おっさん
おっさんは
おっさん
もう、おっさんがゆえに
おっさん
おっさんとして生きるのが正解なんだよ
女子大生
どうしたの急に?
おっさん
こんなとこで夕方まで年甲斐もなくはしゃいでしまったんだが
おっさん
やっぱり気付いてしまったんだよ
おっさん
君は俺みたいなおっさんと遊ぶべきではないよ
おっさん
もっと、女子大生にふさわしい人がいるんじゃないかな
女子大生
えーと、デートって肩書きでするものなのかな?
女子大生
同じような肩書きじゃなきゃ遊びに来ちゃだめなのかな?
おっさん
い、いやそうではないが
おっさん
周りを見るとな、、、ほら、あそこも、あそこも
おっさん
みんな、君と似たような大学生のコがカップルで楽しそうじゃないか
おっさん
俺みたいなおっさんといる奴なんていないぞ
女子大生
あれ?
きみは楽しくないのかな?
きみは楽しくないのかな?
おっさん
いや、楽しかったさ
楽しかったからこそ、、、
楽しかったからこそ、、、
女子大生
楽しかったからこそなに?
おっさん
……また年甲斐もなく遊びに来たくなっちゃうなと
おっさん
いやなんでもない
女子大生
また一緒に遊べばいいでしょ!
女子大生
明日も明後日も毎日!
ずーっと毎日!
ずーっと毎日!
おっさん
そんなわけにもいかないだろ!
君みたいな女子大生のかわいいコが!
君みたいな女子大生のかわいいコが!
女子大生
あら、かわいいコだって
ありがとう
ありがとう
女子大生
ホントにそう思ってる?
かわいいなんて社交辞令じゃないの?
かわいいなんて社交辞令じゃないの?
おっさん
いや、ほ、ほんとに思って
女子大生
じゃあ、私のこと好き?
おっさん
す、、すき、、すきって!
俺はおっさんだぞ、簡単に君みたいな女子大生のコを好きとかそんな
俺はおっさんだぞ、簡単に君みたいな女子大生のコを好きとかそんな
女子大生
じゃあ、嫌いなの?
おっさん
嫌いではないが……
女子大生
嫌いではない?
じゃあ、やっぱりわたしのこと好きなんだよね?
じゃあ、やっぱりわたしのこと好きなんだよね?
女子大生
それでいいじゃない!
私のことが好きならこれからも一緒に遊んでよ!!
私のことが好きならこれからも一緒に遊んでよ!!
女子大生
きみが思うより、私はあなたのことが好きなんだからね!
おっさん
……
おっさん
………………
おっさん
……なぁ、子供も独り立ちしたし
おっさん
もう一度勉強したいってのもすごくわかるんだけども
おっさん
大学に入って一発目にやりたかったことってこれなのか?
女子大生
だって、きみとは一緒に高校を卒業してすぐに結婚しちゃったし
女子大生
子供もすぐにできちゃったし
女子大生
こんなことできなかったじゃない
おっさん
わかるよ、それはわかる
おっさん
けどなんで俺だけおっさん設定なんだよ
女子大生
だって、私は大学に入ったんだから女子大生だよ?
女子大生
きみはただの建設会社の社長でしょ?
ただのおっさんでしょう?
ただのおっさんでしょう?
おっさん
あー、そうかそうだよなぁ、ははは
女子大生
きみもやっとわかったか!うふふ
おっさん
さて、息子の職場も見たし帰ろうか
女子大生
そうね!
二人で笑い合うふたり
そのうしろには真っ赤な夕日と 大きな観覧車
そして、二人の近くには 顔を真っ赤にして下を向き 「俺の職場でなにやってんだ」 「早く帰れ!」 と、つぶやく青年の姿があった