さとみ
俺は、一番最初に生まれた長男だ。
もちろん母さんからはたくさん 愛されてきただろう。
俺が物心ついたときから父さんの存在は知らなかった。
俺が2歳の頃。確かに言われた。
「お兄ちゃんになるのよ」って。
俺は…あんまり覚えてないが、 きっと嬉しかっただろう。
で、2歳の頃になーくんが生まれた。
そこから年月経ちながら、ころん、 ジェル、莉犬、るぅとが生まれた。
その頃はまだ楽しかったなぁ…
みんなとたくさん笑えて。
でも、急に変わったのは1年前で俺が高1の時だ。
俺は急に母さんから虐待されだした。
理由は分からない。
母さんが言うには、ムカつくかららしい。
最初は本当に混乱した。
意味が分からなかった。
あんなに優しかったのに…
急に豹変して。
最初の頃は俺だけだった。
でも、最近は弟にも手を出そうとしてくる。
俺は、せめて…
弟たちだけは守りたかった。
るぅと
莉犬
泣くな。泣かないでくれ。 心配しちまうだろ。 俺はお前らに泣いてほしくないんだ。 お前らの笑顔だけが救いなんだよ。
ジェル
お前もだろ。ジェル。 ていうか、みんなもだろ。 お前らは自分のことを心配してくれ。
ななもり
お前は十分役に立ってるよ。 俺がいない間、みんなのお兄ちゃんを してくれるじゃないか。
ころん
弟に言えねーよ。 そんなんじゃ、長男じゃない! 俺は、お前らがいたらいいんだ。 お前らがいたら幸せなんだ。
莉犬、るぅと。いつも一緒に いてやれなくてごめん。
ジェル。お前の前で作り笑いしか できなくてごめん。
なーくん。俺が長男なのに、 なーくんに頼ってばっかでごめん。
ころん。いつも、悩ませてしまって ごめん。
みんな、本当に…
ごめんな。
さとみ
さとみ
さとみ
さとみ
最悪!!マジ最悪!!
さとみ
さとみ
行きたくない…けど。 行ってみるか。気になるし。
さとみ
物陰に隠れながら、そーっと聞こ。
母親
さとみ
母さん…なんであんな怒ってるんだ? 俺、何かしたっけ… いや、変にムカついてるだけ?
母親
さとみ
母親
さとみ
夫……って父さんのことだよな?
つまり…父さんがこの家に 帰ってくるってこと!?