テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

この恋、共有中。

一覧ページ

「この恋、共有中。」のメインビジュアル

この恋、共有中。

11 - #10 今日だけは、2人に独り占めされてもいい

♥

40

2025年07月30日

シェアするシェアする
報告する

フードコートを出た私たちはショッピングモールの通路を歩いてた。 私の手には、買ってもらった服の袋。 店のライトがキラキラしてて、モール全体がちょっとロマンチックな雰囲気になってる。

ちょっとだけ、静かになった。 さっきのハンバーガー事件のせいで私の心臓はまだ落ち着いてない。 言い方をかえると、落ち着くわけない。

〇〇

(あんな近距離で…あれはもうキスだよね!?)

御影玲王

…なぁ、〇〇

横を歩いてた玲王が、ふと声を落とす。

〇〇

ん、どうしたの?

御影玲王

〇〇の手、ちっちゃくてかわいいな。守りたくなる

不意打ちの一言と一緒に、玲王が指をそっと重ねてきた。

〇〇

え、あ、ちょ…

御影玲王

繋ぎたい

そのまま玲王の手が、私の手を優しく握る。 指先までちゃんと絡めてくるあたり、慣れてる感じでズルい。

御影玲王

いいだろ?

顔が近い。声も甘くて、ドキドキが止まらない。

〇〇

うん…///

ぼそっと答えた瞬間、反対側から――

凪誠士郎

俺も

凪が、無言で私の反対側の手を握ってきた。

凪誠士郎

ずるい。俺のほうが先に触ってたのに

〇〇

ちょ、凪くん…!///

凪誠士郎

俺も手、繋ぎたい

しれっとした顔でぐいっと握ってきて両手が2人に包まれる状態に。 もう限界。顔、真っ赤。 体温高すぎるし、手から気持ち伝わってきそう。

凪誠士郎

〇〇、顔真っ赤じゃん

御影玲王

かわいすぎ。両手にイケメンってこういうことだな笑

〇〇

……もう、ふたりとも黙って!!!

そう叫んだあとも、手は離してくれなくて。 私は両側から引っ張られるまま、次の目的地―― 夜景の見えるディナースポットへ向かった。

高層ビルの最上階。 ガラス張りの窓からは、宝石みたいに光る夜景。 店内はちょっと薄暗くて、 テーブルにはキャンドルの灯りがゆれてる。

案内された席に着いた3人。 私はおしゃれなワンピに着替えてて、ふたりとも目が合った瞬間ピタッと動きが止まる。

御影玲王

…めっちゃ似合ってる

玲王が真顔でぼそっと言ってきた。 さっきまでテンション高かったのに、急に静かになるとか反則。

凪誠士郎

ほんと、可愛い

こっちは凪。しかもじーっと見てきて目そらせない。

〇〇

ちょ、ふたりとも…見すぎ!

顔が熱くなるのを隠そうと下向いたけど、テーブルの下で――

スッ……。

凪が、私の足に自分の足をぴとってくっつけてきた。

〇〇

っ……なにしてんの

凪誠士郎

んー。ドレスの下、こんなに細いんだなーって思って

〇〇

うぅ…ばかぁ…///

凪誠士郎

バレたらやめるってルールなかったし

目が合ったときの凪のニヤって顔、100点満点でアウト。 心臓が耐えきれません。

〇〇

うぅ…もう……///

その時ーー

店員さん

前菜になります

店員さんが皿を置いた瞬間、玲王がサッとナプキンを私のひざの上に広げてくれる。 その動きがスマートすぎて…王子すぎる。

御影玲王

食べる前に服汚したらもったいないだろ

〇〇

う、うん…ありがとう

御影玲王

俺ここ来たの初めてなんだよね。いつか大事な人と来たかったから

優しいトーンで言われて、私のフォークが止まる。 なんなんだろう。今日ふたりとも攻めすぎ。

御影玲王

〇〇、トマト苦手?

玲王が気づいて、自分の皿から交換してくれようとする。 でもその時――

凪誠士郎

俺が食べさせる

凪が突然、フォークに刺してトマトを私の口元に持ってきた。

凪誠士郎

ほら、あーん

〇〇

ひゃっ!こんな高級レストランで何してんの!?

凪誠士郎

周り見てみなよ。カップルしかいないよ?

見たら確かに、全部カップル席。 それどころか、さっきから周りの視線が熱い。

〇〇

ねえ、もしかしてこれ……デートコース?

御影玲王

やっと気づいたか笑

玲王が笑いながらうなずいた。

御影玲王

今日は、俺たちからのプレゼント。〇〇が笑ってくれたら、それでいい

御影玲王

……でも、独り占めはさせてほしい

そう言って、今度は玲王が私の手をそっと握る。 凪は凪で、今度は耳元でそっと囁いてくる。

凪誠士郎

俺のこと、ちゃんと見て。今日だけは、玲王じゃなくて俺を選んで

心臓、爆発寸前。 そんな空気の中、メインディッシュが運ばれてきたけど―― 私の味覚は完全におかしくなっていた。

この恋、共有中。

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

40

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚