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瑞希
○○区の工業地域の中心部。そこにDDDの執行者がいる。
智哉
なっ‥！
ゴシャリ
智哉
今の音はっ‥！
智哉
先輩っ‥！先輩！！
智哉
もしもし！！聞こえてますか！
その問いに返事はなく、電話は切れてしまった。
智哉
○○区の工業地域は‥あそこか！
智哉
くそっ‥！！
俺は急いで礼央と近くの警察署に連絡した後、その場所へと向かった。
瑞希
（頭を‥‥砕かれたのか‥）
瑞希
（視界が暗くなっていく‥‥）
瑞希
（もう私‥‥助からないな）
執行者
‥‥驚いたわ。
執行者
よくこの場所が分かったわね‥
瑞希
はは‥‥洞察力だけは‥優れてるから‥
執行者
ほんと‥‥惜しい人だわ。
執行者
刑事としても、優秀だった‥
執行者
DDDとしても、きっと素晴らしい活躍が出来たでしょうに‥
執行者
ほんと‥‥残念だわ
執行者は、今まで見せたことのないような悲しげな表情を見せた。
瑞希
（あぁ‥‥そんな表情も出来るんだ‥）
瑞希
（この人やっぱり‥‥根っから悪い人じゃ無いんだね‥）
瑞希
（きっと‥どこかで‥‥歪んじゃったの‥‥かな‥‥）
瑞希
（あぁ‥‥寒くなってきたな‥‥）
瑞希
（瞼が重い‥‥視界ももう‥‥濁って‥）
瑞希
（眠い‥‥‥）
瑞希
（眠たい‥‥）
瑞希
（‥‥死にたく‥‥ない）
智哉
ここか‥先輩が言ってた場所は‥
礼央
智哉‥！
智哉
礼央。来たか
礼央
瑞希先輩は！？ここにいるのか！
智哉
あぁ‥多分な‥
智哉
廃棄された施設なのに、人が入った形跡があった。
礼央
くそっ‥！いくぞ智哉‥！
智哉
‥あぁ！
礼央
ここか‥！
智哉
‥‥！
智哉
血の匂いがする‥
礼央
ぐっ‥！先輩‥無事でいてくれ‥！
智哉
匂いがするのは‥この部屋からか
その部屋の扉を開けた先には、
頭部から血を流した瑞希先輩が倒れていた。
礼央
‥！先輩！！
礼央
先輩‥！しっかりして下さい！
礼央
先輩‥‥？
礼央
‥‥‥
礼央
智哉‥先輩が‥‥おかしいんだ‥
礼央
先輩‥‥すごく冷たいんだ‥‥
智哉
‥‥！
礼央
なぁ先輩‥冗談でしょ‥‥
礼央
いつもみたいに‥‥からかってるだけでしょ‥‥？
礼央
返事‥‥して下さいよ‥‥
礼央
‥‥‥‥
礼央
‥‥息‥‥してない‥
礼央
あぁ‥あぁあ！
礼央は、一心不乱に瑞希先輩に心臓マッサージや、人工呼吸を何度も施す。
しかし彼女は、ぴくりとも動かなかった。
礼央
嘘だ‥！先輩っ！瑞希先輩！！
智哉
礼央‥！もうやめろ‥‥
智哉
瑞希先輩はもう‥‥‥
礼央
あっ‥あぁあ‥！！！
礼央
あああああぁあ！！
礼央はその場で膝をつき、頭を抱えて叫んだ。
地面を何度も殴りつけ、その手からは血が飛び散る。
礼央
どうして‥！瑞希先輩が‥‥‥
礼央
殺されないといけないんだ‥‥！！
礼央
執行者‥‥！！
礼央
殺す‥‥絶対殺してやる！！
智哉
礼央‥‥
智哉
‥‥？
その時、地面に落ちている一本の髪が目に入る。
智哉
これは‥‥髪の毛‥
智哉
紫色の長髪‥‥‥
智哉
瑞希先輩‥‥
智哉
貴方が残したもの‥無駄にはしません
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