いじめられっ子は頼りたい（ジジオカ）

バキッッ

あれから毎日、放課後に呼び出されては 女子たちのストレス発散道具になっている。

傷を上書きされるように殴られると、 ジブンの意思に関係なく声が出る

ドゴッ

ジブンからは近づいてないんだけどなぁ、

逃げるのも不自然だし

どうしようかなぁ、

グリグリ…

痣ができているみぞおちを かかとで押さえつけられる。

そうか、好かれているのが気に入らないのか

じゃあ

嫌われたらいいんだ

翌日

今日もどうせ、放課後に殴られるのだろう

そう考えるとどうしても気分が乗らない

そして今日からジジに嫌われるよう 行動しないといけない

嫌われたら、殴られずに済むはず、

思わず溢れたため息に 登校してきたジジが反応する

嫌われないと

スタスタスタ…

後ろで聞こえたジジの困惑の声が酷く耳に残る

こうすれば、ジブンも、ジジにも、影響無くなるはず

ズキッ

無視した時に胸が傷んだことには 気がついてないふりをした。

キーンコーンカーンコーン

3時間目後の休み時間。

1時間目後の休み時間からこうやってずっと ジブンの教室に来るようになった。

行きたい、行きたい 行きたい

パシッ

「うん」と出そうになった口を塞ぐ。

ダメだ、ジジを巻き込むわけにはいかない

ジブンが嫌われたら全て終わる話だ。

フイッ

ジジの目から逃げるように目線を外した。

怒っているような、悲しんでいるような声を 頭の中でリピートしながら次の授業の準備をした

でも、ジジのためにも

ジブンが我慢しないと

4時間目が終わった。

屋上に行かないと、

屋上に行ったら、ジジがいるよね

行ったら、だめ、だよね

行きたい

行きたい

行きたい

ガタッ

席を立ってジジの方へ向かう。

あの、女子だ、

ばち、と目が合う

グイッ

この前手首捻られたからかなぁ

それが残ってたのかな、すぐ離してくれたけど 掴まれた手首がジンジンしている

ガシッ！

痛いことが分かっているのだろう。

女子が手首を思いっきり掴んで引っ張ってきた

ズキッ

引っ張られながら見たジジの目は 何かを理解したようだった

ジジside

お弁当を食べているモモとアイラちゃんが 聞き返してくる

ごくんッ

やっぱり2人も気づいてたみたいだった

モモの言葉を最後に、俺たち3人は目を合わせた

愛しの人の引きつった笑顔を思い出すと、 思っているよりも低い声が出た。

自分でも信じられないくらいに怒っている

アイラちゃんをいじめていた人だけど、

言ってもいいのかな…

アイラちゃん、本当にかっこいいなぁ

…こえーーー！！

でも、

オカルン、待っててね

絶対助けるから

オカルンside

ガッ

髪の毛を引っ張られる。

ゴッ

ドッ

バキッ

痛い、痛い

欲に抗わなかったからこうなったんだ

全部、ジブンが悪い

…ジジに、情けないところ見せてしまったな

本当に？

いいの？

もう、殴られない？

ジジにも、迷惑かけない？

もっと、嫌われなきゃ