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灰猫
提灯が怪しく揺れるたそがれ横丁。愛莉は理性を失い、志歩の手を強く握りしめたまま走り出す
愛莉
志歩は愛莉の言葉を黙って聴きながら走る
横丁の奥、霧の中に佇む雫を見つけた。「雫!」と叫び、迷わず雫のもとへ駆け寄る愛莉。瞬間、愛莉は無意識に、ずっと繋いでいた志歩の手を弾くように離してしまう
志歩
志歩がいいかけたと同時に手を離した愛莉と志歩の影が実体化する。どろどろと大きくなる二つの影が雫に覆い被さる。現れた二つの影は、本人たちが決して口に出さない、泥沼のような本音を撒き散らす
愛莉の影
愛莉の献身の裏にある「支配欲」が、醜い形となって雫に襲いかかる
志歩の影
カエルタマゴ
雫の側にいたカエルタマゴは、本来「雫を追い詰める」役割だったはずが、あまりにも強大すぎる「人間たちの生々しい執着(影)」に弾き飛ばされてしまう
雫
類
類達は慌てて出口に向かって走り出した
カエルタマゴ
カエルタマゴは歌うようにメダルを差し出す
雫
志歩
雫
みのり
雫の言葉は自分の雫は意思でたそがれ横丁に入ったこと、そして雫は充分すぎるくらい強かったことを示していた。
愛莉
和やかな空気のなか、愛莉は席を外す
愛莉
先ほどのみにくい影は、愛莉自身が雫を「弱い存在」に留めておきたかったという心の歪みが実体化したものだった。その事実に、愛莉は唇を噛み締める
雫
雫は優しく愛莉に近づく。落ち込む愛莉に気づき、雫はいつものおっとりとした歩調で、けれど決して迷わずに彼女の隣へ歩み寄る
雫
雫は愛莉の震える手を、両手で包み込むように握る。その手は、先ほどの影の冷たさとは無縁の、命の通った温かさだった
雫
愛莉
雫の手の温もりに、愛莉は初めて自分の中の「恐れ」を捨て、雫を一人の対等な「アイドル」として、そして「親友」として見つめ直す
愛莉
愛莉は顔を上げ、雫の手をギュッと握り返す
愛莉
雫
夕暮れ時、二人は手を取り合って休憩所に帰っていった
夕暮れのチャイムが鳴り響き、カエルタマゴが袋を揺らしながらやってくる
カエルタマゴ
一人、また一人とメダルを袋に落としていく
類
奏
その声は蚊の鳴くように細く、けれど絶望に満ちている。彼女の手は激しく震え、何も握られていない
類
奏
類は凍りつく。午前中に自分たちが止めたはずの「電話」に、奏は一人で戻ってしまっていた。まふゆを救えない無力感と、鏡の迷宮で見せられた過去の罪悪感が、彼女を「偽りの父の声」へと依存させてしまった
カエルタマゴ
類
類が慌てて自分のメダルを差し出そうとするが、カエルタマゴの冷酷な宣告が響く
カエルタマゴ
複数のカエルタマゴが、まるで獲物を見つけた獣のように、奏の周りを取り囲む。その影が、小さく震える奏を完全に覆い隠していく。 ポンッと軽やかな音がする。奏の白い髪が溶けるように縮まり、体が白く滑らかな「タマゴ」へと硬質化していく。
絵名
奏
グシャッ、バリボリ……!
静まり返った休憩所に響き渡る、硬い殻を噛み砕き、中身を啜り上げる生々しい音。 カエルタマゴの口角から、奏の服の一部だった黒いリボンがひらりと落ちる
カエルタマゴ
奏がいた場所には、もう何も残っていない。その事実が、生き残ったメンバーを襲う
えむ
絵名
絵名は血が出るほど床を叩き、届かない名前を叫び続ける。奏を「救いたい」と思っていた自分が、彼女がメダルを使い果たすまで気づけなかったことへの猛烈な自責。 類は、奏が消えた地面を見つめ、昨夜まふゆから受け取った2枚のメダルの感触を思い出す
類
コメント
1件
第4話、読んだよ…! 影が吐き出す本音の生々しさがヤバかった。愛莉の「支配欲」を自覚する流れ、雫がちゃんと強いって示した構成、めちゃくちゃ刺さる。そして最後の奏…まさかの展開に声出たわ。類の後悔も重い。続きが気になりすぎる🔥 ゆっきーなさん、今回も最高だった!