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ブクマ失礼します!
ぶくしつです!
ブクマ&マイリスト失礼します!!🙇🏻
𝐽.
教室の電気を点けて
いつもの窓際の席に座る
彼はまだ来ていない
暇つぶしに
スマホにイヤホンをつけて
好きな音楽を聴き始める
音楽って不思議で
物語とかよりは
明らかに言葉の数が少ないのに
時には文面よりも
その様子を想像出来る
この独特の世界が
なんとなく心地いい
目を閉じて
空を仰ぐように上を見る
少し冷たい風が
頬を撫でる
𝐽.
突然おでこあたりに
冷たいものが触れたと思ったら
右耳から世界が壊れる
𝑅.
原因は彼
𝐽.
𝑅.
𝐽.
𝐽.
𝑅.
𝐽.
元はと言えば
2人しかいないこの教室で 毎日一緒にご飯を食べるのも
中1の教室に俺が入るのを
彼が嫌がったからだ
𝑅.
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𝐽.
𝑅.
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𝐽.
𝐽.
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𝐽.
𝐽.
𝐽.
何気に嬉しい
𝑅.
𝐽.
𝐽.
𝑅.
𝐽.
𝐽.
𝑅.
𝑅.
𝐽.
さすがに1000円は高いけど
まあ、ありがたく貰っておこう
それに
間違えたとか言いながら
バッチリ俺の好きなブランドを 選んでいるから
まあ、恐らく
俺に買ってきたんだろう
そう思ったら
口角が自然に上がる
𝑅.
𝐽.
𝐽.
これ、ある意味 頭の中ピンクなのかなw
ぶーぶーと文句を言いながら
莉犬兄ちゃんが 作ってくれたお弁当を広げる
𝐽.
𝑅.
𝐽.
𝐽.
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𝐽.
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𝐽.
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𝐽.
𝐽.
𝐽.
𝐽.
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𝐽.
𝐽.
𝐽.
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𝑅.
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𝐽.
𝐽.
𝑅.
𝐽.
𝑅.
𝐽.
𝐽.
彼のお弁当箱に入っている
卵焼きを
ひょいっ、と箸でとる
口に入れると
甘さが広がった
𝑅.
彼もまた
俺のお弁当箱から
暗い黄色の卵焼きをとる
𝑅.
大好きな兄が作ったからだろう、
とても嬉しそうに食べている
𝐽.
𝐽.
𝑅.
𝑅.
𝐽.
𝐽.
𝑅.
それぞれお弁当を閉じて
時計を確認する
𝐽.
𝑅.
𝐽.
𝑅.
𝑅.
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𝐽.
𝑅.
𝐽.
椅子から立ち上がって
イヤホンがついたままの スマホを持ちながら
彼の傍に行く
𝑅.
𝐽.
𝑅.
𝐽.
𝑅.
そう言いながらも
その場から動かないから
そういうことだと思っておこう
ふわっ、と風が吹く
彼の髪の毛が揺れて
乗せていた顎にふわふわと当たる
𝐽.
𝑅.
𝐽.
𝐽.
物語を書く時
自分とは全く別の考え方を知らないと
深みが出ない時がある
だからこの質問は
その一環でもあった
𝑅.
𝑅.
𝐽.
𝐽.
抱きしめていた彼の体が
少しだけ跳ねる
𝑅.
𝑅.
𝑅.
𝑅.
𝐽.
𝑅.
𝑅.
𝐽.
𝑅.
𝑅.
𝐽.
これを心残りと呼んでいいのか
似たような感情だけど
何か少し違う気がする
そう、例えば
後ろめたい
とか
𝐽.
𝑅.
気持ちよさそうに
風を肌で感じる彼に
バレないように
スマホのカメラを起動する
かしゃっ、と
あの特有の高い音が聞こえた瞬間に
ある連絡先に転送する
𝑅.
𝐽.
𝑅.
𝑅.
𝐽.
𝐽.
𝑅.
𝐽.
𝐽.
彼の写真で埋まっているライブラリを
彼に見せる
𝑅.
𝐽.
𝐽.
𝑅.
𝐽.
𝑅.
𝐽.
𝑅.
俺のスマホに伸びてきた手を
ひょいひょいと避ける
𝐽.
𝐽.
𝑅.
𝐽.
𝑅.
画面をまじまじと見て
嘘ではないと分かってからの
彼の行動は速かった
ニヤニヤしている 俺の手からスマホをとり
素早く画面をタップしていく
𝐽.
𝐽.
𝑅.
𝐽.
取り返そうとするものの
さすがボクシング経験者と いったところか
見事に全て避けられる
𝐽.
𝐽.
𝑅.
してやったり、という顔の弟から
スマホが返却された
見事に全て消されていた
𝐽.
𝐽.
𝑅.
𝐽.
𝐽.
𝐽.
𝑅.
𝑅.
𝐽.
さすが機械系に強い弟
全て復元出来ないよう、
完全削除されている
でも
こんな事態も予想済み☆
家に紙ベースで アルバムに残してます☆
いやでも
さっきの写真...
可愛かったんだけど...
ぴえん
𝑅.
𝐽.
𝐽.
𝑅.
𝐽.
𝑅.
𝐽.
スマホの写真を なんとか復元しようと
スマホを弄りまくる
𝑅.
𝐽.
どこか違和感がある呼び方
𝑅.
𝐽.
𝑅.
𝐽.
𝐽.
𝑅.
𝑅.
珍しく彼がくちごもるから
スマホから目線をあげる
なぜか彼は
とても、
苦しそうに顔を歪めて
目を閉じていた
𝐽.
𝐽.
𝑅.
𝑅.
𝐽.
𝑅.
こちらになにかを訴えかけるように
なにかを飲み込むように
唇をきゅっ、と結んで
俺は
この表情を
よく知っている
大好きな兄が
なにかに耐える度に
その顔をしていたのを知っている
そっと
右手で
彼の頬に触れる
𝐽.
𝐽.
嗚咽を飲み込むように
彼は何度も深い呼吸を繰り返す
彼をぎゅっ、と包み込む
𝐽.
𝐽.
𝐽.
俺の胸の中で
彼の肩が
何度も上下する
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴り響く
𝑅.
軽く俺の胸を押して
すっ、と俺から離れる
𝐽.
𝐽.
𝑅.
でもやっぱり
ちょっと顔色が悪い
𝐽.
気まずそうに
視線を俺から外して
𝑅.
𝑅.
声をかける間も与えずに
部屋を飛び出して行った
まるで、つい数日前に 家を飛び出しって行ったみたいに
追いかけようか少し迷ったけど
ここは学校だから
危ない目にあうことはないだろう
自分も荷物をまとめていたら
スマホが1件の通知を知らせる
″ 盗撮されましたw ″
先程俺が写真を転送したグループに
弟がいつも通りの返信していた
あれは、気のせいかな
抱きしめた時に
強く、俺の袖を握っていたのは
気のせいかな
彼がくれた飲み物が結露して
机が濡れる
また、風が
俺の髪を揺らして 吹き抜けていった
𝑡𝑜 𝑏𝑒 𝑐𝑜𝑛𝑡𝑖𝑛𝑢𝑒𝑑...