あなただけの執事

第1話

あなただけの執事

236

2018年05月13日

#恋愛

#執事

#虐待

#主人公がお金持ち

霧夜

籾山アリサ

彼方様

籾山アリサ

朝ですよ

籾山アリサ

起きてください

神宮司彼方

んん…

籾山アリサ

今日は朝早くから課題を済ませなければならなかったのでは？

神宮司彼方

あっ…

神宮司彼方

そうだった…

神宮司彼方

ありがとう、アリサ

籾山アリサ

いえいえ

籾山アリサ

これが私の務めですから

籾山アリサ

課題は何時頃に終わりそうですか？

神宮司彼方

うーん…7時には終わらせるようにするさ

籾山アリサ

了解致しました

籾山アリサ

それまでに朝食のご用意を致します

神宮司彼方

待て

籾山アリサ

はい？

神宮司彼方

その前に、ここ、教えてくれないか？

神宮司彼方

ここだけ分からないんだ…

籾山アリサ

なるほど

籾山アリサ

喜んで

神宮司彼方

ありがとう、もうすぐで終わりそうだ

籾山アリサ

よかったです

神宮司彼方

終わり次第、すぐ行く

籾山アリサ

はい

籾山アリサ

そろそろ来る頃かな…

父

おはよう、アリサ

母

おはよう、アリサちゃん

籾山アリサ

おはようございます、旦那様、奥様

母

ふぅ、お腹が空いたわ…

籾山アリサ

もうできていますよ

母

あら！助かるわ！

神宮司彼方

アリサ、お前のおかげで無事終わった

神宮司彼方

ありがとう

籾山アリサ

いえいえ

父

今日も美味しそうだな

父

さあ、食べるぞ！

神宮司彼方

おう

母

ええ

父

アリサ、お前もどうだ？

籾山アリサ

ですが、私は執事です

籾山アリサ

旦那様方と一緒に食事など…

父

関係ない

母

そうよ

母

あと、あなたがいないと彼方が不機嫌なのよ

神宮司彼方

母さん、それは言わなくていい…

籾山アリサ

そうですか

籾山アリサ

では、お言葉に甘えて

籾山アリサ

いただきます

それから、私のいつもの日常が始まる。

旦那様をお見送りし、彼方様を学校へ送り、奥様と一緒に菓子作り、掃除、洗濯、食事の仕込み。

昼間が1番忙しい。

それから彼方様と旦那様のお迎えに向かう。

籾山アリサ

旦那様、彼方様、本日もお疲れ様でした

父

ああ、ありがとう

神宮司彼方

…おう

籾山アリサ

お食事はもうできております

籾山アリサ

それともお風呂にいたしますか？

父

彼方、お前はどうする？

神宮司彼方

…

神宮司彼方

お腹すいた

神宮司彼方

アリサの料理、早く食べたい

籾山アリサ

！

籾山アリサ

ふふ、きっと今頃、奥様がお作りしてくれていますよ

父

妻が？

籾山アリサ

はい

籾山アリサ

私がやりますので奥様は休んでいてくださいと言ったのですが

籾山アリサ

「いいえ、私がやるわ！」

籾山アリサ

との強い意志でしたので

籾山アリサ

なかなか断れずに…

父

お前が来てから、妻はガラッと変わったよ

籾山アリサ

そうでしょうか？

父

ああ

父

お前が来る前は、ずっと部屋で寝込んでいたこともあったんだが

父

今はずっと動いていても元気だ

父

お前が来てくれて本当に感謝しているよ

籾山アリサ

いえ

籾山アリサ

私こそ、神宮司家の皆様にお仕えできて、幸せです

父

そうか

神宮司彼方

よかったぁ…

母

お帰りなさい！

母

さあさあ、ご飯ができてるわよ！

母

早く食べてね！

神宮司彼方

か、母さん、いつにも増して元気だな…

父

ど、どうしたんだお前…？

母

うまく焼けたのよー！

母

アリサちゃんが丁寧に教えてくれた方法でやったら、綺麗に仕上がったの！

籾山アリサ

実践してくださったのですか？

母

もちろんよ！

母

あなたの料理、いつも美味しいから、どうやって作ってるのか試したくなるじゃない！

父

ああ、なるほど

神宮司彼方

アリサ、すごいな、お前

籾山アリサ

これくらい大したことはありません

神宮司彼方

父さん

父

何だ？

神宮司彼方

これ、全部食べたい

籾山アリサ

それは、ビーフストロガノフ…

父

彼方、肉は嫌いじゃなかったのか？

神宮司彼方

アリサと母さんが一緒に作った料理なら

神宮司彼方

絶対に美味しいから

神宮司彼方

食べる

父

そうか

母

嬉しいわ

母

ね？アリサ？

籾山アリサ

はい！

神宮司彼方

もぐもぐもぐもぐ…

神宮司彼方

美味しい…

籾山アリサ

よかったですね、奥様

母

ええ、こんなにたくさん食べる彼方、初めて見たわ

神宮司彼方

あ、そうだ、アリサ

籾山アリサ

どうしました、彼方様？

神宮司彼方

お風呂入って

神宮司彼方

寝る準備ができたら、一緒に、庭、散歩しよう

籾山アリサ

ええ

籾山アリサ

喜んで

神宮司彼方

…ありがとう

籾山アリサ

では、旦那様、奥様

籾山アリサ

おやすみなさい

父

おやすみ

母

おやすみなさい

籾山アリサ

私は彼方様と庭へ行って来ます

籾山アリサ

何かありましたら、お気軽にお呼びください

父

ああ

母

わかったわ

神宮司彼方

終わったか？

籾山アリサ

はい、お待たせいたしました

神宮司彼方

別にいい

神宮司彼方

アリサ

籾山アリサ

はい

神宮司彼方

俺が、来月で大学を卒業することは知ってるよな？

籾山アリサ

ええ、もちろん

籾山アリサ

首席卒業だそうですね

神宮司彼方

まあな

神宮司彼方

これも、お前のおかげだ

籾山アリサ

いえ、彼方様の努力の成果でございます

神宮司彼方

なら、どっちもだな笑

籾山アリサ

そうですね…

神宮司彼方

アリサ

籾山アリサ

何ですか、彼方様？

神宮司彼方

お前に、大事な話がある

籾山アリサ

何でしょうか？

神宮司彼方

アリサ

神宮司彼方

お前は今日で執事はクビだ

籾山アリサ

！！

籾山アリサ

なぜ…！

籾山アリサ

私が何かしましたのなら、おっしゃってください…！

神宮司彼方

最後まで聞け、アリサ

籾山アリサ

…？

神宮司彼方

これを見ろ

籾山アリサ

これは…

籾山アリサ

婚姻届…？

神宮司彼方

サインしろ

籾山アリサ

あの、これはどういうことですか？

神宮司彼方

見てわからないか？

神宮司彼方

俺と結婚しろ

籾山アリサ

…！

籾山アリサ

彼方様、私は神宮司家の執事です

籾山アリサ

そんなことはできません…！

神宮司彼方

俺がクビだって言ってんだからいいだろ

神宮司彼方

父さんにも、母さんにも、相談した

神宮司彼方

そして許してくれたんだ

神宮司彼方

あとはお前の気持ちだ

籾山アリサ

彼方様

籾山アリサ

本当のことを、言ってもよろしいですか？

神宮司彼方

そうじゃないと意味ないだろ

籾山アリサ

ありがとうございます

籾山アリサ

彼方様

籾山アリサ

よく聞いてください

神宮司彼方

ああ

籾山アリサ

私は今まで、恋とは無縁で生きて来ました

籾山アリサ

だから、結婚がどういうものなのか、恥ずかしながらわかりませんでした

籾山アリサ

でも、今なら、わかる気がします

籾山アリサ

彼方様、私はあなたが好きなようです

神宮司彼方

！

籾山アリサ

何となくですが

籾山アリサ

嬉しいと感じられます

神宮司彼方

…そうか

神宮司彼方

俺はお前を愛している

神宮司彼方

もう、執事には見られないんだ

籾山アリサ

ありがとうございます

籾山アリサ

私を、愛してくれて

神宮司彼方

俺こそ

神宮司彼方

好きになってくれてありがとう

籾山アリサ

彼方様、それ、貸してください

神宮司彼方

ん？ああ…

私は婚姻届に「籾山アリサ」とサインをした。

神宮司彼方

！

神宮司彼方

結婚、してくれるのか？

籾山アリサ

はい

籾山アリサ

喜んで

神宮司彼方

…ありがとう

父

上手くいったようだな

母

そうね

父

アリサにも、愛する人がいた方がいいもんな

母

ええ

母

その通りね

父

さあ、もう遅い

父

早く寝よう

母

分かったわ

神宮司彼方

あ、部屋に帰る前にもう１ついいか？

籾山アリサ

何でしょうか？

神宮司彼方

これからは、母さんにも、父さんにも仕えるな

籾山アリサ

え？なぜですか？

神宮司彼方

お前は、俺だけの執事だからな

籾山アリサ

！

籾山アリサ

そういうことでしたら

籾山アリサ

なりますよ

籾山アリサ

あなただけの執事に

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