凪玲　短編集

俺の恋人こと御影玲王は3年前交通事故で頭を打ってから まだ目を覚ましてない

最初の一年はあっという間だった

玲王が居なくても1人でやれることの方が案外多くて

ゲームや昼寝など玲王と出逢う前とほぼ変わらない時間を過ごした

だけど、1年が終わる辺りから俺は変わってしまった

時間が経ったことでよりこの頃の俺は無性に寂しくなってた

1年経っても帰ってこない玲王が本当にこの家に帰ってくる日が 来るのか心配でたまらなかった

玲王と2人暮らししていた家は俺1人には無性に広く見え、 俺の心にポッカリと空いた穴のように見えた

この頃から俺は、玲王が居ない寂しさを忘れるために感じない為に

女も男も誰彼構わず声をかけてくれたやつと寝るようになった

そんな2年がつづき、

ある日、病院から電話があった

俺はそう答えて急いで病院へ行った

だけど、この時の俺には片道15分の短い道のりがとても長く感じた

今まで浮気まがいなことをしておいて今更玲王に合わせる顔がない

ずっとそんなことを悶々と考えていた

だけどそんなこと玲王の顔みたら一瞬でどうでもよくなった

この時したハグと帰ってからした甘いキスは 今でも鮮明に覚えている

ああ、なんて幸せなんだろう