ポツ…
ポツポツポツ…
// / // /// ザーザー... /// // / /// / / //
五郎
あー
五郎
雨が降って来ちゃったなぁ
三郎じいさん
通り雨じゃ
三郎じいさん
すぐ止むじゃろう
五郎
外で遊ばないじゃーん
三郎じいさん
…通り雨
三郎じいさん
あの時を思い出すのぅ
五郎
あの時?
三郎じいさん
あれは
三郎じいさん
今日のような
三郎じいさん
突然の通り雨じゃった──
あれは
突然、通り雨が
降り始めた時のことじゃった…
ワシは傘を持っておったので
濡れることは なかったのじゃが…
女学生
あの…
女学生
もし…
三郎
はい?
三郎
…僕、でしょうか?
見知らぬ女性が
畑の真ん中で
声をかけてきたのじゃ
女学生
はい…
女学生
家がすぐそこなのですが
女学生
傘がなくて…
女学生
もしよろしければ
女学生
少しの間だけ
女学生
傘に入れていただけないでしょうか
おかしいな
こんなずぶ濡れになって
まだ傘がいるんだろうか…
三郎
え、ええ
三郎
途中まででよければ…
女学生
ありがとう
女学生
助かります…
三郎
家はどちらですか?
女学生
すぐそこですので…
三郎
はぁ…
まぁすぐ止むだろうと
とりあえず
ひとつの傘の下で
歩き始めたんじゃ…
少し歩き
突き当たりに差し掛かると
女学生
あなたはどちらですか?
三郎
僕は左です
女学生
よかった私も左です…
三郎
そうですか…
そして次の
曲がり角でも
女学生
突き当たりですね
女学生
あなたはどちらですか?
三郎
僕は右ですが…
ニタァ
女学生
よかった
女学生
私も右…
三郎
そ、そうですか...
またしばらく
一緒に歩いたのだが
一向に女は離れない…
三郎
(なんだか変な女だなぁ)
その時
ワシは親父の話を 思い出したのじゃ──
親父
──なぁ三郎
親父
畑の近くで
親父
ポツンと立ちすくんでる女学生を知ってるか?
三郎
いや知らないなぁ
三郎
なにか問題がでも?
親父
ずっと誰かを待っているようなんだが
親父
いつもいるから声をかけてみたんだ
親父
でもその女学生は
親父
「なんでもないです...」
親父
「気にしないでください...」
親父
しか言わないんだ
三郎
ふ〜ん…
親父
しかもだ
親父
雨が降っても
親父
びしょ濡れで立っていることもあるんだ
三郎
それはおかしいね
親父
だろ?
親父
あれは地縛霊か何かなんじゃないかな...
三郎
怖いこと言うなよ....
三郎
毎日通るんだからさ
親父
だからだ
親父
いつも部活で帰りが遅いんだから
親父
変な女学生を見かけても
親父
相手にするなよ
三郎
うん
三郎
気をつけるよ──
──そんな親父の話が
ふと頭を過ぎったんじゃ
三郎
(この女は)
三郎
(例の女学生?)
ワシは急に怖くなってきた
次の交差点で別れなくては
三郎
あ、あの、
三郎
次の交差点はどちらですか?
女学生
…
女学生
あなたはどちらですか?
三郎
(え?)
三郎
(やっぱりおかしい!)
三郎
(着いて来る気だ…)
三郎
ぼ、僕はまっすぐですが…
ニタァァ
女学生
よかった…
女学生
わたしもまっすぐです
そんなはずはない
交差点をまっすぐ行っても
墓場しかないのだ…
三郎
(こいつ…)
三郎
(やはり幽霊なんじゃ…)
三郎
あ、あなたは
三郎
どこまでついて来る気ですかっ!?
三郎
まっすぐ行ってもお墓しかないですよ!
女学生
女学生
…
女学生
あなたに
女学生
ずっとついていきます…
三郎
(ヒィィッ)
三郎
(こいつ!)
三郎
(狂ってる…!!!)
女学生
ずっとずっと…
女学生
墓場までね…
ニタァァァ
三郎
ギャーー!!!
五郎
──で!
五郎
どうなったの!?
三郎じいさん
今でもウチにいるよ
五郎
ヒィィッ!!!
マチコおばあさん
あら
マチコおばあさん
なんのお話ししてるのかしら?
三郎じいさん
でたぞ!地縛霊じゃ!
五郎
ヒィィ!
五郎
地縛霊!!
マチコおばあさん
誰が地縛霊クソババァだコラ
三郎じいさん
クソババァは言っておらんよ…









