唯華
樹に手を引っ張っられながら連れてこられたのは、
人気の少ない公園だった。
樹
樹
自分の手を見ると少し赤くなっているようにも見えた。
樹
唯華
樹
そのままゆっくりとベンチのある方へと歩いていき、
ベンチに腰を掛けた。
お互い直ぐには口を開かなかった。
手にはさっき買ったクレープが残っていた。
樹
唯華
樹
私は樹の話を断ち切るように口を開いた。
唯華
同じ事をさっきよりも丁寧に言い直した。
きちんと理解をして欲しくて。
樹
樹は小さく呟いた。
唯華
唯華
別に、その答えが翔太でもいい。
それでも構わないから。なんの異論もない。
樹
唯華
樹
唯華
思っていたことがそのまま口に出てしまっていた。
絶対に翔太だ、って分かってたのに
覚悟なんてとっくに出来ていたのに、
自分の事を裏切られた気がして
胸が苦しくなるような、
そんな感覚に陥った。
樹
樹
樹
樹
樹
樹は最後に小さく謝った。
樹
樹
唯華
今の樹はいつもと違う。
自分の全てに否定をして、
いつもはもっともっと明るいのに、
今は全ての感情を失っている、
そんな雰囲気を放っている。
樹
そう言って、樹は私の傍から離れていった。
さっきまで大きかった樹の背中が、
今ではもう小さくなってしまっている。
道端に落ちていた石を蹴りながら、
私はゆっくりと家に帰っていた。
唯華
私はもう、全てを失ってしまっている。
下を向きながらずっと歩き続けていた。
唯華
私はずっと下を向きながら歩いていたせいで、
前を全然みていなかった。
挙句の果てに、電柱にまでぶつかって
今日はついていない日だな、
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
唯華
翔太
やっぱり翔太を見ると安心する
翔太
私は気付かないうちに涙を流していた。
唯華
涙を拭き、一呼吸置いて、私は話し始めた。
唯華
翔太
唯華
翔太
唯華
唯華
翔太はもう、私の名前呼んでくれないのかな。
お前 としか言わないのかな。
唯華
唯華
唯華
二人の行動は双子みたいに同じだったから
翔太
唯華
翔太
翔太
翔太
嗚呼…そうか。
やっと分かったよ。
名前なんて呼んで欲しくなかったんだね。
ごめん、ごめん。
大きなお世話だったよね。
唯華
翔太
翔太
翔太は、いや、彼は、いつもよりも早い足取りで私の前から消えていった。
唯華
思っててもそんなこと言わないでよ。
私はまだ翔太の事好きなんだよ。
これでも、嫌いになれないの。
未練タラタラの私でごめんなさい。
もう少しだけ、片思いさせてよ…。
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コメント
7件
切ない〜!樹くんは付き合ってたことを否定して欲しかったのかな? しょっぴーのお前のデートも楽しかったってところにキュン( ´͈ ૢᐜ `͈ૢ)ってしました!
片思いって辛いときもあるよね〜 続き楽しみ!