何時からだろう、珈琲の香りで目を覚ますことに、心が揺れなくなったのは。
気の乗らない体を無理矢理起こしキッチンへ向かえば、まだ寝癖を直していない君が朝食を作っていて
俺の為に料理を覚えてくれた事に喜びを感じていた筈なのに、今となっては当たり前。
らっだぁ
頬にキスを落とす。
スキンシップから日課に変わってしまったこの行為に、君は「おはよう」と返すだけ。
らっだぁ
シャークん
らっだぁ
シャークん
サラダを作る手を一旦止めて予定を思い出す素振りは昔と変わらない。
違うのは此方を見なくなったということ。
らっだぁ
シャークん
シャークん
満更でも無い顔で他の男の名を出す君から、焼きあがったパンに顔を向ける。
君のことを信じたいのに、信じられない。
最近は何でも疑いの目を向けてしまって、でも悟られるのが怖くて下手くそな笑みを浮かべるんだ。
らっだぁ
失うことが恐ろしいのに、離れていく君をただ見ていることしか出来ない。
ジャムが塗られたパンを齧りながら他愛のない会話をする。
ご飯が美味しいということ、テレビに映った観光地に行ってみたいということ、今日は仕事で彼の帰りが遅くなるということ。
前はキスのひとつでも交わしていたけれど、今の俺達には必要ない。
だってそれは二人の仲が深まったという証。
「恋」から「愛」に変わったんだ。
シャークん
らっだぁ
みどりくんと夜遅くまで仕事だなんて、疑ってしまうのも愛ゆえに。
「行ってきます」が無機質に感じてしまうのも、聞き慣れてしまったから。
それってとても幸せなこと。
コンビニに寄りたいと言うNakamuを車の中で待つ。
何気なく見たバックミラーには何だか浮かない顔が映っていて、指で口角を上げてみても全く楽しそうには見えない。
今日の目玉焼きは少し硬いだとか、温泉旅行より遊園地で遊びたいだとか、みどりくんとの仕事は楽しいだとか。
どんなに小さな事でも彼の心を覗ければ、もっと自然に笑えていたのかな、なんて。
電源が落とされたモニターを何度見てみても、そこに映る自分は不安な表情を浮かべていた。
頭の中は君でいっぱいなのに、胸にはぽっかり穴が空いてしまっている。
どんなにくだらない事でも君の心を知れたなら、なんて。
それこそくだらない。
電気の点いている家に期待して、しっかり布団に入って眠る君に現実へ戻される。
前は日付けが替わっても待っていてくれたのに、君からの愛が感じられない。
待たなくていいと言ったのは自分のくせに。
面倒くさいこの気持ちを知ったら君は呆れてしまうかな。
抱き締めて、起こしてしまって キスをして。
そんなドラマみたいな展開を望んでいても、自分には恐ろしくて出来ないでいる。
そっと寝室を出て、ソファで眠った。
目が覚めて、彼が居ないことに焦りを感じて、ほっとした。
探してみるとリビングのソファで眠っていて、こういうのが「気を遣わない関係」というものなのだと愛おしくなる。
こんな所で寝るなんてと怒るべきなのか、風邪を引いてしまうと心配するべきなのか、未熟な俺にはどちらが良いのかまだ分からないけれど
どちらも「良いこと」であることに違いない。
大丈夫、俺達の未来は明るい方へと進んでいる。
(本当に?)
ねぇ、シャークん。
ねぇ、らっだぁさん。
いつか来る「さよなら」なんて聞きたくないよ。
END
ーアフタートークー
らっだぁ
シャークん
らっだぁ
シャークん
らっだぁ
シャークん
らっだぁ
シャークん
シャークん
らっだぁ
らっだぁ
シャークん
らっだぁ
シャークん
らっだぁ
らっだぁ
シャークん
らっだぁ
シャークん
シャークん
らっだぁ
シャークん
らっだぁ
らっだぁ
シャークん
らっだぁ
らっだぁ
シャークん
シャークん
らっだぁ
シャークん
らっだぁ
シャークん
らっだぁ
シャークん
らっだぁ
シャークん
らっだぁ
コメント
5件
今回の話も最高っす! 個人的にもrdと一緒でほのぼの恋愛ゲロ甘話がほしい()
真っ赤な嘘てっ言う曲ハマりました てかこれ健康鯖ですか⁈もうsh受けが最高ですぅぅ〜