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朝――。 ちょっと緊張しながら、鏡の前で最後の髪直しを終えた私。 今日は…3人で、初めてのデート。
〇〇
なんとなく、胸の前でギュッと指を組んでから、玄関を開けた。 その瞬間、目の前に止まっていたのは――
大きくて、長い、明らかに金持ちが乗るリムジン。
思わず「えっ…!」って声が漏れた。 車体はピカピカに輝いてて、まるで映画のワンシーンみたいだった。
その後部座席のドアが、ゆっくりと開いて…
御影玲王
御影玲王が爽やかすぎる笑顔で手を差し伸べてくる。 白いシャツに黒のジャケット、香水の匂いまで完璧すぎてまぶしい
凪誠士郎
凪誠士郎もいつもより少しだけ整えた髪で、まったりした声でこっちを見てた。 相変わらず眠たそうだけど、どこか…嬉しそう。
〇〇
私が驚いたように言うと、玲王が得意げに笑う。
御影玲王
車の運転席をちらっと見ると、上品なスーツを着たばあやが優雅に会釈してくれた。
御影玲王
玲王がエスコートしてくれて手をとられるまま乗り込んだ車内は―― 中が広すぎて、もはやラウンジ。
〇〇
ふかふかのソファみたいな座席、ドリンクホルダー、シャンデリアっぽいライト。 全部がキラキラしてて、胸がぎゅっと高鳴った。
御影玲王
凪誠士郎
凪が、となりでレモンティーを飲みながらポツリ。
〇〇
思わずそうつぶやいた私に、玲王がちょっとだけニヤッとして――
御影玲王
その一言で、心臓がバクンッって鳴った。 こうして、夢みたいな1日が始まったーー
リムジンがゆっくりとモールのエントランスに近づくと、外の視線が一気に集まった。
通行人A
通行人B
そんな声がちらほら聞こえる中―― ばあやがスマートに停車して、車のドアが開く。
御影玲王
玲王がまるで映画の王子様みたいに手を差し出して、 私を優しくエスコートする。
〇〇
御影玲王
玲王がニヤリと微笑んだ。
凪誠士郎
凪も無表情だけど、ぽそっと言ってきて、 その言葉にまた心臓が跳ねた。 3人並んでモールに入れば、さらに人の視線を感じたけど―― そんなことより、今日はふたりと一緒。 それだけで胸がいっぱいだった。
御影玲王
玲王はやる気満々で、ハイブランドのブティックへ。
凪は凪で、のんびりと後ろをついてきながら、
凪誠士郎
とかマイペースに爆弾発言してくる。 私が可愛いワンピースを手に取ると――
御影玲王
玲王がすかさず背中を押してきた。 試着室に入り、服を着替えて出ていくと… ふたりの視線が、ぴたっと止まった。
凪・玲王
玲王も凪も、同時に言った。
そのあと、ふたりが何着も選んでくれて、 「これも、あれも」「全部似合う」「俺が買う」って 奢り合いバトルが勃発。
私は「もういいよ〜!」って笑って止めたけど、
御影玲王
って、キメ顔で微笑む玲王と、
凪誠士郎
って、マイペースな凪。 結局、たくさんの服と靴とアクセを抱えたまま、 次はフードコートへ移動ーー。
私たちがが並んで注文したのは、 ボリューミーなハンバーガーセット。
〇〇
元気よくかぶりついた瞬間、ソースがちょっと唇についてしまった。
凪誠士郎
御影玲王
ふたりの目線がバチッと合った。
そして―― 玲王が優しくハンカチを差し出そうとした、その瞬間。
凪は、私の口元のソースを…ぺろっと舐めとった。
〇〇
凪誠士郎
心臓がバクンって跳ねる音、聞こえそうなくらい。 近い、顔。 近い、息。 凪の唇が、今まさに触れそうな距離だった。
凪誠士郎
何気ないトーンで言ったあと、のほほんとした顔でハンバーガーにかぶりつく凪。 私は完全に固まって、顔真っ赤。 玲王も一瞬キョトンとしていた。
御影玲王
御影玲王
軽くふくれた顔で、でも目は笑ってなくて―― 少しだけ、嫉妬の色。
凪はそんな玲王の視線にも気づいてるのか、気づいてないのか。
凪誠士郎
凪はそう、ゆるく言った。
御影玲王
玲王が顔を真っ赤にして言い返すと、 凪はいつもの眠そうな顔のまま、軽く首をかしげた。
凪誠士郎
御影玲王
その空気が、一気に甘くなる。