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時系列としてはスメールでダインスレイヴが登場する魔神任務の直後からフォンテーヌの第1幕より以前となっています

この物語には以下の点が含まれています ・稚拙なセリフ ・原作設定の捏造 ・オリキャラの登場 苦手な方はご遠慮ください

雷雨が降りしきる日の西風騎士団本部にて.... 重い鉄の扉が開くやいなや雨に濡れるのを防ぐために黒いローブに身を包んだエウルアが建物に入る。

エウルア

ふぅ...。

エウルア

(全く。休日に呼び出すなんて....。)

服に多少着いていた雨粒を払い、閑散とした建物内で団員が分厚い資料を読んでいるのに気づく。

団員

エウルア隊長!お待ちしておりました

団員

今日は非番なはずでは?どの様な用事でここに?

エウルア

ふざけてるの?あなたが代理団長の元へ行くように言ったのでしょ?せっかくの休日を潰してどうなるか分かっているでしょうね?

団員

ははっ...。私はジン代理団長の言い伝えをしただけです。文句はあの方にやってください....。

エウルア

はぁ。

エウルア

それで肝心の代理団長はどこ?

団員

ジン代理団長は地下の資料室にいらっしゃいます。

エウルア

資料室?

エウルア

珍しい...。あの部屋に行くのはリサとガイアぐらいしかなのに。

団員

私がジン代理団長に伝え事を言うと急いで資料室に向かわれました

エウルア

へぇ.....

エウルア

まぁいいわ。ありがとう。

団員

いえ。では失礼いたします。

団員はエウルアに対して敬礼をし、一室へ消えていった。

エウルアは地下室に行く途中、騎士団の内装を見てある記憶が蘇った。

金色の装飾が施してあるドアノブ。 黒白のタイル。 壁に置いてある蝋燭。 それらの内装は自分の屋敷に似ていたのだ。

肉親や教育係に虐待と言えるほどの、何も身につかない礼儀作法を教えられる日々の中エウルアの心には曇りがあるだけだった。

そんな貴族の屋敷には嫌な記憶しかなく、この建物には少々苦手意識があった。

エウルア

(まっ、この建物を作った人に罪は無いけど...)

西風騎士団本部地下

年季が入りボロボロになった資料室のドアを軽く2、3回ノックすると中から2人分の声が聞こえてきた

リサ

あら、来たようね

ジン

入ってくれ

エウルア

お望み通り来たわよ。

ジン

非番の日に呼び出してしまった申し訳ない。そこに座ってくれ

エウルアは対面になるように椅子に座るとリサが薄暗い部屋に似つかない紅茶が入ったコップを机に置いてきた。

リサ

はいどうぞ。熱いから気を付けてちょうだい。

エウルア

どうも

エウルア

それで、私に用事があるようだけれども何かしら?

リサ

まぁ、そう怒らないで

リサ

これに関してはジンが話した方が良さそうね

ジン

あぁ...

ジン

君のお姉さんについての話について呼び出した

エウルア

ぶっーーーーー!!!!

予想もしなかったことが口から飛んできて、エウルアは思わず紅茶を噴き出してしまった。

リサ

.....大丈夫?

エウルア

姉さんが....何?

ジン

フォンテーヌの科学院と連携して写真機をモンドの数箇所に配置するプロジェクトがあったのは覚えているか?

エウルア

えぇ。

エウルア

数ヶ月前にモンド各所の木に貼り付けたあれのことでしょ?

エウルア

科学院から送られてきた魔物を感知して自動的に撮ってくれるとかなんとかかんとか....

エウルア

まさか写真に姉さんらしきものは映っていたということ?

ジン

...その通り。

そういうとジンはそばに置いていたファイルを開きそこから一枚の写真を取り出してエウルアに見せた。

風が吹き荒れ、瓦礫が積み重なっている写真の真ん中に黒いローブを被った青髪の女性が立っていた。

エウルアはそれを見て、その人物が姉だと言うことを確信した。 胸の高鳴りが止まらない。

エウルア

間違いない...

ジン

写真機に保存されていた写真が回収されてきてこっちに回ってきてね。私が見ていたんだ。そうしたら、君のお姉さんが偶然....

ジン

誤作動を起こして人間を撮ってしまったと思いながら写真を見ていたのだが..........。写真に写っている人が君にそっくりだった。一瞬エウルアだと錯覚してしまうほどだ。だが、よく見ると意外と違うものでな。君から姉さんがいると聞かされていたのを思い出して、こうして君を呼び出した。

エウルア

どこ!?教えて!!

リサ

落ち着いてエウルア!

リサ

気持ちは分かるわ。でも冷静になってちょうだい。

エウルア

あっ....

エウルア

ごめんなさい...つい

ジン

そう声を荒げるのも無理もない。数年ぶりに血縁者の消息を掴めたのだからな

ジン

この写真は風龍廃墟で撮影されたものだ。おそらく一週間前だと思う。

エウルア

……え?そこって閉鎖されてるんじゃないの?

ジン

ああ.....その通りだ。なるべく侵入されないように努力はしているがなにしろ範囲が広いからな....

エウルアは開いた口が塞がらない。

ジンとリサはしばらく情報整理の時間が必要だと感じてしばらく紅茶を飲んでいた。

ジン

すまないが、写真はこの1枚しかない。

ジン

確か君のお姉さんは牢屋から出てきた後、姿をくらましたと聞いている

エウルア

....

エウルア

えぇ

ジン

だが、最近になって風流廃墟に現れた。これは逆に嬉しい知らせとも言える。

エウルア

けどなんで風龍廃墟に...?

ジン

断定はできないが、おそらく地脈に流れる元素を採取していたんだと考えられる。

ジン

見てくれ。彼女のそばに突き刺さっている杭のようなものが見えるだろう?

ジン

これは元素を採取できる杭だ。

ジン

元来、元素を採取するには構造が複雑で取り扱いが難しい装置を使う必要があるが、これは簡易的で古いものだ

ジン

エウルアも騎士団の倉庫で見た事があるはず。

エウルア

あの赤色の棒みたいなもの?あれがそうなのね...

エウルア

でも地脈に流れる元素は高濃度だから危険なんじゃ.....

ジン

ああ、その通り。元素の濃度が高いものは逆に人間に支障をきたすんだ。特に風龍廃墟は地脈の元素は濃すぎる。だから今回我々は封鎖に踏み切った。それでも、好奇心に囚われた結果、騎士団の治療班のお世話になるバカはいる。

リサ

神の目があればある程度の元素には耐性はあるけど..........もしエウルアのお姉さんが神の目を持たずに地脈の元素を浴びてるとしたらかなりの愚行よ。

エウルア

神の目...

エウルア

確かではないけど...記憶では神の目を持っていたはず...

リサ

あら。幼少期のころから神の目を持っていたなんか珍しいわね。

リサ

けど、なるべく避けた方が身のためね。

エウルア

どうして元素を?

ジン

分からない。

ジン

元素は色々な使い方があるからな。この写真を見ただけで断言はできない。

ジン

写真はこれだけだ。私ももっと情報が出るように努力する。今後も写真には目を通して何かあれば君に知らせるようにしよう。

ジン

話は以上だ

エウルアとジンがぬるくなった残りの紅茶を飲み干すと、エウルアがおもむろに立ち上がった。

エウルア

情報ありがとう

エウルア

あの...ごめんなさい。せっかく写真のことを教えてくれたのに...

ジン

大丈夫。気にしないでくれ。クレーの世話をするより何倍もマシだ。

さっきの話のことで頭がいっぱいいっぱいだった。 考え事をしながら騎士団本部を後にする。

騎士団本部を出るとすっかり雨は晴れていた。雲一つ無い空から太陽の光が降り注ぐ。あまりの眩しさにエウルアは、目を細めた。ぞろぞろと建物からモンドの住民が、この快晴を今か今かと待ち望んたかのように出てくる。30分もしないうちに賑わいを取り戻すだろう。エウルアは鼻で雨上がり特有の湿きった匂いを嗅いで、ため息をついた。

エウルア

はぁ...

エウルア

姉さんの消息を掴めただけでも嬉しい知らせね...

エウルア

過去と向き合う時が来たみたい。

子供の時ある日を境に姿を消した自分の姉。 今どこで何をしているのかーーーーー。

エウルア

(とりあえず風龍廃墟に行ってみましょうか。姉さんの痕跡があるかもしれない....)

水溜まりを避けながら、まだ乾燥しきっていない石畳の上を力強く歩き始めた

風が吹き荒れる草原、そこには女性と魔物がいた。魔物は血だらけで満身創痍の状態であり息を荒らげながら岩を背に倒れ込んでいる。仲間がいたはずだが、全てその女性の手によって屠られ、屍累々となっていた。

たった今この女性は魔物の襲撃を受けたところだった。だが、戦力差は絶望的。一瞬で切りつけられ、虫の息の一体がこうして尋問をうけている。尋問というより拷問に近いだろう。魔物の肩には血がドクドク出ているが、女性が足で踏んずけたりして回答を待っていた。

???

さっさと答えなさい。私はそんな待てる性格じゃないわよ

魔物

分かった!言う!だからやめてくれ!!

???

最初から素直に言えばいいのよ

魔物

私はただただ上の奴らに指示されてやっただけだ!

???

上のやつらって姫様って呼ばれてる人?

魔物

ぐっ...

???

だけどそれは知ってる。私が知りたいのはあなた達アビス教団のアジトの場所だけ。

魔物

言えない....!

???

驚いた。アビスにも仲間意識があるなんて...

???

これぐらいで吐かないのは想定してたけどね?まぁいいわ。じゃあね

女性がゴミを見るような目で魔物を睨むと持っていた片手剣で魔物の頸動脈をかっきった。魔物の首から勢いよく真っ赤な血が吹き出し、返り血で真っ赤に染まった。

彼女の名はゼーレ・ローレンス 艶のある青髪をなびかせ、妹と似たような顔立ちをしていた。

ゼーレ

襲撃か...

ゼーレ

アビス教団も私の計画に気づいたようね。あんまり長い時間はかけられないなぁ...

血痕が残っている片手剣を拭い、しまうと絶命した魔物に目を配った。

ゼーレ

あなたも来世で今よりましな人生を歩めるといいわね。

プロローグ【完】

【原神】もしエウルアに姉がいたら

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