カルラ
お兄様。今日もたくさん殺されたのですか?

ガリオン
・・・

カルラ
そのままではお兄様は壊れてしまいます。どうか・・・

ガリオン
うるさいっお前も殺されたいのか!?

カルラ
お兄様・・・

カルラ
もう夜も更けますね。
失礼いたします。
本日はゆっくりお休みくださいませ。

ガリオン
・・・

ガリオン
うるさい・・・

ガリオン
うるさいっ!!

ガリオン
うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!!!

家族だって王の座を狙い私を殺そうとするのではないか
ガリオン
殺してしまう・・・

ガリオン
眠らなくては

ガリオン
明日も仕事があるんだ

カルラ
おはようございます。お兄様

ガリオン
・・・

カルラ
本日の仕事は、~~で、午後から・・・

ガリオン
・・・

カルラ
聞いてらっしゃいますか?

ガリオン
ああ。

カルラ
そう、ですか。

カルラ
・・・昨日も、眠れなかったのですか?

ガリオン
・・・

カルラ
無理なさらないで下さいね

ガリオン
・・・

カルラ
それではわたくしは政務に参りますので、お加減が悪いようでしたら大臣にお伝えください

カルラ
お願いしますね

大臣A
畏まりました。

カルラ
それでは失礼いたします

ガリオン
・・・

大臣A
王様、大丈夫ですか?

ガリオン
平気だ。問題ない。

ガリオン
私も政務に向かう

大臣A
はい。

大臣A
まずは○△町の視察からです。

ガリオン
わかってる。行くぞ

ガリオン
・・・

ガリオン
賑わっているようで結構

○△町長
も、もったいないお言葉!!

○△町長
あ、ああ、ありがとうございます!

ガリオン
・・・

○△町長
ガリオン王・・様・・・?

ガリオン
貴様、今、なぜ言いよどんだ!??

○△町長
へっ!?

ガリオン
さては隠し事があるな!??!

○△町長
そ、そんな!滅相もございません!

ガリオン
うるさい!問答無用だ!!

町人A
さすがにひどかねぇか・・・?

ガリオン
お前!

町人A
え?

ガリオン
聞こえたぞ!

ガリオン
あやしい!あやしいぞ!

ガリオン
捕らえろ!!

町娘A
お待ちください!

ガリオン
なんだ貴様は!?

町娘A
町人Aはっ、この人は、その!少し口が悪いだけで!その、お許しください!

ガリオン
・・・

ガリオン
わかった

町娘A
っ!あ、ありがとうござ

ガリオン
こやつも捕らえろ!!

町娘A
っっ!!そんな!!

ガリオン
それから、おまえも、おまえも!そこの貴様も!

ガリオン
あやしい!

ガリオン
連れていけ!!

町人A

町人A
おっ、お願いします!

町人A
町娘Aは悪くない!!

町人A
お許しを!!

ガリオン
お前・・・

ガリオン

ガリオン
死刑だ

町人A
っ!!

ガリオン
連れていけ!!

大臣A
・・・王様

大臣A
さすがに無いんじゃないですか?

ガリオン
・・・なに?

大臣A
ガリオン王様!さすがに酷いですよ!

大臣A
目をお覚ましください!

ガリオン
貴様・・・

ガリオン
死刑だ

大臣A
!?

ガリオン
貴様も死刑だと言っている!!

大臣A

大臣A
っ、畏まり・・・ました・・・

ガリオン
帰る

大臣A
・・・

カルラ
今日もたくさん殺されたのですか。

ガリオン
うるさい

カルラ
大臣まで・・・

ガリオン
うるさい

カルラ
わたくしのせいです

ガリオン
・・・

ガリオン
は?

カルラ
わたくしのせいで、お兄様は

ガリオン
な、なにを、言ってるんだ

カルラ
お兄様が周囲に恐怖心をお抱きになられたのは、わたくしのせいです、と申しております

ガリオン
そんな、お前のせいなどではない!

カルラ
ですが、

ガリオン
すべて、私のせいだ!

カルラ
・・・

カルラ
明日は死者が少ないことを祈っております

カルラ
お休みなさいませ

ガリオン
・・・

カルラ
今日のお仕事は・・・

ガリオン

カルラ
・・・

カルラ
それでは、わたくしは政務に参りますのでお加減が悪いようでしたら大臣に・・・

カルラ
頼みますね

大臣B
はいっ!

カルラ
それでは、失礼いたします

ガリオン
我らも、行くぞ

大臣B
畏まりましたっ!

ガリオン
・・・

カルラ
本日は昨日より多くの人を

ガリオン
殺した

ガリオン
私が殺した

ガリオン
なにか文句でもあるのか

カルラ
いいえ

カルラ
・・・それでは、本日はもう、お休みなさいませ

カルラ
っ、そうでした

カルラ
次の大臣、お決めになるのをお忘れなく

ガリオン
・・・

ガリオン
わかっている

カルラ
それでは

カルラ
おはようございます、お兄様

ガリオン
・・・

カルラ
本日はお仕事はありません。

カルラ
いえ、民がいないので、今後一切仕事はありません

ガリオン
・・・

カルラ
ですが、このままではわたくしたちは飢えて死んでしまいます

カルラ
ですので、わたくしは農作業に参ります

カルラ
それでは、お兄様

ガリオン
・・・

カルラ
お加減が悪いようでしたら大臣に・・・

ガリオン
大臣はもういない

カルラ
・・・

カルラ
失言でした

ガリオン
・・・

カルラ
失礼いたします

ガリオン
・・・

ガリオン
今日にしよう

ガリオン
今日は私が料理をすると料理長へ伝えねば

ガリオン
・・・!

ガリオン
もう、いないんだった

ガリオン
・・・

ガリオン
もう、殺したんだった

ガリオン
・・・

ガリオン
カルラ

カルラ
はい、お兄様

ガリオン
今日は農作業、ありがとう。

カルラ
っ!いえ、お兄様のためですから・・・!

ガリオン
今日は私が料理をした

ガリオン
食べて、くれるか?

カルラ
はい!もちろんです!

ガリオン

ガリオン
さあ、食べてくれ

カルラ
まあ、美味しいです!お兄様!

ガリオン
よかった!どんどん食べてくれ!

カルラ
はいっ!

カルラ
・・・?

カルラ
あら?

カルラ
なんだか・・・眠く・・・

カルラ
・・・

ガリオン
・・・!

ガリオン
ははっ

ガリオン
ははは

ガリオン
ははははははははははははははははははははは!!!!!

ガリオン
カルラ、ベッドに行こうな

カルラ
・・・

ガリオン
・・・やっぱりカルラを殺すのは

ガリオン
身を清めてからだな

ガリオン
風呂に入ろう

ガリオン
それからお神酒を飲んで

ガリオン
この包丁でひとつき。

ガリオン
ははっ

ガリオン
はははははは!

ガリオン
さて・・・

ガリオン
今までありがとうなカルラ

カルラ
・・・スヤスヤ

ガリオン
さあ、家族のもとへ行け

ガリオン
私なんか忘れてあの世へ行け

ガリオン
私は・・・
お前を、愛していたぞ

カルラ
お兄様

ガリオン
!?

カルラ
わたくしはお兄様を忘れる気などありませんよ

カルラ
わたくしもお兄様の事を、愛しておりますから

ガリオン
!!

カルラ
わたくしはお兄様の為なら何でも致します。

カルラ
何でもです

カルラ
もちろん、お兄様のためになら死ねます

カルラ
ですが、お兄様を忘れる。それだけは出来ません。

ガリオン
なぜ、

ガリオン
なぜだ。

ガリオン
こんな、こんな兄を

ガリオン
どうして、

カルラ
そんなの、決まってるではないですか

カルラ(幼少)
お兄様ー

ガリオン
どうした?カルラ

カルラ(幼少)
お花のお稽古、つまんないよー!

ガリオン
駄目じゃないかカルラ

カルラ(幼少)
あうー、だってー!

ガリオン
カルラ、どうしてお稽古しなくちゃいけないと思う?

カルラ(幼少)

カルラ(幼少)
おとなになるため?

ガリオン
そうだね、たしかにそれもそうだ

ガリオン
他には?

カルラ(幼少)
うーん、お兄様の妹としてすてきなおひめさまになるため??

ガリオン
そうだね!お稽古はお姫様に必要なことだ!

カルラ(幼少)
ううう、でも、つまんないよー!

ガリオン
うーん、それじゃあカルラ、

カルラ(幼少)
なーに?

ガリオン
カルラが大きくなって、素敵なお姫様になれたら

ガリオン
私のお嫁さんにしてあげよう

カルラ(幼少)
!!

カルラ(幼少)
ほんと!!?

ガリオン
大臣はいつも駄目っていうけど、カルラが素敵なお姫様になれればきっと結婚できるよ

カルラ(幼少)
やったぁ!お稽古頑張る!!

カルラ(3年前)
お兄様

ガリオン
・・・

ガリオン
くそっ・・・

ガリオン
父上・・・

カルラ(3年前)
まさか、隣国が裏切るなんて

ガリオン
・・・明日から、私が王・・・だよな

カルラ(3年前)
・・・はい

ガリオン
私は、うまくやらなくては

カルラ(3年前)
そんなに気負わないでください!お兄様!

ガリオン
ありがとうな、カルラ

ガリオン
だけど私は

ガリオン
この国を、父上のこの国を!

ガリオン
守って、強くしていかねばならない!

カルラ(3年前)
・・・はい!

カルラ(3年前)
わたくしにも手伝わせてください!

ガリオン
ありがとうカルラ

ガリオン
共に、行こう

カルラ(3年前)
はいっ!

ガリオン
なあ、カルラ、覚えてるか?

カルラ(3年前)
・・・??

ガリオン
お前が素敵なお姫様になれたら

ガリオン
私のお嫁さんにしてやるって約束

カルラ(3年前)
まあ、お兄様・・・

カルラ(3年前)
まだ覚えてらっしゃったんですか?

ガリオン
当たり前だろう?

ガリオン
愛する妹との約束なんだから

ガリオン
ただ

カルラ(3年前)
・・・

ガリオン
果たせそうにない。

ガリオン
悪いな

カルラ(3年前)
いいんです

カルラ(3年前)
わたくしはお兄様にではありませんが、

カルラ(3年前)
隣の隣の国に嫁がせていただける

カルラ(3年前)
それだけでも十分幸せです

ガリオン
そうか、

ガリオン
悪いな

カルラ(3年前)
謝るなんて、よしてくださいまし

カルラ(3年前)
婚約したのは父上です

カルラ(3年前)
お兄様が謝る必要はありません

ガリオン
そうか

ガリオン
・・・ありがとう

ガリオン
今日は寝よう

カルラ(3年前)
そうですね

カルラ(3年前)
お休みなさいませ

ガリオン
なにっ!?隣の隣の国の王子が密書を!?

密書には、隣の隣の国の王と、父上が結んだ真の約束が書かれていた
隣の隣の国の王は、カルラを王子の夜の接待のために買った
だが、それを知った王子が、カルラを不憫に思い密書を届けてくれたようだ
ガリオン
許せない・・・

大臣A
いかがいたしましょう!??

ガリオン
今すぐカルラのところへ行く!

ガリオン
カルラを取り戻す!!

カルラ(3年前)
お兄様っ

カルラ(3年前)
まさか婚約でなくあんな約束が結ばれていたなんて!

ガリオン
すまないカルラ!

カルラ(3年前)
驚きましたが、駆けつけてくださって、ありがとうございました。

ガリオン
そなたが無事で良かった

カルラ(3年前)
お兄様・・・!

ガリオン
約束も守れず、そなたを幸せにすることすらできない

ガリオン
そんな私だけど!

ガリオン
これからちゃんと国を良くして、カルラの事も幸せにする!

ガリオン
だからどうか、愚かなこの兄を許してくれ

カルラ(3年前)
・・・!!

カルラ(3年前)
もちろんです!

カルラ(3年前)
むしろ感謝したりないくらいです!

カルラ(3年前)
ありがとうございます!お兄様!

カルラ
あの日あの時

カルラ
お兄様がわたくしに向けてくださる愛に

カルラ
わたくしも全身全霊で報いようと心に誓ったのです!それが・・・

カルラ(半年前)
お兄様、

ガリオン
もう、他国は信じられない。

ガリオン
自国でなんとかしなくては!

カルラ(半年前)
そんな、お兄様!?

カルラ(半年前)
確かに隣国も隣の隣の国も信じられませんが

カルラ(半年前)
隣の隣の国の王子が王になれば

カルラ(半年前)
きっと大丈夫だと思いますよ?

ガリオン
いいや駄目だ!

カルラ(半年前)
どうしてです!?

ガリオン
父は隣国に騙され、私は隣の隣の国と父に騙された

ガリオン
もう、他国なぞ、信じられぬ!

カルラ(半年前)
そんな!

カルラ(半年前)
ですが、我が国には海がありません!

カルラ(半年前)
他国との交流を絶てば、国が!

ガリオン
国が滅亡するよりはいいだろう!?

ガリオン
父の守ってきた国だとか、そんなことはもうどうでもいい

ガリオン
父なぞ、我らを騙した大悪党だ!

ガリオン
だが、国は滅ぼしてはならない!

カルラ(半年前)
お兄様・・・

ガリオン
今日は休む

カルラ(半年前)
・・・お休み、なさいませ

カルラ
お兄様はわたくしの婚約なんて話が破談になったせいでどんどん変わっていってしまった

カルラ
それでもわたくしはお兄様に報いるため、

カルラ
お兄様が民を殺しても

カルラ
わたくしはいいのです。

カルラ
お兄様がそこにいれば、

カルラ
それでいいのです

ガリオン
・・・

カルラ
だからわたくしは、お兄様を忘れることなどできません

カルラ
その愛に報いるために

ガリオン
・・・歪んでいる

ガリオン
その愛は、歪んでいる

カルラ
お兄様が言えたことですか?

ガリオン
はは・・・そうだな

ガリオン
いつのまにか愛する人を殺すことに

ガリオン
快感が生まれているなんて

カルラ
歪んでいます。ふふっ

ガリオン
ははっ

カルラ
ふふふふふふふ

ガリオン
ははははははははは

カルラ
ふーっ

ガリオン
さて

カルラ
はい

ガリオン
私の事を忘れるな。そのまま、逝け

カルラ
はいっ!

ガリオン
愛している

カルラ
わたくしも、です!

カルラ
さようなら

ガリオン
私が。

ガリオン
殺した!

ガリオン
なんて、なんて!!

ガリオン
綺麗なんだ!

ガリオン
カルラ!

ガリオン
愛している!

ガリオン
ははは

ガリオン
はははははははははははははははははははははははは!!!

そんな王と、ある青年が出会い、
ボロボロの国を復興していくのは