テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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わんわん日和

第3話 - さんわだぞ！

1,278

2024年12月24日

#司類

#冬彰

あかまる🍓🐾໊

「〜〜〜〜！」

司

む？

司

なんだ？黒くて薄っぺらい箱が喋ってるぞ？

司

何？！中に人が？！

類

あぁ、テレビが気になるのかい？

類

それはテレビって言うんだよ。

司

む、テレビと言うのか！

司

むむ…しかし、どこか既視感があるな…

類

チャンネル変える？気になるのあったら教えてよ。

司

む

司

…

司

む、類待て！ここで止めてくれ！

類

ん？この番組がいいの？

司

この女子が戦う物語…

司

むむ…少し違うが、似たものを見た事が…

類

へぇ、プ○キュアかぁ。ちゃんと観たのは初めてだな。

司

む、これはプ○キュアというのか。

司

おぉ…！！迫力があるな！どうなってるんだ？！後ろにいるのか？！

類

ふふっ、テレビに興味津々みたいだね。

類

市役所にも確認したけど君はどうやら野良だったみたいだし…

類

もしかして天才犬…？！

司

む？オレのことか？

ピンポーン

司

敵か？！

類

あっ、冬弥くんだ！今行きま〜す！

司

む、冬弥？

冬弥

お邪魔します。

司

むむ！お前が冬弥か！！

司

クンクン…

司

待て、類がつけてた犬と同じ臭いがするぞ！！！

司

まさかお前が浮気相手か？！？！

司

ｸﾞﾙﾙﾙ…

類

えぇ？！もしかして、君も人見知りするタイプだったのかい？

冬弥

何やら誤解されてる気もするが…

類

司くん人懐っこいと思ったんだけどなぁ

類

あ、飲み物どうする？コーヒー？

冬弥

あぁ、コーヒーがいいな。

類

分かった！ちょっと待っててね。

冬弥

…こんにちは。

司

むむむ…

冬弥

類から話は聞いているんだ。今日はちゃんとお礼を言っておこうと思って。

司

礼だと？

冬弥

類の両親は海外…とても遠い場所で働いているんだ。もう5年は帰ってきてない。

冬弥

類は少し抜けているところがあるから、1人にするのは心配だったんだが…

司

安心しろ！ちゃんとオレが面倒見てるぞ！！

冬弥

…ふふ、君は頼もしいな。

司

む、お前オレの言葉が分かるのか？

冬弥

？

冬弥

…実は、類が我儘を言っているところも、寂しいと言っているところも、聞いたことが無いんだ。

司

そうなのか？だが、寂しいとは言ってたぞ。

冬弥

俺には多分、気を遣ってくれてるんだと思う。もう少し甘えてくれていいんだが…

冬弥

だから、類の家族になってくれてありがとう。

冬弥

君の話をしている時の類は、本当に楽しそうだった。

冬弥

これからも、どうか類の傍に居てあげて欲しい。

司

ふふん、お安い御用だな！

司

類はまだまだ子供だからな！ちゃんとオレが最後まで面倒見てやるから安心しろ！

冬弥

…ありがとう。

司

むむ…やっぱり、お前オレの言葉分かるのか？

類

冬弥くん、コーヒー淹れたよ〜

冬弥

あぁ、ありがとう。

類

司くんとお話してたの？

冬弥

ああ。とても賢い子だな。

類

ふふん、そうでしょ〜

類

ずっと思ってたけど、冬弥くんって動物の言葉分かるの？

冬弥

いいや、言葉が分かるわけではないが…なんとなく。

類

凄いなぁ〜、司くん何て言ってたの？

冬弥

類がまだまだ子供だと。

類

えぇ？！本当に〜？

司

何っ？！冬弥！やはり言葉分かるのか？！

類

むむ…司くん、僕のこと子供だと思ってるの？

司

ああ！

類

あっ、今のは絶対肯定だった！

類

僕、もう高校生なんだよ〜？17歳！

司

？よく知らんが、年齢関係なくお前は子供だろう。

類

…なんか、失礼なこと言われた気がする、

冬弥

ふふっ、仲が良いな。

類

まぁ、たしかに上手くはやれてると思うよ。司くんもとても賢くていい子だし。

類

そうだ。お世話について色々聞きたいんだけど…

冬弥

もちろん。

類

＿＿＿＿

冬弥

＿＿＿＿

司

むむむ…

司

冬弥とやら…まぁ、悪いヤツでは無さそうだな。

司

類、何の話をしてるんだ？

類

ん？寂しくなっちゃったかい？

司

類が寒そうだからな。膝を温めてやろう！乗せてくれ！

類

乗りたいの？いいよ〜

司

よし！続けてくれて構わんぞ！

冬弥

ふふ、随分懐かれてるじゃないか。

類

ふふ、そうでしょ？

類

すっごく可愛いんだよね〜！温かいし、もふもふだし！

司

まぁ、入念にケアしてるからな！当然だ！

冬弥

それは良かった。元野良にしては、綺麗な毛並みだな。ケアしてるのか？

類

え？ううん、僕は特に何も…元から綺麗だったんだよね。

類

でも、ケアって何してあげればいいのかな？ブラッシングとか？

冬弥

そうだな…たまに風呂に入れてあげたりした後は、ブラッシングをしてもいいかもな。

司

ブラッシングは毎日してくれていいぞ！

類

う〜ん、とりあえずブラシは買おうかな。

冬弥

あぁ、いいと思う。

冬弥

他には歯磨きや耳掃除なんかも定期的にしてあげた方がいい。また今度一緒に買いに行こう。

類

うん！ありがとう！

司

む？もしや冬弥の家にも犬がいるのか？

冬弥

ん？えっと…

冬弥

…あぁ、彰人のことか？家にも犬がいるんだ。

司

おお、やはりか！どんなヤツなんだ？

冬弥

えっと…彰人の事が気になるのか？

司

ああ！どんなヤツだ？

冬弥

彰人は人見知りで、甘えん坊なんだ。散歩が好きで、足がとても速くてな…なんでも、父がアジリティチャンピオンらしい。

類

あっ、言ってたね！たしか…障害物を時間内にクリアする大会だったっけ。

冬弥

ああ。それで、散歩ではいつも置いていかれてしまうんだ。

司

おぉお…！！それは是非とも、一緒に走ってみたいな！

冬弥

ただ、彰人は犬が苦手で…

司

む？？ソイツも犬なのにか？

冬弥

俺も会わせてあげたいんだが…恐らく、怖がってしまうと思うんだ。

司

そうなのか…むむ…残念だな、

類

あっ、なんか悲しそう…

冬弥

…少し、彰人に会わないか聞いてみよう。

冬弥

俺も、彰人に友人が出来るのは悪いことではないと思うし。

類

もし仲良くなれたら、一緒に遊ばせたり出来るもんね。

類

あと、冬弥くんが仕事で忙しい時とか、僕がここで面倒見れるし！

冬弥

たしかに、それはとても有難いな。

冬弥

今日帰ったら少し聞いてみる。

類

うん！良かったね、司くん。

司

ああ！彰人とやらにもよろしく伝えてくれ！

類

あ、そうだっ！ねぇ司くん、冬弥くんにもアレ見せてあげようよ。

司

む？どれだ？

冬弥

ん？

類

ふふ、冬弥くん見ててね！司くん、ボール投げるよ〜

司

おお、それか！任せろっ！

類

それっ

司

覚悟しろ！丸いもの！！

司

ハーッハッハッハ！捕まえたぞ！

司

ほら、類！またこれが欲しいんだろう？

類

わ〜！ありがとう！やっぱり君は凄いねぇ！

司

ふふん、そのくらいお安い御用だ！

類

ねぇ、どうどう？司くん凄いよね！

冬弥

ああ…！凄いな！この短期間でもうそんな事が出来るのか？

類

うん！賢すぎて、飼い犬だったんじゃないかと思ったんだけど…どうやら、飼われてたって記録は無かったみたいで。

冬弥

そうなのか…だが、飼われるまでは無くても、世話をされた事はあるのかもな。

類

そうかも。僕の言葉も結構分かってるみたいだし。

類

あっ、出来たからオヤツあげなきゃ！

司

おお、例の等価交換だな！

司

もぐもぐもぐ…

類

あ、でもね。司くんこれは興味無かったみたいなんだ。

冬弥

…ね、猫じゃらし？

類

うん。やってみたかったんだけど…

冬弥

そ、それは…少し厳しいかもな。

司

おい、冬弥！お前にもこの丸いもので遊んでやってもいいぞ！

冬弥

ん？あぁ、一緒に遊ぶか。

ガチャッ

冬弥

ただいま。

彰人

！おかえ……

彰人

……………………

彰人

来るな。犬の臭いがする。

冬弥

なっ…

冬弥

ち、違うんだ彰人！あぁ、待ってくれ！

彰人

俺いま忙しいから

冬弥

あ、彰人…！

彰人

昼までには帰るって言ってたのに、もう夕方なんだけど？

冬弥

す、すまない……少し、司と遊んでて…

彰人

は？誰？

冬弥

あっ、断じて！断じて浮気ではない！

冬弥

司というのは、類がこの間話してた犬の事だ。

彰人

………

冬弥

あっ！ま、待ってくれ！

冬弥

ほ、ほら。お詫びに…という訳でもないが、彰人の好きなオヤツを買ってきたんだ。

彰人

気分じゃねぇ

冬弥

うぅ…彰人…

冬弥

すまない…抱っこくらいはさせてくれ…

彰人

やだ。触るな

冬弥

だ、抱っこもダメなのか…？！

冬弥

な、ならせめて撫でるだけでも…

彰人

だから、触んなって

冬弥

うぅ…っ

冬弥

本当にすまない…お願いだから機嫌直してくれ…

彰人

……

彰人

しゃーなしだからな

冬弥

！

冬弥

彰人…！！

彰人

次は無い

冬弥

すまない…これからは気を付ける。

彰人

…で、楽しかったのか？

冬弥

ん？あぁ、類とも沢山話せたし…

冬弥

そうだ。司が、彰人にも会いたがってたんだ。

冬弥

どうだ？1度会ってみないか？

彰人

絶･対･嫌

冬弥

やはり嫌か…

彰人

ソイツも犬だろ。無理だ。

冬弥

でも…彰人にとっても、友人が出来るのは悪いことじゃないと思うんだ。

彰人

はぁ？別にいらねーよ。冬弥がいるし。

冬弥

俺も仕事があるし、その分寂しい思いをさせてしまっているだろう？だから、たまに類の家で遊ばせてあげられたら…と思うんだが。

彰人

寂しくねーし。

冬弥

彰人が犬を苦手なのは、重々承知だ。だが…1度でいいから、会うだけ会ってみないか？

彰人

しつこいぞ。嫌だって言ってんだろ

冬弥

あっ、彰人…

冬弥

…実は、彰人を1人で留守番させるのは、少し不安なんだ。

冬弥

だから…出来れば、誰かに面倒を見てもらいたいんだが…

彰人

……

彰人

…まぁ、別に1回だけなら、

彰人

ホントに1回だけだぞ！それなら会ってやっても…いい。

冬弥

！

冬弥

いいのか？本当に？

彰人

ああ。ただ、お前も絶対一緒にいろよ。

冬弥

もちろん、俺は必ず傍にいる。

冬弥

ありがとう、彰人。早速類に連絡してみる。

彰人

ん。

彰人

(類の話聞く限り、"司"ってヤツは大型犬じゃ無さそうだし…)

彰人

(まぁ…ちょっと会うくらいなら、多分大丈夫だろ。)

彰人

(あ、でも類は元気でいっぱい鳴くって言ってたっけ…)

彰人

(うるさいヤツ嫌だなー…)

冬弥

彰人、来週末にお邪魔することになった。

冬弥

類も楽しみにしてるそうだ。

彰人

ふーん

冬弥

ふふ、楽しみだな。

彰人

別に。

冬弥

尻尾は正直だぞ。

彰人

！！

冬弥

彰人、類のこと大好きだもんな。

彰人

…

彰人

…別に。

彰人

それより、腹減った。

冬弥

ん？あぁ、ご飯にするか。

類

ねぇねぇ、司くん！今日は天気もいいし、お散歩行かない？

司

おぉ、散歩か！いいじゃないか！

司

よし！そうと決まれば早く行くぞ！

類

わっ！ふふ、待ってよ〜

川沿いの道

司

おお…この辺りは来たことないな。

司

む、あれはなんだ！？

類

つ、司くん！待って〜〜

司

遅いぞ類っ！

類

はぁ、はぁ…君も足速いねぇ…

司

むむ…

司

…あ、あそこに水溜まりがあるぞ！水分補給するか？

類

え？あっ、ちょっと待って！

類

司くん、水溜まりはダメだよ！ちゃんとお水あるから、こっち飲もう？

司

む？

類

お腹空いたら、オヤツもあるからね！だからいっぱい遊ぼ！

司

おぉ！用意がいいじゃないか！

司

よし、行くぞ類っ！

類

わ！だ、だから速いって〜！！

芝生公園

類

つ、捕まえたっ！

司

どわっ！？

司

むむむ…！！中々やるじゃないか！

類

はぁ、はぁ…き、休憩…

司

む、ほら水飲め！

類

ふふっ、ありがとう。

類

ねぇねぇ、今日は外だから…これやってみない？

司

む？

類

フリスビーって言うんだ！これを投げるから、いつもみたいに僕のところに持ってきて欲しいな。

司

おお、なるほど！構わんぞ！

類

ふふ、じゃあ行くよ〜！それっ

司

待てっ！！空飛ぶ円盤っ！！

司

とうっ！！

司

ハッハッハ！！見たか類！このオレの華麗なジャンプを！！

類

す…

類

凄いすごい！！空中キャッチまで出来るの？！

司

ふふん、朝飯前だな！

司

ほら、持ってきてやったぞ！！

類

わ〜、ありがとう！本当に凄いねぇ！

類

あ、はい！オヤツだよ〜

司

おお！戴こう！

司

もぐもぐ

類

本当に凄いなぁ。こういうのって、教えるのに時間がかかるって聞いてたんだけど。

類

ふふ、君は想像を超えてくるねぇ

司

ふっふっふ、当然だな！

つづく

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やっぱり、司ってもともと人間なのでは…？？アニメに既視感を覚えてて、飼われたことは無し、人間の言葉が全部わかって…… というか、冬弥と彰人めちゃめちゃ夫婦だな！？！？

いいねを1232にするのも結構楽しいな

可愛いねぇ、、、、次は彰人と司が友達になるのかな

あかまる🍓🐾໊

プロフィール

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