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教師

一之瀬さん、おはようございます。

一之瀬 理鈴

……おはようございます。

天音 ゆい

おはよ、理鈴。

一之瀬 理鈴

あ、天音さん……。

一之瀬 理鈴

おはよう。

天音 ゆい

ね〜、いつになったらゆいって呼んでくれるの?

天音 ゆい

あーしずっと待ってるんだけどー。

一之瀬 理鈴

ま、まだ慣れてないんだ……。
ごめんね。

一之瀬 理鈴

で、でもどうして?

天音 ゆい

なんでって……

天音 ゆい

あーしら友達っしょ?

天音 ゆい

苗字で呼ばれたら友達って感じしないから嫌なんだよね。

一之瀬 理鈴

……そっか。

一之瀬 理鈴

気をつけるね。

天音 ゆい

ん。

天音 ゆい

じゃ、一緒に教室の前まで行かない?

天音 ゆい

クラス一緒だったらよかったのにね。

一之瀬 理鈴

離れちゃったよね……。

一之瀬 理鈴

クラスが一緒なら、昼休みとかに打ち合わせすることも出来たのに。

天音 ゆい

ん〜、それもそうだけど……

一之瀬 理鈴

……だけど?

天音 ゆい

その方が沢山話せるだろうし、
何より楽しそうだから。

天音 ゆい

クラス一緒の方が、練習ない日とかの放課後に遊びに誘うの楽じゃない?

一之瀬 理鈴

そっか、ありがとう。

一之瀬 理鈴

それじゃあ、今日の放課後どこか遊びに行かない?

一之瀬 理鈴

ちょうど練習もないし、
まだテスト期間じゃないから。

天音 ゆい

ありよりのあり。

天音 ゆい

じゃ、映画とか行かない?

天音 ゆい

最近観たい映画があるんだよね。
理鈴と観てみたい。

一之瀬 理鈴

映画って……駅前にあるあそこで観れる?

天音 ゆい

うん。

一之瀬 理鈴

それじゃあ、映画館の後は駅前でショッピングとかどうかな?

一之瀬 理鈴

ちょうど楽器屋もあるみたい。

一之瀬 理鈴

僕、楽器屋で見たいものがあるんだよね。

天音 ゆい

けってーい。

天音 ゆい

んじゃ、また放課後ね。

ガヤガヤ……ガヤガヤ……

一之瀬 理鈴

(どうしてこんなに騒がしいんだろう……?)

一之瀬 理鈴

(いつもは賑やかだけど、今日は賑やかというより騒がしい……。)

生徒

あ、理鈴ちゃん! おはよう!

一之瀬 理鈴

えっと……あ、おはよう。

一之瀬 理鈴

どうしてこんなに騒がし……賑やかなの?

生徒

見てみればわかるよ! 凄いから!

生徒

ほら、あっち見てみて!

そうして生徒が指さしたのは中庭。 理鈴が中庭を覗き込むと、そこには1人の男性が居た。 ネクタイとシューズの色から、理鈴達の1つ上の学年──2年生であるということが分かった。

その顔に、理鈴は見覚えがあった。 ……いや、バンド活動をしている時にたくさん見てきた。

生徒

あの人、確か神田先輩だよね!
ギター持ってるし!

一之瀬 理鈴

あ……う、うん。

生徒

そういえば、文化祭でギター演奏して話題になったみたいだよ?

生徒

ギター演奏できる人ってかっこいいよね〜!

一之瀬 理鈴

(僕もギターはできる。)

一之瀬 理鈴

(……なんて、先輩と張り合ったってどうしようもないのに。)

生徒

あれ、理鈴もバンドでギター弾いてるよね?

生徒

え、本当なの理鈴ちゃん!?

生徒

理鈴ちゃんも、神田先輩みたくかっこよく弾いたりするの〜!?

一之瀬 理鈴

え……あ、うん。

一之瀬 理鈴

ギターは弾いてるよ。
流石に先輩には劣るだろうけど……。

生徒

すごーい!

生徒

今度文化祭あるしさ、理鈴ちゃんも体育館でライブしてみたらどう?

生徒

私気になるなぁ!

一之瀬 理鈴

え……

一之瀬 理鈴

(でも……そんなことしたら……)

「どうしてあの子だけ」

「ずるい」

「あの子が憎たらしい」

「許せない」

ズキッ……

理鈴の頭に痛みが走る。 思い出したくないことを思い出しているのを、体が拒んでいるのだろう。

生徒

理鈴、なんか様子おかしくない?

生徒

ほ、本当だ……
理鈴ちゃん、大丈夫?

一之瀬 理鈴

う……

生徒

これ、保健室行った方がいいんじゃないかな……?

生徒

ついて行こうか?

一之瀬 理鈴

だい、じょうぶ……。

一之瀬 理鈴

1人で……行けるから……。

一之瀬 理鈴

(体の具合よりも何よりも……
今は1人になりたい。)

生徒

え、でも──

生徒

……分かった。気を付けなよ。

一之瀬 理鈴

うん……。
あり、がとう……。

いつの間にか、中庭でギターを弾いていたはずの神田 章介は居なくなっていた。

一之瀬 理鈴

うっ……。

一之瀬 理鈴

すぅ……はぁ……。

一之瀬 理鈴

(……少しはマシになったかも。)

理鈴は壁にもたれかかり、深呼吸を数回繰り返した。 すると、頭痛は案外早く収まった。

一之瀬 理鈴

文化祭で出たら……、
絶対……また言われる……。

一之瀬 理鈴

……。

一之瀬 理鈴

……?

一之瀬 理鈴

(屋上……開いてる?)

一之瀬 理鈴

(いつもは閉まってるはず──)

一之瀬 理鈴

出て、みようかな……?

理鈴は好奇心から、屋上へと続く扉に手を伸ばした。

キィィ……

天音 ゆい

……?

天音 ゆい

理鈴? どうしたの?

天音 ゆい

……ってか、顔色悪くね? 何かあった?

一之瀬 理鈴

ちょっと、嫌なことを思い出して……。

一之瀬 理鈴

天音さんは……

天音 ゆい

ん、あーし? あーしはサボり。

天音 ゆい

授業めんどいし眠いから。

天音 ゆい

昨日徹夜したからさ。

一之瀬 理鈴

あ……そうだったんだ……。

一之瀬 理鈴

もしかして、昼休みに教室に行ってもいなかったのは、ずっとここに居たから……?

天音 ゆい

そ。あーしのお気に入りの場所。

天音 ゆい

……悪くないっしょ?

一之瀬 理鈴

うん、そうだね。

一之瀬 理鈴

(こんなに高いところ、あんまり来ることないから新鮮だなぁ。)

プルルルルル…… プルルルルル……

一之瀬 理鈴

……電話?

天音 ゆい

どーせ芦愛からっしょ。

天音 ゆい

……ほら。

ゆいが理鈴にスマホの画面を見せる。 そこには、“天月 芦愛”と書いてあった。

一之瀬 理鈴

本当だ……。

天音 ゆい

……もしもーし。

天月 芦愛

『あ、もしもしゆいちゃん?』

天月 芦愛

『今は何してるの?』

天音 ゆい

いつも通りだけど。

天月 芦愛

『……やっぱり!』

天月 芦愛

『息抜きなら別に止めないけど、たまには授業に出た方がいいよ。』

天音 ゆい

ん〜。

一之瀬 理鈴

(天月さん……どうしたんだろう?)

天音 ゆい

で、いつものお説教?

天月 芦愛

『いや、今日は伝えたいことがあって。』

天月 芦愛

『理鈴ちゃんのスマホに電話しようと思ったんだけど、電話がかからなくて……。』

天月 芦愛

『だからゆいちゃん、ごめんだけど理鈴ちゃんに伝えてくれる?』

天音 ゆい

……なら丁度いいじゃん。
理鈴、今ここに居るし。

天月 芦愛

『えっ……』

天月 芦愛

『まさか理鈴ちゃんも巻き込んでサボり!?』

天音 ゆい

違うし。理鈴はなんか来ただけ。

天音 ゆい

……てか、スピーカーにするわ。
その方が分かりやすいっしょ。

天月 芦愛

『はーい。』

一之瀬 理鈴

もしもし……天月さん?

天月 芦愛

『はーいもしもし! 聞こえてるかな?』

一之瀬 理鈴

……うん。聞こえてるよ。

一之瀬 理鈴

それで、どうしたの?

天月 芦愛

『実は──』

天月 芦愛

『ステラフェスのルーキーステージに出演しないかってオファーが来たんだ。』

一之瀬 理鈴

ステラフェス……?

【参加型】Stellar Symphony〜sky-high編〜

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投稿頻度高いかも.....うわ、へっ、うわぉ...(語彙力低下)

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