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クロ麦
クロ麦
クロ麦
クロ麦
クロ麦
その星は、紛れもない 小さな星だった。
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小さな笑顔を見せながら そう誂う隣の人は、 俺の幼馴染のおんりーだ。
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息を吐いて、赤くなった小さな両手を温めた。
まだまだ子供だとしても、真冬の寒さはへっちゃら!だなんて言葉で片付けられないほど寒い夜だった。
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名前を呼ばれたので、横を向くと……
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おんりーが着てた上着を脱ぐと、俺の背中にそっと掛けた。
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つい嬉しさに頬が緩む。 それにつられてなのか、おんりーも笑ってくれた。
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暫くしてまた二人で空を見上げた。
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いつになっても、どんな時代になっても…戦争はなくならない。 平和な時代はいつも束の間の休息とも言えるほど短い。 いつの日かこの故郷も戦火に巻き込まれるのは……時間の問題だ
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おんりーの指差す先には 小さいながらも光が流れた。
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小さくて、それはあっという間に森の中に消えて見えなくなってしまった。
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小さな村で、 平和な日々を送ってた。 それがずっと
この先も
終わる事なんて無いと思ってた
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一瞬、視界の隅でなにかが眩しい光を放ったのか……この辺りも少し明るくなった。
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たしかあっちは、村がある場所…
おんりーの方を見ると、驚いた顔をして見つめていた。
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見たこと無いくらい焦った顔して訴えかけるおんりー。
見たこともない姿に鈍い俺でも分かった。
いま、とんでもなくヤバい状況に置かれてるんだって。
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先程から地面が揺れる程の地響きが絶え間なく続く。
さっきの光も謎だし…
もしかして…戦争の魔の手がついに来てしまってのか?こんな真夜中に?
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『死にたくない』
怖いと本能が叫ぶ。
指先が震え…体が恐怖で震えた。 幸い、村からここは少し離れている。
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村の皆は無事なんかな…
ぎゅう、と抱き寄せられる。
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遂には発砲音のようなものが森の中に響き渡った。
それはおんりーの声を遮り、俺に届かないようにするみたいに
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焦げた匂いが漂う
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再び爆風と共に爆発音がした
石の転がる音に砂や砂利が飛んで来ては頬を掠めたり…手に当たったりと体のあちこちが痛い。
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頬に走る傷。
確かに掠り傷だけど… でも、傷は傷。
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病気は怖い。
薬が少ないこの小さな村では、病気に掛かればそれは…
死を意味する。
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そんなの…沢山見て。
人の死に触れてきた。
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絆創膏をズレないように、慎重に貼る
ふと、おんりーの肩が揺れた
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貼り終わるとおんりーが俺の手を握る。
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"助けられる命があるかもしれない"
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でも、それでも。
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まだ音は止んでない。
爆破音は絶えずしてるし 発砲音もする
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おんりーが流れる涙を指で掬い ギュッと強く抱き締めた。
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頬を触れる手は大きくて
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彼の背が輝かしい。
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あまりにも無力だ。
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心配そうにおらふくんの手を繋ぎ、顔を覗き込む。
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森の中は正直…怖い。 でも、命には変えられない…
おんりーに手を引かれるまま、忍び足で気付かれないように移動した
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いざ森に! なんて足を踏み入れた途端
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ズルッ…
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片足を滑らせた所を、おんりーになんとか片腕を掴まれて頭を打たずに済んだ。
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前日、雨が降ってたせいなのか だいぶ泥濘んでいる…
これは足元に気を付けないと、また転んじゃいそうだ…
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辺りは真っ暗で視界は悪い
おんりーの言う通り、迷子になれば終わりかもしれない。
俺達は燃える村を背に、 森の中に逃げ込んだ。
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森に入って十分は経った頃か
だいぶ深くまで進んできた。 そろそろ開けた所にでたいけど…
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振り向いたおんりーの顔が、少し険しいというか…なんというか
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おんりーは心霊が苦手だ
さっき俺が変なことを言ったから、怖がっちゃったみたい
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おんりーも苦手なものがあるって、なんか可愛いんな。
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月の明かりが差し込むぐらい、少しは開けた場所に出てきた。
そっと後ろを振り向く。
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まさかそこまで気にするとは思わなかった…!
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じゃないとおんりーが別の意味で警戒し始めちゃうから。
それにしてもだいぶ静かやな…
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辺りをキョロキョロ見回して、 すこしおんりーから手を離した
その時
奥の草むらに月の光の反射で光る何かが見えた。
それは人のように見えた。
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一瞬、音が聞こえなくなった
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訳の分からないままに痛みが流れ込んでくる。
痛い、とにかく痛い。 あまりの痛さに目眩がする
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目を強く瞑っていたから分からなかったけど…
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倒木に寄り掛る俺を心配そうに、顔を覗き込む。
どうやら片足を撃たれたみたい
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血が流れてるのが分かる。 痛みが走ってる
暑いのか寒いのかも分かんない
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これ死ぬのかな
人間って足撃たれたら、ヤバいのかな?
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森におんりーの声が響いた
バレるとかそんなの関係ない。
必死な顔が目に焼き付きそう。
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まだ狙ってるかもしれない。 これは戦争だ。
命を取られたとしたらもう… それは
抗えない運命だったとしか
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その声色は、諦めない意志が込められていて…
その圧に押され、押し黙る
じゃないと意地でも聞かなそう
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分かったの返事も聞かず 少し駆け足気味にで下り始める
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上手く木の陰を通ってるのか、後ろから絶えず発砲音がする
でも、おんぶされている俺にも当たっていないし…
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いくら森とはいえ、少し険しい道も軽々と飛び越えていくおんりーが凄過ぎて…
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先まで走っていけば銃声は消え、少し先に道が見えてきた
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言われた通り、もう先が見えた
なんかあっという間過ぎて…あと痛みでよく分からんわ…
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おんりーの背中に頭を置く…
とくとくと心臓の音が早く聞こえてくる。俺もいま早い。
焦っただろうな、撃たれた時 泣きそうやったもん…顔が
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おんりーが突然、足を止めた。 分からないけど……
とても嫌な予感がした。
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胸がざわつく
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肩から顔を覗き込む。 その先は明る過ぎて、目をつい瞑ってしまった。
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銃声がした
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おんりーが痛がったと思うと、俺はそのまま後ろに落ちた
尻餅をついた俺はすぐに体制が直せなくて、なんとかしゃがんだままだけど座れた
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すぐ目の前で右腕を抑えるおんりーの元へと駆け寄る
血が出てる
自分達が敵軍に囲まれてるのなんて気にしてられなかった。
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銃口を何人にも向けられる中、その圧迫感は息が詰まる
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後ろに担いでいるものは、 見覚えがある
村なんかで狩猟で使う、銃に似ている……
でも、あんな形してないし 円柱のものなんかもついてない
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二人の問答が続く
問答というよりかは…威嚇しあってるようにも見えなくはない
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寒さを感じる
おんりーの服を掴む手に、あまり力を込められない。
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ぐったりし始めたおらふくんをおんりーが腕で支える
やばい、熱出たかも…
今、倒れるわけにはーーー
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体が冷えてきてる
血が止まらず出てたのは分かっていたけど……
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止血剤さえあればいいのに そうはいかない
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男は近寄り、見下ろした。
弱っていく子供と
自分を威嚇してくる子供を
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男を鋭く睨み付けるその目は、 相手を怯ませるほど
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その一言で周りにいた人達がバラけていく。
この人は……凄い人なのかな。
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仲間になれと言い出した。 仲間か……
でも不安はある
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なんか、騒がしい人だな… でも…分かった事はある
村の子供達は生きている希望があるってことが。
それだけでも救われるものがある、それはきっとおらふくんも
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男はしゃがみ込むと、先程まで自分を睨み付けていた
子供の顔を見て… 弱っている子供の様子を見た
もうピリピリした空気じゃない
この男は嘘は付いてないのだろう、信じられはしないけど
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少し尺には触る。 守ると言って、おらふくんを守れなかったし……
結局は敵に助けを求める形になってしまった。
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暗闇に紛れ込む男を消えるまで見つめていた
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もっと強くならないと
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一人でも生きられるぐらい、 強くならないと
その時
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頭上を一つの星が流れていった
クロ麦
クロ麦
クロ麦
クロ麦
クロ麦
クロ麦