今日も同じ仕事を繰り返すだけのやりがいのないつまらない人生
だかある日を堺に普段の日常が一変した
その日も変わらず死んだ人間の魂を狩り続けた
別に狩るときも何も思わないし特に面白みもない
もちろんやりがいもなにも感じない
ハッキリ言うとつまらない仕事
これを毎日雨風問わず行わなければならない
この日は大きな病院で魂を狩る仕事がリストに乗っていた
死神
死神
壁をすり抜け部屋に入る
するとそこには中学生ほどの桃色の髪をした少年がベッドの上で眠っていた
死神
顔色も死ぬ直前のような青白く苦しくもがいているような顔色には見えない
本当に狩ってしまってもいいのだろうか
残念なことにリストには人間の顔写真が乗っていないのだ
死神
死神
ザシュ
魂を狩り終え次のリストに移ろうと顔を上げたその時
普段ならもう天に昇っていっているはずの魂がこの場にとどまっていた
ありえない現状に呆然とする死神
魂
突然殺され驚き焦る魂
その瞬間に死神はすべてを悟った
死神
どうやら狩らなければいけない人間は隣の部屋だったようだ
魂
死神
魂の前で正座をさせられている
魂
死神
少し不貞腐れたような口調でぶつぶつと呟いている魂
自分のミスでこうなってしまったため罪悪感で目が合わせられない
正直に言うと肩身が狭い
魂
何をされるか怯え自然と体全体に力が入る
魂
死神
魂
死神
魂
死神
魂
死神
魂
死神
魂
突然の質問攻め
何を企んでるのだろう。怖い
魂
死神
魂
俺が…?魂を…?連れていく…??????
死神
死神
魂
死神
魂
死神
天に昇らない魂は日付が変わるとその場で消滅しこの世にいなかったものとされる
そんなことがあれば俺達、死神の存在は神によって容赦なしに消される
魂
そう言って床に留まるないこ
留まっていたらどうなるか知らないコイツはなにも困ることがない
そこに留まられて困るのは俺だけだ
死神
死神
魂
病室の窓から飛び降り近くの屋根へ着地する
屋根の上を走り屋根から屋根へと飛び移る
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服の隙間から顔を出し風に当たるないこ
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そんなに楽しいことか…?
まぁ…これで満足ならそれでいいけどさ
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それからしばらくたった
仕事は一段落つきないこのいた病室に戻ってきた
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不満そうな声でなかなか戻ろうとしないないこ
そろそろ日付が変わろうとする
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急に黙り込んだないこ
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日付が変わるまで残り数分もない
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そう言って大きく手をふるないこ
俺は軽く手をふり返した
約束通り今日もないこに会いに行く
夜中の11時
今日もまたないこの魂を狩り取る
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外に出られることがそんなに嬉しいか?
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キョトンとした表情で俺を見つめる
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少し口調が暗くなったような気がした
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コツっ!
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ないこの額に指を弾かせた
途端に額に手を当てるないこ
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ニカっとはにかむ笑顔が何よりも輝いて見えた
今日も今日とて魂になったないこを連れ出し仕事に出かける
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ポツリと呟いた
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ある日ないこに会いに病室に入ると
普段とは少し異なったないこがベットに横たわっていた
それはもう顔色は青白く苦しくもがいているような
まさに死ぬ直前の人間のような表情だった
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今にも死にそうな弱々しい声
まさかと思いリスト表をペラペラとめくる
そこには見覚えのある住所に部屋番号そして名前が載っていた
嘘だと思い何度も何度も見返す
だが書かれたことは一文字も変わらずそこに残っている
信じられない事実に前に絶望する死神
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乾いた笑顔が混じったその言葉
諦めかけた希望を失ったようなその目を ないこは俺に向けた
そして死神は覚悟を決めた
死神にはできないことはない
空を飛ぶことだって姿を消すことだって
非現実的なことはもちろんできる
それに加え肩に掛けた大きな釜を使うことで
なんでも狩り取ることもできる
魂だって命だってもちろん病気の原因となるものだって
ザシュ
死神はまた間違えた
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目を大きく見開いて驚くないこの顔
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そう死神は
少年の持病の原因となるものを狩り取ったのだ
少年は驚くほど体が楽になり
今までとは感じたことのない体感だった
だかそれとは裏腹に少年は絶望に満ちていた
なぜならそれは
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死神は微笑んだ
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ボロボロと桃色の瞳から溢れ出す雫が頬をつたる
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手で目を擦りながらコクリとうなずくないこ
真剣な表情だった死神も安心し柔らかい表情になる
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涙と鼻水でぐちゃぐちゃな顔だけど
自分の出せる最大の笑顔で
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生暖かい液体が頬をゆっくりとつたる
死神は光に包まれゆっくりと跡形もなく消えていった
死神の顔は幸せに満ちた表情だった
先生
その言葉と共に弱々しく可愛げのある生徒たちの拍手が身を包んだ
パチパチパチと弾いたような音もだんだんなくなり俺は一言礼を言った
先生
生徒
1人の少年が手を上げながら声をかけてきた
先生
俺が問いかけると少年はためらうことなくこういった
生徒
生徒
生徒
少年の些細な質問に同意する生徒も多かった
先生
生徒
先生
生徒
先生
この瞬間に
ふと記憶が蘇ってきた
『ないこ。体、大丈夫か?』
『そんなことより…!まろ…ッまろ…!』
『ないこ…』
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死神の胸に飛び込み泣きつく俺
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死神は俺の肩をつかみ真剣な表情で俺を見つめた
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俺がまろにできることはこれぐらいしかないから
俺は下手くそな笑顔でこう言った
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クシャッと笑ったまろ
頭には いつも撫でてもらった落ち着く優しい温かい手が乗っていた
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死神の足のつま先からだんだんと光と共に消えている
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その火照った笑顔は
少し辛そうな寂しそうな笑顔に見えた
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消えかけていたまろの体はついに完全に消えてしまった
いつもの静けさに戻った病室
俺は力なく座り込んだ
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まだ…俺の気持ちもちゃんと伝えられてないのに…
ホロホロと生暖かい液体が瞳から溢れ
頬をつたって落ちていった
少年のすすり泣く声とヒタヒタと雫が床に叩きつけられる音が
部屋中に広がっていた
生徒
先生
ハッと意識が戻ってくる
生徒
少女が目の前で頬を膨らませこちらを見上げている
先生
生徒
先生
生徒
目を輝かせてこちらを見上げる生徒たち
先生
生徒
先生
生徒
先生
先生
生徒
生徒
先生
生徒
生徒
先生
先生
生徒
先生
先生
生徒
先生
コメント
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感動作!!!!←(ガチで泣いた涙脆いんです(´;ω;`)) ええ話やァ〜
メリバと言いますか…泣くわ(( 感情がなかったけど長く付き合えば付き合うほどその人のことは大事になってくんやなぁ…