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Re:んネ

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Re:んネ

3 - Re:んネ «第2話»

♥

2,285

2019年02月21日

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真夏日とはいえども

夕方にもなれば 流石に気温も下がってくるだろう

そんな高を括っていた 私だったけれど

蒸し暑さは増すばかり

沈みかけた夕陽の光で

空には 山吹色のグラデーションがかかっていた

ハルナ

ここか

ユウト

意外と学校から近かったんですね

本当なら高校から歩いて3分程の駅前

土地鑑にあまり自信のなかった私は 紙に書かれた住所を見て

まるでダウジングのようにフラフラと 彷徨いながらも

電信柱やブロック塀に書かれた街区表示を頼りに辿っていた

探し始めて1時間と少し

スマホのロック画面を見ると 18時半を既にまわっている

ハルナ

うわ、

ハルナ

どうりでこの時期でも
日が落ちるわけだよね

ハルナ

結構歩かせちゃったね、
大丈夫?

ユウト

はい、大丈夫です

ユウト

幽霊ってそもそも
疲れがないみたいで…

なんて応えれば良いのか分からなくて

「そうなんだ?」

と思わず苦笑いで返してしまった

ハルナ

えっと...

ハルナ

この住所の最後にさ

ハルナ

く、く、くろ...

ユウト

それは...〝くろず〟
じゃないですか?

ハルナ

...

ハルナ

...く、黒頭ビル4F
ってあるから

ハルナ

高い建物を
探そうか…

すると呆気なかった

駅舎から真っ正面に堂々と建つ

いかにも〝雑居ビル〟って感じの建物

黒ずんだ白い外壁のお陰で 外からでも充分の怪しさだ

なんなら書いてある

『黒頭ビル』って

ハルナ

ここに入るのかぁ…

ユウト

大丈夫です?

ハルナ

だいじょばないけど

ハルナ

行くっきゃないよね

ユウト

はいっ!

ガラス張りのドアを ゆっくりと開けて踏み入った

入ってすぐ右横には

このビル全体の 小さな受付があったけれど

ハルナ

…誰も居ないね

そのカウンターに置かれた

入場者を記録していた 黄ばんだ名簿用紙と

最後、乱雑に放られたと思われる 縮んだHBの鉛筆が

少し寂しそうに見えた

ユウト

僕が言うのも
なんですけど

ユウト

なんか幽霊が
出そうですね…

ハルナ

確かに…

このビルの中は薄暗い上に

随分と埃っぽかった

1階には点検中の札が掛かった エレベーターと

山積みのダンボールが 踏み場を占拠する階段がある

あまり管理されていないのは 言葉通り目に見えた

ハルナ

てかさ、

ハルナ

こんな所にどんな人が
居るんだろ…

コツコツと

階段を登りながら ふと疑問に思う

ユウト

そもそもですけど

ユウト

味方の人なんですかね?

ハルナ

ハルナ

言われてみれば…

勢いで来てしまったけれど

それは考えていなかった

名も知らぬ怪しい人に教わった

怪しいビルの住所先に

まともな人が住んでいる確率って

とんでもなく低いんじゃ…

そうやって不安に駆られていても

緊張と惰性で階段を登りきってしまう

ユウト

あっ…

ユウト

着いちゃいましたね…

ハルナ

ですね…

目的の場所の玄関ドアは

このボロボロの雑居ビルには とてもじゃないけど似合わない

上品な年季の入り方をした 木製のドアだった

漆の様なコーティングをされた 丸いドアノブにそっと握ると

十数年も自身で使っていたかの様に よく手に馴染んだ

ハルナ

ハルナ

…よし

ハルナ

……

ハルナ

…開けっ

ハルナ

…ッ

ハルナ

…いや、

ハルナ

一応これ持っていこ…

その辺に捨て置かれた様にあった 謎の野球バットを手に持ち

今度こそゆっくりとドアを開けた

ハルナ

ご、

ハルナ

御免くださぁ…い…

ユウト

ドキドキする…

〝これから助けになってくれるかもしれない人に対してバットを構える〟

それほど警戒しながら入った のにも関わらず

室内から 一番最初に聞こえたのは

空気を震わせる様な 大きないびきだった

ユウト

ユウト

…なんか

ユウト

拍子抜け…
ですね…

真っ正面に

事務机に両足を組んで乗せ

腕組みをしながら寝ている男がいる

私たちが近付いていき 恐る恐る声を掛ける前に

その人は目を覚ました

…っ

あっ…?

なんだお前…

よれたワイシャツの胸ポケットから 眼鏡を取り出して掛けると

鋭い眼光で私(若しくは私たち?) を睨みつけた

ハルナ

…え、あ、あの…

ハルナ

ちょっと…頼み事が…

お前

なんか憑いてるぞ

私に向かって

人差し指を ちょいちょいと指す

ハルナ

…えっ

ハルナ

どこですか?

確かに右肩にオナモミが付いていた

ハルナ

あ、ホントだ

馬鹿野郎そうじゃない

横の坊主のことだ

ハルナ

誰が馬鹿だ…
このやろ…

ユウト

え、いや、

ユウト

それよりもハルナさんっ!

ユウト

この人

ユウト

僕のことが
見えてるみたいなんですが…

ハルナ

マジもんだった

〝カミヤ シズマ〟

と名乗ったその人に

私たちはここまで来た 経緯を話した

シズマ

……

シズマ

…坊主の親探しか

ハルナ

…お願い出来ますか?

シズマ

断る

ハルナ

…っ

シズマ

っていつもなら言う

シズマ

人探しにロクな
思い出がなくてな

シズマ

…ただ

シズマ

その坊主、

シズマ

死んでから結構経ってるだろ

ハルナ

そうなの?

ユウト

ユウト

…はい

ユウト

もう5年になります

ハルナ

5年ッ?!

通りで小学生の割には 大人っぽいと思ったワケだ

シズマ

死因は?

ユウト

事故、ですね

ユウト

両親が運転を誤って

ユウト

秩父の山道から墜落…
みたいな感じです

ハルナ

不意に起こった フラッシュバックを

必死に掻き消す

シズマ

両親も死んでるのか

ユウト

多分…

シズマ

シズマ

…はああぁッ

シズマさんは腕を組むと

ブツブツと何かを呟いた

シズマ

シズマ

…今何時だ

ハルナ

えっと…

ハルナ

19時20分です

シズマ

シズマ

…頃合いは悪くない

しょうがねぇ

行くか

ハルナ

どこにですか?

秩父の大霧山

ハルナ

今からですか?!

車なら
差程かからないからな

…それに、

坊主のことを考えれば

少しでも早い方が良いだろ

ハルナ

…まぁ、確かに

ユウト

何かすみません…

シズマ

なんだ坊主、
ドシッと構えとけよ?

シズマ

お前が謝ることじゃない

シズマ

今まで1人で
良く耐えた方だ

ハルナ

解決するに
越したことはないからね

ハルナ

全然大丈夫!

ユウト

ありがとうございます…笑

ハルナ

ハルナ

じゃあ…

ハルナ

…早速行きますか?

シズマ

ああ

シズマ

シズマ

…それはいいがお前

シズマ

ずっと気になってたんだが

ハルナ

…はい?

シズマ

何でバットなんか持っ​──

ハルナ

生粋の野球っ子なんです!!!!

«to be continued»

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2,285

コメント

4

ユーザー

野球っ子wwww

ユーザー

最高〜のオチでした〜w

ユーザー

生粋の野球っ子笑 笑っちゃいました笑笑

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