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病気が悪化して

私には沢山のコードや管が

体につけられ

車椅子で生活する日々

でもだいぶ疲れていたのか

自分で車椅子を押せないくらい

弱っていた

もし次の手術が失敗したら

命はもう無い

軽い余命宣告をうけ

残りの日何をしたい?

そう聞かれた

タヒぬって何だろう

いや、悩んでいるならタヒんだほうがましかもしれない

小児棟の広場で

看護師のお姉さん

はい!じゃあみんなで

看護師のお姉さん

七夕の飾りと

看護師のお姉さん

短冊を作りましょう!!

看護師のお姉さん

ハサミを使うので

看護師のお姉さん

怪我には十分に注意して

看護師のお姉さん

無理だったら看護師のお姉さんたちや

看護師のお姉さん

おうちの人に言ってくださいねー

はーい!

看護師のお姉さん

じゃあ好きな色の折り紙を選ぼう!!

朧月雫

(つまらないな…)

朧月雫

(お母さん早く来ないかな)

朧月雫

(今週の漫画早く買ってくれないかな)

看護師のお姉さん

はい!雫ちゃん!

看護師のお姉さん

何色がいい?

朧月雫

え?

折り紙をトランプのように持って

見せてくれるお姉さん

朧月雫

水…色…

看護師のお姉さん

はい!

看護師のお姉さん

水色ね!

折り紙を受け取ろうとしたとき

谷口怜那

なんで水色なの?!

谷口怜那君(たにぐちれな)

白血病と戦っている小学生4年生の男の子

朧月雫

え?

谷口怜那

女子はピンクだろ!!

朧月雫

え?

看護師のお姉さん

怜那君?

看護師のお姉さん

好きな色は人それぞれ

看護師のお姉さん

女の子だからピンクってわけじゃないよ

谷口怜那

でも青選ぶとか男の子じゃん!

朧月雫

え?

こら!怜那!!

と怜那君は怜那君のお母さんに

連れていかれた

看護師のお姉さん

ごめんね雫ちゃん

看護師のお姉さん

水色でも大丈夫だからね

朧月雫

なんで…お姉さんが謝るの?

看護師のお姉さん

ん?

看護師のお姉さん

もう一回言ってくれるかな?

朧月雫

ううん、なんでもない

谷口怜那

……

看護師のお姉さん

この折り目にそってハサミで折り紙を切りましょう!!

看護師のお姉さん

終わったら穴をあけて紐をとおすので

看護師のお姉さん

手をあげて教えてください!

ハサミを持つ

朧月雫

(ハサミってこんなに重いっけ?)

最近ノートや鉛筆しか持ってないから…

週刊誌の漫画も書見台で読んでたから

わからなかったけど

筋力も弱ってるのか…

朧月雫

うーん…

がったがったな切れ目

朧月雫

(重い…)

朧月雫

(綺麗に切れない!)

朧月雫

あ!

ついにはハサミを落としてしまった

しかもそれは怜那君の前に転がった

谷口怜那

谷口怜那

雫ちゃん

谷口怜那

下手!!

谷口怜那

遅い!!

朧月雫

!!

朧月雫

そんなこと…分かってるって!!

看護師のお姉さん

ちょっと!怜那君!

谷口怜那

貸せよ!!

折り紙も奪われる

朧月雫

ちょっと!!

シャクシャク

谷口怜那

はい!

谷口怜那

俺のほうが綺麗に切れるから

綺麗にきれた短冊

朧月雫

あ、ありがとう…

谷口怜那

フッん!!

看護師のお姉さん

(怜那君…)

看護師のお姉さん

じゃあ雫ちゃんも穴をあけるね

朧月雫

うん

看護師のお姉さん

はい、じゃあみんなペンか鉛筆を持って下さーい!!

看護師のお姉さん

お願い事を書きましょう!!

朧月雫

(お願い事…?)

朧月雫

(そんなの…)

朧月雫

(あ、そうだ…)

谷口怜那

書けた!!

看護師のお姉さん

お!怜那君はなんて書いたのかな?

谷口怜那

俺はね

谷口怜那

「病気に勝てますように!!」

谷口怜那

だ!!

看護師のお姉さん

おお!!

看護師のお姉さん

叶うといいね!

看護師のお姉さん

よし!じゃあ笹につけよう!!

谷口怜那

お姉さん!一番高いところにつけて!!

看護師のお姉さん

分かった!

看護師のお姉さん

じゃあここでいいかな?

谷口怜那

うん!!

谷口怜那

俺が切った傑作の短冊に雫ちゃんはなんて書いたんだ?

短冊を取られる

朧月雫

あ…待ってよ!

谷口怜那

んーとなになに?

谷口怜那

「普通になりたいです」

谷口怜那

なんだこれ

朧月雫

!!

谷口怜那

普通になれると思っているわけ

谷口怜那

普通の生活、普通の体?

谷口怜那

んなわけ無いじゃん!!

谷口怜那

みんなタヒぬ!!

谷口怜那

俺も雫ちゃんも

谷口怜那

病気に負けちゃうに決まってるじゃん!!

泣き叫ぶ怜那君

朧月雫

!!

看護師のお姉さん

怜那君どうしたの!!

短冊がグシャッと握られる

朧月雫

ああ!!

谷口怜那

無理なんだよ

ポロポロ泣いている

つられて涙がでてくる

看護師のお姉さん

二人とも…

看護師のお姉さん

雫ちゃん、どんな夢でもいいよ

看護師のお姉さん

大丈夫

看護師のお姉さん

怜那君大丈夫だよ

看護師のお姉さん

怜那君の夢は叶うよ

朧月雫

(お姉さん!私の願いは叶わないの?)

朧月雫

(なんで…なんで…)

そうしているうちに

???

君ちょっと手を見せて

同い年くらいの謎の男の子が現れた

谷口怜那

なんだよお前…

???

いいから!!

谷口怜那

はい

???

この短冊もらうね

谷口怜那

え!

しわしわになった短冊をのばして

???

君のでしょ?

朧月雫

あ、ありがとう

???

じゃ、じゃあ

白衣を着ている人に向かって走る

朧月雫

(いいな…走れるの)

看護師のお姉さん

理事長!!

理事長

やあ

看護師のお姉さん

どうしたんですか?

理事長

この子も短冊に興味があったようでね

???

うん

理事長

あと様子を見に来たんだ

朧月雫

(泣いたら疲れちゃった)

看護師のお姉さん

なるほど

朧月雫

(なんか眠くなって…)

私はことりと眠ってしまった

朧月雫

なんだか懐かしいな

宇佐美明日香

え?どうしたんですか?

朧月雫

あ、いや、

朧月雫

ちょっと昔の事を思い出してた

朧月雫

(怜那君、私は今元気ですよ)

宇佐美明日香

雫さんの心が落ちついたところで、

宇佐美明日香

雫さんの家に行きましょうか

宇佐美明日香

引っ越しの準備をしましょう!!

朧月雫

うん!

一方中央病院では…

藤田いろは

谷口さん!

藤田いろは

谷口怜那さん

藤田いろは

こちらの待合室に来てください

谷口怜那

あ、はい!

谷口怜那

(検査結果大丈夫かな…)

谷口怜那

(引っかかってたらどうしよう)

谷口怜那

(うーん)

藤田いろは

谷口さん

藤田いろは

2号室にどうぞー

谷口怜那

は、はい!

谷口怜那

よろしくお願いします!

先生がカルテと検査結果らしきものを見ている

藤田いろは

あ、座ってくださいね

谷口怜那

あ、はい!

先生がこっちを向く

佐山響

こんにちは、谷口怜那さん

佐山響

本日は検査結果をお伝えします

美しい時間と卑劣な月日

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