ゴシャリ

　その問いに返事はなく、電話は切れてしまった。

俺は急いで礼央と近くの警察署に連絡した後、その場所へと向かった。

執行者は、今まで見せたことのないような悲しげな表情を見せた。

その部屋の扉を開けた先には、

　頭部から血を流した瑞希先輩が倒れていた。

礼央は、一心不乱に瑞希先輩に心臓マッサージや、人工呼吸を何度も施す。

しかし彼女は、ぴくりとも動かなかった。

礼央はその場で膝をつき、頭を抱えて叫んだ。

地面を何度も殴りつけ、その手からは血が飛び散る。

その時、地面に落ちている一本の髪が目に入る。