悲鳴。
というのを初めて耳にする。
TVドラマで聞こえてくるような、それにそっくりだった。
大きさ的に、声の発生場所とこの建物はそんなに近くはなさそうだった。
のにも関わらず。
紅いも
紅いも
一人窓に駆け寄った紅色の人物が外の景色の一点を指している。
対する、明姫は。
明姫
明姫
明姫
両手で顔を覆って俺の足元にしゃがみ込んでいる。
そうか。ここは地上7階。
数ある講義棟の中でも、一番高い棟の、最上階の一つ下の階。
アイツがそれをすぐに発見できたのは、頷ける。
でも、明姫は。
普段あんなにも強気なのに。
真士
真士
真士
真士
真士
もちろん、明姫に向けた言葉であったが自己暗示のためでもあった。
なぜなら。
明姫
明姫
明姫
明姫
しかし。
真士
真士
紅色が歩いてくる。
焼き芋食べたい。
お腹すいた。
紅いも
紅いも
紅いも
真士
真士
真士
真士
真士
真士
彼の顔は真っ青というよりは、真っ白に近かった。
俺の足元で、何かが倒れる。
真士
真士
真士
弾けるようにソファから立ち上がり、窓に近づく。
真士
真士
硬直。
その言葉の意味を知る。
真士
真士
真士
「いつもの味方」が、今日の味方とは限らない。
「さっきまでの味方」が、今の味方とも限らない。
出入り口のところに、エネミー、ではなく、真白が立っていた。
コメント
5件
真白…!?すごい…本当に深いです
ふぁ。すご。
わあああ!素敵でしたッ!