久留間悟
久留間悟
挑むように、メガネの奥の瞳が篁を覗き込む
鬼王篁
鬼王篁
渋谷大
渋谷大
自覚がない様子の篁に驚き、英真の目が見開く
篁もまた驚愕した様子でしばらく記憶を辿っていたが
やがて助けを求めるように英真を見た
鬼王篁
その一言に、英真だけでなく、渋谷と久留間も噴き出した
山野英真
山野英真
山野英真
鬼王篁
鬼王篁
山野英真
自覚のないまま進行する現状に困惑を見せる篁の言動と
からかわれているのではないかと疑いつつ楽しげな様子を見せる英真に
頬杖をついた渋谷が興味を惹かれた様子でまばたいた
渋谷大
鬼王篁
鬼王篁
鬼王篁
久留間悟
久留間悟
久留間悟
山野英真
山野英真
山野英真
久留間悟
渋谷大
渋谷大
鬼王篁
鬼王篁
鬼王篁
鬼王篁
久留間悟
久留間悟
久留間悟
久留間悟
久留間悟
問いかけに、沈黙が落ちる
山野英真
渋谷大
渋谷大
渋谷大
渋谷大
渋谷大
山野英真
山野英真
久留間悟
久留間悟
久留間悟
再度の問いかけに、英真は明らかに困惑を見せる
その隣で、篁もまた答えの見えない謎に眉根を寄せていた
久留間悟
渋谷大
渋谷大
渋谷大
山野英真
久留間悟
久留間悟
久留間悟
久留間悟
久留間悟
渋谷大
渋谷大
山野英真
渋谷大
渋谷大
渋谷大
渋谷大
渋谷大
山野英真
鬼王篁
鬼王篁
鬼王篁
山野英真
渋谷大
渋谷大
渋谷大
久留間悟
久留間悟
久留間悟
英真の手の平に、じっとりと汗が滲んでいた
母親に授業参観を見られているような
そして苦手な教師が隣にいるような感覚と話していた篁が
得心した顔で見てくることも気づかぬ振りで膝の上で拳を握った
心臓と血流がうるさく、鼓膜すらしまい込みたい衝動に駆られる
その耳に、フォークのように差し込まれた声
久留間悟
断言されたその言葉が、三半規管を揺らしたかのように
――途端、世界が急速に凝縮される錯覚に陥った
見えたのは、かつて遊び場にしていた寺の境内だった
どんぐりを集めながら、友だちから離れていく幼い英真自身が見える
ニコニコと機嫌よさげに、手を泥だらけにしている姿に
やがてどこかから、人目を避けるような声がかけられた
???
???
聞き覚えのない声が本堂の脇から聞こえることに気付き
さらにそこから白い手がヒラヒラと招いているのを見て
幼い英真は疑いもなく駆け寄った
知らない人にはついていかない
そう聞いていたはずなのに、当時の英真はまるでそれが当然かのように
その声が招くまま、本堂の影へと走っていた
夕日も差し込まない、薄暗い場所
そこにいた人物の姿は忘れてしまっているのか、よく見えなかった
???
???
???
???
???
???
懇願しながらも、静かに言い聞かせる声
包み込むように手渡されたのは、あのお守りだ
それがぼんやりと赤く光ると、右ポケットが熱くなった
手の中が暖かくなるのではないのかとぼんやり考え
ただ、不思議な安心感のあるそれをじっと見つめ続けていた
???
???
???
鬼王篁
山野英真
突如として現実に引き戻されると、篁の顔が眼前に迫っていた
いつの間に店を出たのか、すでに電車の中だ
タタンタタンと揺れるリズムが、判然としない脳をさらに揺らした
鬼王篁
山野英真
山野英真
鬼王篁
鬼王篁
山野英真
山野英真
山野英真
話しながらも、吐き気がこみ上げるほどの頭痛に顔をしかめる
幼なじみによく似た女性と一緒に笑い転げている記憶
深く暗く、狭い谷間を進んでいる記憶
一人で花畑にいる記憶
覚えはないのに実感だけがあるそれらが、頭の中を渦巻いていた
夢と現実がない交ぜになって、足もとが危うくなる感覚
せめてそれを紛らわせようと、英真は必死に、笑顔で会話を繋ぐ
山野英真
山野英真
山野英真
山野英真
鬼王篁
鬼王篁
鬼王篁
鬼王篁
山野英真
ここに来て、英真は途方に暮れる
篁は英真に閻魔王が憑いているからこそ警戒した
ならば恐らく、英真は篁に対して感じるこの奇妙な安堵感も
閻魔が部下に対して見せる信頼と同じではないかと
だが、もしそうであれば
山野英真
山野英真
その考えはひどく指先を冷えさせた
これ自体が閻魔王が憑いているからこその感傷かもしれないと思いつつ
乗換駅に着き、一足先に下車していく篁を見送る
その背中に手を振りながら、英真は一人呟いた
山野英真
山野英真
窓ガラスに頭を預け、苦悩を隠さず溜め息をこぼす
脳裏には変わらず覚えのない映像ばかりが絶え間なく浮かび
冷や汗が浮かぶほどの頭痛だけが英真に寄り添っていた
コメント
9件
おおお面白い!!! 事あるごとに驚かされてしまって、井之上さんの手のひらで転がされている感覚です😳 1話分だけでも内容が濃く、言いたい事がありすぎて、何についてコメントしようか迷ってしまいます…!