灯りの消えた部屋で、二人同じ布団に横たわる。背を向けて、互いの顔を見ないようにしているのは意図的だ。少し時間が立ったのち、清一郎さんはこちらを向いて問いかけた。
清一郎
柘榴
清一郎
柘榴
清一郎
柘榴
清一郎
柘榴
清一郎
私がその言葉に振り向く。彼と目が会った。そのとたん、彼は破顔する。その笑みはとても美しかった。それから一か月間、毎日清一郎さんと話をした。清一郎さんは昼から来るので、それまでの時間が待ち遠しく、それでいてたまらなく幸せだった。今日も布団に入って一緒に眠る。布団に入ってから、今日は珍しく彼が話しかけてきた。
清一郎
柘榴
私は手を差し出した。すると手のひらに何やらずっしりとしたものが置かれた。それを見ると、短刀だ。
柘榴
清一郎
柘榴
清一郎
私はそのまま、短刀を抱きしめながら眠った。
それから一周間後、私はお父様に呼び出された。
柘榴
お父様
柘榴
お父様
柘榴
お父様
柘榴
お父様
柘榴
そう言われたが、お父様は我慢ならなかったようで一周間後には清一郎さんを殺す計画が建てられていた。
あれから一週間。今日清一郎さんは殺される。私は、清一郎さんに逃げる計画を話した。刺客が来るのを二人で待った。来たならば、私が殺すと決めて。すると案の定来たので、後頭部を蹴って気絶させた。
柘榴
清一郎
柘榴
そう言って、清一郎さんを先に逃がして私は両親の部屋へと向かった。殺すために……。
柘榴
お父様
お母様
柘榴
お母様
お父様
柘榴
清一郎
私がそう言ってお父様に短刀を振り下ろすのと、私の横に清一郎さんが飛び出してくるのとは同時だった。刹那、辺りに血が飛び散る。そう、清一郎さんは私がお父様の護衛に殺されるのを助けようとして自分が犠牲になることを選んだのだ。そして私は清一郎さんのほうを向くが、護衛に斬りつけられ力なく倒れた。人はこんなにも簡単に死ぬのだと知った。
柘榴
清一郎
彼はそれを最後に死んだ。私の中で何かがうごめく。これが怒りだろうか、腸が煮えくり返りそうだ。
柘榴
お母様
お父様
私は感情のままに両親を殺し、屋敷に火を放った。見つかってはいけないと思い、山に逃げる。そのままずっと燃え盛る屋敷を見ていた。炎が消えるまでずっと。
私は、そのまま山で暮らした。洞窟もあり、水場もある。沢山の食べられる植物もあり、猪や鹿もいる。はっきり言って、恵まれた環境だった。だが、不思議なことが起こった。体が成長しなくなり、身体能力が飛躍的に上がった。一度、山を降りて町を見に行った。
柘榴
服の劣化もなぜか起こっていなかったので、そのまま向かった。この服装だと、下級武士の娘ぐらいにはなるだろう。なので、口調は少し上品にする。だが、迷子になってしまった。
武士の人
柘榴
武士の人
柘榴
私は感謝を告げ、馬に乗せてもらう。
武士の人
柘榴
武士の人
柘榴
武士の人
柘榴
武士の人は優しく愛宕山まで送ってくれると言う。お礼に何か渡そう。この間取れた見事な猪でいいだろう。
武士の人
柘榴
武士の人
私がそう言って、彼の腕をつかむ。だが、力が強すぎたのか低いうめき声が上がった。するといきなりつかみ返してきて、刀で右腕を切り落とされた。
柘榴
武士の人
柘榴
武士の人
柘榴
武士の人
柘榴
そう言うと、武士の人は後退る。だが、運が悪く山の崖から転落してしまった。落ちた音が聞こえ、見てみるが死んだわけではなさそうだ。私はあまり人里に出ないほうがいいらしい。
柘榴
その後、私は何とか右腕を取り返すことができた。
柘榴
あれから一年経ったが、やっぱり背は変わらない。髪もこれ以上は伸びないだろう。急激な変化は、他にもあった。取り返した腕が、元通りにくっついたのだ。それ以来、物を好きに動かせるようになった。押しつぶしたり、膨らませたり。上下左右好きな場所に置くこともできた。
柘榴
?
柘榴
コメント
2件
続きを楽しみに待っています 体調に気をつけて頑張ってください これからも応援してます
続きが楽しみです