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ぶくしつです!
マイリスト&ブクマ失礼します!!
え、え、ぇぇえ!?何があったんですか!?めっちゃ気になります!続き楽しみにしてます!✨_( ˙꒳˙ _ )チョコン♡
𝑅.
𝑅.
スマホに入っている予定表を開く
𝑅.
現在の時刻は
15:38
このままバイト先に行けば 間に合うだろう
𝑅.
見慣れた人影
𝑅.
歳に似つかわしくなく
大声で叫びながら
彼の元へと駆け寄る
名前を呼ばれて キョロキョロしている兄の背中に
突進する
𝑅.
𝑁.
𝑁.
𝑅.
𝑅.
𝑁.
𝑁.
𝑅.
𝑁.
𝑁.
𝑅.
𝑅.
𝑁.
𝑅.
𝑅.
𝑁.
𝑅.
𝑁.
𝑁.
𝑅.
兄ちゃんの前でだけは
昔に戻ったような気持ちになれる
𝑁.
𝑅.
𝑅.
バイト先は
俺たちの家に帰る時の電車と 違う路線を使う
時間があったら同じ電車使うのに...
𝑁.
𝑁.
𝑅.
𝑁.
笑いながら頭を撫でてくれる
どうやら、今日は
バイトが捗りそうです
𝑅.
𝑁.
𝑅.
𝑅.
𝑁.
𝑅.
雑談をしながら
座席に座る
𝑁.
うとうとし始めた兄
𝑅.
𝑁.
𝑁.
今にも寝そうなほど
眠そうな目
𝑅.
𝑁.
𝑁.
すぐに隣から寝息が聞こえてくる
𝑅.
𝑅.
𝑅.
普段
誰も撫でない頭を
起こさないように優しく撫でる
𝑁.
気持ちよさそうに
こちらに頭を預けてくる
やっぱり
負担をかけないように
できる限りの事はしているけど
金銭面は
兄ちゃんに頼ってしまっている
𝑅.
みんなとの時間は減らさずに
なにか、できること
頭の隅で考えながら
今日習った範囲のノートを開く
高校で必死に
死ぬ気で勉強して
ようやく掴んだ
今の大学の推薦
奨学金で進学した俺は
学費を払わなくていい反面
成績を落とすことは許されない
バイトと
勉強と
家事の同時進行
それなりにキツイけど
できるだけ兄弟との時間はとりたいし
弟たちの学費を考えたら
父さんが大企業の社長だったことを 考えても
やっぱり少し心配だから
それに、
兄ちゃんは無理してでも 俺の分まで家の事をしそうだから
𝑅.
電車に響くアナウンスの声
気持ちよさそうに寝ている兄ちゃんを起こすのは少し気が引けたけど
このままだとバイトに 遅刻しかねないので
隣の兄の肩に触れる
𝑅.
𝑅.
𝑁.
眠そうに
右目を開ける
𝑁.
寝ぼけているのか
こちらに抱きついてくる
𝑅.
𝑁.
さっきのるぅちゃんの写真のお返しに
あとでジェルに 兄ちゃんの写真送ってあげよ
こっそりとシャッターを切る
𝑅.
𝑁.
むにゃむにゃ言いながら
俺の頭に顎を乗せてくる
不覚にも
少し可愛いと思ってしまう
いつも
このくらい甘えてくれていいのに
駅から出ると
目が覚めたのか
耳まで顔を真っ赤にして
𝑁.
𝑁.
と言ってきた
𝑅.
𝑁.
𝑅.
𝑅.
″ 俺の記憶 ″からはね
兄ちゃんに見えないように
スマホを操作して
先程の写真を
弟宛に転送する
𝑅.
𝑁.
𝑅.
𝑁.
𝑅.
𝑅.
𝑁.
解せぬという顔で
渋々掴んでいた手を離してくれる
なのに
俺が掴んだ彼の袖は
俺に引っ張られたまま
𝑁.
𝑁.
心配そうに顔を覗き込んでくる
あぁ、また心配かけちゃった
でも、なんか
ここで手を離しちゃダメな気がする
理由を聞かれたら
答えられないけど
番犬の直感かな
𝑅.
𝑅.
𝑁.
行かないで
なんて言えるはずはなく
代わりに
違う言葉を贈る
𝑅.
𝑁.
𝑁.
手から力が抜けたみたいに
彼の袖から手を離す
𝑅.
𝑅.
𝑅.
𝑁.
少し早足で
兄に背を向けて
歩道を歩く
この時に
もしも
違うことを言っていたら
この駅に来なかったら
ちゃんと
行かないでって言ってたら
悲しい運命は
変わってたのかな
...いや
これは運命ではなく
必然か
俺が選び続けた結果か
なんて愚かで
なんて美しい選択だ
裏で着替えてから
みんなに挨拶をして店に立つ
𝑅.
俺が得意とするのは
カウンターのバー
隣の新人くんに一つ一つ説明しながら
同時進行でドリンクを作る
ドリンクを作るので重要なのは
下準備
レモネードが注文されてから
レモンを切り始めるじゃ遅い
オーダーがないメニューでも
少しずつ下準備をする
𝑅.
ウェイターが持っているお盆に ドリンクを置きながら言う
ぱたぱたと駆けていくウェイターを 視界の片隅に
カクテルをグラデーションにしていく
未成年なのにお酒に触れられるのは 貴重な体験だと思う
𝑅.
グラスにレモン汁と、はちみつ
炭酸水を入れて
先程切っておいたレモンを乗せる
手が空いてるウェイターがいないので
前にあるお盆に乗せておく
と、
手が空いてるウェイターがいないので
直接運ぶように、と指示が入る
渋々
バーを新人くんに任せて
早足でテーブルに運ぶ
𝑅.
𝐽.
𝑅.
レモネードの注文客は
弟でした
𝑅.
𝐽.
𝐽.
𝑅.
𝑅.
𝑅.
𝑅.
𝑅.
𝐽.
𝑅.
𝑅.
軽く背中を押されて
バーへと戻る
機嫌よくオーダーのものを用意する
なんだかんだ忙しくて
気づいたら
17:30
ちなみに弟たちは まだレモネードで粘っている
忙しさが落ち着いてきたので
もうそろそろ帰るのを催促しようと
弟たちのテーブルに行く
𝑅.
𝐽.
𝑅.
𝑅.
𝑅.
椅子に座ってる弟は
自然に上目遣いになる
うぐっ...
可愛いっ...
𝑅.
𝑅.
𝑅.
𝐽.
𝑅.
𝐽.
𝑅.
𝑅.
𝐽.
𝑅.
𝑅.
𝑅.
𝐽.
𝑅.
𝐽.
𝑅.
𝑅.
𝐽.
𝑅.
𝐽.
𝑅.
𝐽.
𝑅.
半ば強引に
ジェルが財布を開く
𝐽.
𝑅.
どうやらジェルの奢りらしい
笑いながらお代を貰おうとする
と、
急にスマホが鳴った
𝐽.
𝑅.
基本電話を使わない俺たち兄弟は
電話をかける時は結構な緊急事態
原則、バイト中には
スマホを操作しちゃいけないんだけど
店長に会釈して
電話に応答する
𝑅.
𝑅.
電話の向こうから聞こえてきたのは
嫌に静かな声で
小さいせいか最初は聞き取れなかった
𝑅.
今度ははっきりと
耳に声が入る
頭に入らない情報
耳をついた電話主に似合わない 助けてという言葉
弟たちは俺の方を見ていただろうか
もしかしたら
このことは弟たちに 伝えるべきでないかもしれない
耳に当てたスマホを握っている
妙に力が入った左手
電話の向こうから聞こえる
細くなった声
咄嗟に
𝑅.
そう言って
電話を切る
俺の急な大声に びっくりした弟たちのテーブルの
レモネードが入っていたグラスの氷が
音を立てて落ちる
少しずつ
確実に
歯車はずれ始める
𝑡𝑜 𝑏𝑒 𝑐𝑜𝑛𝑡𝑖𝑛𝑢𝑒𝑑...