授業を終えた生徒が 通り抜けて行く。
その子たちは 何かを楽しそうに話していた。
目を閉じれば、 まだそこに「僕」がいる気がした。