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詳細パラレル設定。 華太は女。 半グレが経営する裏カジノのディーラーをしている。 半グレのボスの愛人の一人。別にボスを好きではない。 理解出来た人からどうぞ。
俺は馬鹿だ。
いつだって肝心な時に、選択を間違える。
南雲梗平
今だってそうだ。
夢を見た結果が、今なのに、それでも、また夢を見てしまう。
南雲梗平
南雲梗平
俺は
小峠華太
掛け声と共に、ウィールにボールを投げ入れた。
ベッドを照らす陽によって、目を覚ます。
隣に目をやると、そこに、一緒に寝ていた筈の男の姿はなかった。
シーツに触れるも温もりはなく、男が居なくなってから、だいぶ時間が経っていることが分かる。
男が居ないからといって、特段どうこうするつもりらない。そもそも、俺は数いる中の愛人の一人。
欲さえ吐き出してしまえば、用済みだ。
別に、それに対し文句を言うつもりはない。恋だの愛だの、煩わしい事には、興味はない。ただ、溜まる欲望を吐き出す先が欲しかった。
そう言った意味では、お互い都合が良かった。俺は二つ返事で、ボスの愛人になる道を選らんだ。
組織の中での俺の肩書きは、ボスの愛人。
構成員の中に、俺に対して、反感を持つものもいるが、一応、ボスの手前、俺を表立って、避難する奴はいない。
ある程度、俺の好きなように出来る事もあって、その点は満足している。
小峠華太
俺はベッドから起き上がり、シャワーを浴びる為に、風呂場に向かう。
風呂場に向かう途中で、俺のスマホがコール音と共に振動する。
構成員
通話
06:04:00
小峠華太
構成員
小峠華太
開口一番に告げられた言葉から滲む、 緊迫感に、緊急事態が起こっている事を悟る。
小峠華太
賭場の存在を、サツに嗅ぎ付けられたか?はたまた・・・
構成員
やっぱりか。天下の天羽組の足元で、あんだけ派手に荒稼ぎしてたのだから、目をつけられて、当然といえば当然だ。
小峠華太
小峠華太
俺は、シャワーを諦め、クローゼットからスーツを取り出した。
賭場に足を踏み入れると、焦げ臭さ、硝煙の匂い、血の生臭さが入り混じった嫌な臭気が鼻をつく。
小峠華太
既に消化はされているが、スロット、カード台のほとんどが、焼け焦げている。
構成員
俺の姿を見つけるなり、連絡を寄越してきた男が、俺を出迎える。
構成員
小峠華太
普段、この男は俺に対し、言葉の端々(はしばし)に嘲(あざけ)りを含ませて、喋るのだが、今日は、異様に謙(へりくだ)ってくる。
構成員
この男以外誰も出迎えに来ない時点で、他の奴らは、もうこの世にいない事は、嫌でも察しがつく。
小峠華太
極道は、シマを荒らされる事を極端に嫌う。本来なら、殲滅(せんめつ)されてもおかしくはない筈だが、何故か、目の前の男は無事だ。その疑問を、男に投げ掛ける。
構成員
男の言葉で、俺がなんで呼ばれたのかようやく合点がいく。
ボスは我が身可愛いさに、ギャンブルを持ちかけたのだと。
ボス
俺の姿をみるとボスは、愛好を崩し、すり寄ってくる。
俺にしか聞こえない程に声を潜め
ボス
何時もと同じ指示を出してくる。
小峠華太
ルーレット台のイスには、銀髪のホストのような出で立ちの男が座っていた。
男以外には、他に人は見当たらず、どうやら、男は単騎(たんき)で乗り込んできたようだ。
見た目の優男ぶりからは、想像つかないが、アジトの惨状(さんじょう)から、男の強さが垣間見(かいまみ)られる。
南雲梗平
小峠華太
ボス
ボス
俺にルーレット回させる時点で、どこが潔いんだか。
南雲梗平
南雲と名乗った男は、二つ返事で了承する。
小峠華太
南雲梗平
小峠華太
小峠華太
ゲーム開始を宣言する。
ボス
小峠華太
南雲梗平
男達は、宣言したベッティングエリアに、額面のかかれたデノミ(カラーチップ)を積む。
小峠華太
ウィール(数字が書かれた回転盤)を回し、ボールを投入する。
ボールが落ちる手前で、締め切りの合図をする。
小峠華太
カランという音共に、ボールは番号の書かれた穴へと落ちる。
小峠華太
構成員
ボス
マーカーで当選番号を印し、外れたチップを回収する。
小峠華太
※オッズ:確率論で確率を示す数字のこと。日本の公営競技において、払戻金の倍率を指す。
南雲梗平
ボス
マーカーを外し、1ゲーム終了となる。
南雲梗平
小峠華太
ゲームが終了するなり、男は俺の瞳を褒めてきた。
ボス
勝負に勝って気を良くしたボスは、自慢気に、俺の瞳について話しだす。
馬鹿か!仮にもお前は、ボスなんだから、男の思惑に気づけ!
この男は、俺の瞳を褒めてんじゃねぇ。俺が作為的に、ボールを落としている事に気づいて、イカサマの手技を褒めてんだ。
イカサマがバレた以上、このギャンブルは俺達の負けだ。
南雲梗平
小峠華太
男はイカサマに気づいたのに、何故か、その事を指摘せずに、第2ゲームを始めようと言ってきた。
男の意図が分からず、困惑する。
ボス
俺は促されるまま再び、ゲーム開始を宣言する。
小峠華太
そういえば、この男は、何故、 このギャンブルを受ける気になったんだろうか?
みた感じ、ギャンブル狂って感じでもなさそうだが
組の命令である以上、俺達を一人残らず、抹殺するように、男には命令が下っている筈だ。
男の実力を持ってすれば、俺達を抹殺する事なんて容易い。
それに、ギャンブルに負ければ、男は大金を失う所か、ケジメを取れなかったとして、組から、それなりの罰を受ける羽目になるだろう。
極道も金作に追われていると聞くが、金が欲しいだけなら、俺達を壊滅させた後に、アジトにある大金をくすねればいい。
リスクを負ってまで、男がギャンブルするメリットなんて、どこにもないはずだ。
何よりも、このギャンブルはイカサマありき。俺がルーレットを回している限り、男が勝つ事はない。
勝てないと分かった上で、ギャンブルを続行するのは何故なのか。
俺の疑問は払拭(ふっしょく)される事はないまま、ゲームだけが進んでいく。
そして、ゲームが最終局面に差し掛かった所で、ついに男が動きを見せる。
南雲梗平
南雲梗平
南雲梗平
俺は馬鹿だ。
南雲梗平
俺は何時だって、肝心な時に選択を間違える。
ボス
夢を見たって、報われた試しはない。
夢を見た代償が今なのに。
ボス
それなのに俺は、また夢を見ようとする。
南雲梗平
男は、俺の服の下に隠されている、殴られた跡に気づいている。
南雲梗平
夢を見る事は、碌でもない事だと分かっていながらも、俺は賭ける事が止められない。
南雲梗平
きっと、それは、俺が持って生まれた、ギャンブラーの性(さが)が、そうさせるのだ。
ボス
小峠華太
俺は掛け声と共に、ウィールにボールを投げ入れる。
文字通り、男が全てを賭けるというのならば、此方も全てを賭けるのが、流儀(りゅうぎ)といものだ。
これは、俺の全てを賭けた、一世一代の大博打。
小峠華太
カラン、カランと音共に穴へとボールが落ちる。
番号なんて見ずとも、何処にボールが落ちたかなんて分かる。
小峠華太
構成員
構成員
ボス
裏切るつもりか、とは、これまた面白い事を聞くもんだ。
俺の事なんて、イカサマの出来る、便利な女くらいにし思ってなかったくせに、その言い方だと、まるで、俺が、お前達の仲間だったみたいな言い方じゃねぇか。
小峠華太
俺はギャンブルで、負け金を清算(せいさん)をするためだけに、ここに居ただけに過ぎない。
小峠華太
まぁ、俺が負け越した分は、当の昔に完済(かんさい)しているがな。それでも、ここに留まり続けたのは、いく当てがなかったからだ。
小峠華太
小峠華太
我が身可愛いさに、仲間を見捨て、見下している、俺に頼るしかなかった、お前達とは、はるかに覚悟も度量も雲泥の差だ。
小峠華太
ギャンブルの醍醐味(だいごみ)は勝つか、負けるか、勝敗が分からないからこそ面白いのだ。最初から、勝利がお膳立てされてるゲームなんて、くそ食らえだ。
小峠華太
それに、俺は生粋(きっすい)のギャンブラー。
小峠華太
そう、俺はギャンブラーらしく、この先の俺の人生をベットしただけ。
例え、その結果が狂だったとしても、俺は全てを受け入れる。
小峠華太
南雲梗平
南雲梗平
小峠華太
小峠華太
南雲梗平
小峠華太
構成員
支払いを迫る俺に激昂(げっこう)し、男は殴りかかってくる
南雲梗平
構成員
しかし、男の拳が俺に届く前に、南雲によって、男の両腕は切断された。
南雲梗平
仲間がやられている隙に逃げようとしていた、ボスの両足も山鎌が捉える。
ボス
南雲梗平
小峠華太
俺は南雲に駆け寄り、助けて貰った、謝礼を述べる。
南雲梗平
南雲梗平
南雲に手を引かれるまま、俺はアジトだった賭場を後にする。
街頭が照らす、闇の中を歩きながら、俺はギャンブル中に考えていた疑問を、南雲に尋ねる。
小峠華太
南雲梗平
小峠華太
南雲梗平
小峠華太
南雲梗平
南雲梗平
小峠華太
小峠華太
南雲梗平
南雲梗平
南雲梗平
どうやら俺の目も曇っていたようだ。
こいつはとんでもねぇ、酔狂(すいきょう)なギャンブラー狂だ。
南雲梗平
南雲梗平
小峠華太
南雲梗平
小峠華太
南雲梗平
小峠華太
南雲梗平
決めあぐねる俺に、南雲はコイントス勝負を持ち掛けてきた。
南雲梗平
南雲梗平
俺に渡されたのは、リンカーン・セントの1セント硬貨。
左の人差し指と親指で輪を作り、親指の爪を人差し指の末節(まっせつ)に当てる。人差し指の末節の上に、1セント硬貨を、裏を下にして、コインを置く。
コインを上空に向け、スピンを掛けて弾く。
落ちてきたコインを、左手の甲で受け止め、コインが見えないように、右手で左手の甲を隠す。
小峠華太
隠していた右手を外す。
南雲梗平
コインは、裏が上に向いていた。
小峠華太
ギャンブルは、時に痛い目も見る事もあるが、俺の世界に光をもたらしてくれる事もある。
これだから、ギャンブルは止められない。
おわり
あとがき 久々に賭け狂い観てたら、ギャンブラーな華太ちゃんを書きたくなった。 話の補足として、コイントスをする際、投げ方にもよるが、トスする前に下に向けていた方が、上を向く確率が高い。 そして、更に面白いのが、表と裏が出る確率は、実は1/2ではない。コインの重さが表と裏で違っている事があり、重たい方が下を向く。作中で出た1セント硬貨は、80%の確率で裏が出る。勿論、華太ちゃんもそれを知っいる。つまり、そういうこと。 全く関係ない話だが、こないだ夢に香月ちゃんが出てきた。 こっから先はモブかづ、とがかづ話になる。 夢の始まりから、やってたが、『入ってません』と書かれた吹き出しで肝心な所は隠されていた。 「その体勢で入ってないは無理やろ。完全に入ってるやつやん」って、ツッコミながら、吹き出しを外すと、香月たんパンツ穿いてた。 うちは冷静に「ずらせば入るしな、というか、男ってばれるやろ」って、成り行き見守るも、何故か全く男は気づいてない。ふと横を向くと、目をハートにした屍が積み上がってた。 「これ死んでの?いや、みた感じ、のされただけのような」って、見聞してると、また吹き出しが表れて『死んでます』って書いてあった。「あの体勢からでは殺せんやろ」と突っ込んでたら、また場面が変わり、真っ裸な戸狩が香月たんの手を掴み「うちのもん、よくも可愛がってくれたな」と凄む。しかし、何故か戸狩のあそこは、既に臨戦態勢。香月たんのお尻を掴み「処女か」と一言。「香月たんは処女ちゃうやろ」って、ツッコミ入れたとこで目が覚めた。 何故、香月ちゃん?何故、戸狩?どうせなら、のだかぶでみたかったわ( TДT)まぁ、その夢を見たのは、鬱アニメ、グロアニメ特集みて寝たからなんだろうけどな。