私付きの侍女
お姉様
お母様
お父様
お姉様
お母様
お姉様
私が生まれる前に、そう話していた。私は、お腹にいた間でその会話だけは覚えていた。その時の私は生まれた後は、幸せなのだろうと思っていた。
だが、現実は違った。私が生まれ、目を開けた途端皆の視線が変わる。私の目は、忌み嫌われていた黄金色の目だったからだ。さらに、今日の月は紅い三日月だ。皆は口々に言った『月の色を奪ったのだ』『呪いの子だ』と。それ以来、私の呼び名は『忌み子』になった。
お母様
私付きの侍女
お姉様
皆が怯える中、一人お姉様だけが目を輝かせて呟いたのだ。『綺麗』と。
それから、ずっと離れで暮らした。離れから出ることを禁止され、ずっと一人で芸のお稽古をしていた。
お母様
お父様
私の部屋に両親は一度来てそう言われた。七歳になるころには理解した。一人、部屋で呟く。
柘榴
毎日ちゃんと食事は届けられるし、衣服もある。行水もできるので、生活にはあまり困らない。遊ぶことはできなくても稽古していればいいからだ。あまり楽しみはないが、それでもよかった。たった一つの楽しみがあったから。隣の部屋から聞こえる美しい琴の音に合わせて歌う事だった。今日も聞こえてくる。
柘榴
すると、お姉様の声が聞こえた。
お姉様
柘榴
お姉様
柘榴
お姉様
私は戸惑いながらも口を開く。
柘榴
お姉様
柘榴
お姉様
柘榴
お姉様
その声と供に、何のためらいもなく襖は開けられた。そして差し出された手を取り、そちらへ向かう。
お姉様
柘榴
私はとても嬉しく、少し笑えた気がする。一年ぶりだ。
お姉様
柘榴
お姉様
柘榴
お姉様
柘榴
満天の星空。空には三日月が浮かんでいて、辺りを柔らかく照らしている。とても幻想的だ。
お姉様
柘榴
私は笑った。すると、お姉様も微笑む。
お姉様
柘榴
これがきっかけで、少し人生が変わった。お嬢様は毎日連れだしてくれて、楽器や和歌、武術も。ありとあらゆることを教えてくれた。そして、それはとても嬉しい出来事だった。
一年に一度、大広間に一族が集まる日。私はそれに初めて呼ばれた。
お父様
その一言でどよめきが起こる。
お母様
お姉様
柘榴
お父様
お母様
柘榴
お父様
お母様
そう言って、一族の前で謝らされる。何処からか、嘲笑も聞こえてきた。
柘榴
お父様
お母様
お姉様
ただ一人お姉様だけが悲しそうに呟く。
綺麗な部屋で、婚約者となった月城家の長男である月城清一郎とあう。御簾の奥で、黄金色の瞳がばれないようにする。そして、この話には裏があった。私に長男を殺させて三日月家がトップに立とうという思惑だ。
柘榴
月城清一郎
柘榴
月城清一郎
柘榴
彼は、表情が一切動かない。まるでお面のように空虚で空っぽに見えた。自分も同じかもしれないが、笑顔を見てみたいと思った。
月城清一郎
柘榴
月城清一郎
柘榴
月城清一郎
柘榴
月城清一郎
柘榴
月城清一郎
柘榴
月城清一郎
柘榴
そういって私はおずおずと御簾から出て清一郎さんの前に行く。そして、目を開けた。すると、彼の目線は目にくぎ付けになる。
月城清一郎
しばしの沈黙の後、告げた言葉はそれだった。心の底からの本音。
柘榴
月城清一郎
柘榴
月城清一郎
柘榴
なんとかその言葉を絞り出した。内心、よく分からない物が胸のうちで暴れまわっている。動悸が早くなっていき、顔に熱が集まる。
コメント
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続きを楽しみに待っています 体調に気をつけて頑張ってください これからも応援してます