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七夕未満な恋物語

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七夕未満な恋物語

7 - 第7話 普通の双子の在り方とは

♥

28

2024年12月01日

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織姫 琴

松彦 星

お母さん

あら、2人ともおはよう

お母さん

しっかり起きれたのね

お母さん

お父さんは…まだ寝てる?

松彦 星

あー…多分

お母さん

ちょっと!!!!
パパ!!!?
会社遅刻するわよ!!!

お父さん

………。

お母さん

全くもう!!
起こしてくるから、朝ごはん食べてなさい

織姫 琴

はーい

松彦 星

はい

お母さん

くぉらパパァ!!!!

バタバタバタバタッ

お母さんはものすごい剣幕で 階段を駆け上がって行った。

織姫 琴

お父さんって、いつもこうだったの?

松彦 星

いや、多分母さんに起こしてほしくて
わざとやってる

織姫 琴

あ…そう💧

松彦 星

父さんもいい歳して何やってんだか…

織姫 琴

星(せい)はあんな大人にならないでね

松彦 星

なるか

松彦 星

お前こそ、ガミガミ母ちゃんになるなよ?
って言いたいけど想像つかねーな

織姫 琴

朝からそんな体力ないもん。
起きなければ自己責任

松彦 星

おー、こわ
俺ガミガミ言ってくれる母さんで良かったな

織姫 琴

子供には別だよ
旦那さんは知らないってだけ

松彦 星

鬼嫁予備軍め

織姫 琴

駄目亭主候補生

松彦 星

誰が駄目亭主だコラ

あの屋上の1件が あってからというもの、 星と私の会話はめっきり減った。

…訳ではなく、 いたって変わらなかった。

会話をしなかったのは あの1件の日だけで、 次の日から星は 普通に話しかけてきた。

お父さん

イテテテ…
あ、2人ともおはよう

お母さん

ほら、ちゃっちゃと食べなさい

織姫 琴

あれ、お父さん顔どうしたの?

お父さん

いや〜お母さんにビンタされちゃって

松彦 星

すっげぇ…紅葉みてえ

お母さん

あ、朝から意味のわからないワガママ言ってくるからでしょ!

織姫 琴

(お父さん…何要求したんだろう)

松彦 星

ふうっ、ご馳走さま

お父さん

星!
もう食べ終わったのか
寂しいな

お母さん

あ、食器そこに置いといていいわよ

松彦 星

え…俺洗わなくていいの?

お母さん

あぁ、今日は私も忙しくないからいいわよ

松彦 星

か、母さん…
俺、母さんが帰ってきてくれてほんと良かった…

お母さん

もう!星ったら大げさね!

織姫 琴

ご馳走さまでした

お父さん

琴まで食べ終わったのか

織姫 琴

お父さん起きてくるの遅いからだよ

お母さん

ほんっと

お母さん

あ、琴もそこ置いといていいわよ

織姫 琴

ううん、私洗っちゃうね

お父さん

琴はいい子に育ったね

お母さん

ほんとよ

松彦 星

んじゃー、
俺先に学校行ってくる

お父さん

一緒に行かないのか?

お母さん

そうよ、折角同じ学校なのに

織姫 琴

いいんだよ。
いってらっしゃい、星

お母さん

だめよー!
双子水入らずで行ってきなさいよー!

お父さん

そうだ、皿洗いはパパがやっておくから

お母さん

ほらほら、琴も行ってきなさい!

織姫 琴

あ、う、うん
わかった

織姫 琴

じゃあ、行ってきます

松彦 星

行ってきます

お父さん

いってらっしゃい

お母さん

気をつけてね〜

織姫 琴

……。

松彦 星

……。

松彦 星

もう道、覚えたか?

織姫 琴

流石にもう一ヶ月も経ったから

織姫 琴

覚えたよ

松彦 星

わかった、
俺友達と約束あるから先行くな

織姫 琴

うん、わかった

織姫 琴

私も、
多分大将いるから

松彦 星

多分って…
なんかストーカーじみてきたなアイツ

松彦 星

付き合ってんのか?

織姫 琴

よくわからない

織姫 琴

お互い何も言ってないから

松彦 星

変なことされたらすぐ言えよ!!

織姫 琴

わかった…!

織姫 琴

通報するね!

松彦 星

おう!

松彦 星

じゃあ、行ってくる

織姫 琴

うん、じゃあね

パタンッ…

織姫 琴

(最近、背中見ることが多くなったな…)

織姫 琴

(前までは、横顔だったのに)

家では、全く以前と変わらない 星(せい)だけど、

人目のつく所では 距離を取るようになった。

以前の私たちなら、 当然学校に 一緒に行っていただろうし、

学校でも普通に 休み時間に会っていた。 お昼も一緒に とっていたかもしれない。

きっと、屋上での私の発言を受けて 気を遣ってくれているのだと思う。

織姫 琴

(でも、それが世間一般の双子の在り方なんだよね…)

双子の在り方も、関わり方も 全てが小学生で止まっていたのは、私の方だった。

大人になれだのなんだの 星には言ってたくせに、 結局星に離れて貰うまで そんなことにも気がつかなかった。

織姫 琴

(少しずつ、大人になってるのかな)

織姫 琴

(星への感情も、ほんとは恋なんかじゃなくて…)

織姫 琴

(ただの拗らせたブラコンだったのかな…)

白鳥 大将(おおしょう)

よー!琴!
おはよう!

織姫 琴

わ!!!

織姫 琴

あ、大将か…
びっくりしたぁ〜…

織姫 琴

おはよう

白鳥 大将(おおしょう)

どうした?下向いて歩いて

織姫 琴

実は悩みがあって…

白鳥 大将(おおしょう)

おぉ!なんだ!
どうした!?

織姫 琴

どうして…
どの時間に家出ても…

織姫 琴

大将と鉢合わせするんだろうって

白鳥 大将(おおしょう)

え?そうだっけか

織姫 琴

それで、星に言われたの、妙に納得したんだけど

白鳥 大将(おおしょう)

ん?

織姫 琴

これがストーカーなのかって

白鳥 大将(おおしょう)

ふざけんな!!
ちげーよ!!
たまたまだ!!

織姫 琴

たまたま?ほんとに?

白鳥 大将(おおしょう)

ああ、ほんとだ
8割は

織姫 琴

2割は何?

白鳥 大将(おおしょう)

まあ、ちょっと…
調整はしてる。歩く速度とか

織姫 琴

ぜ、絶妙…

織姫 琴

織姫 琴

気持ち悪い…

白鳥 大将(おおしょう)

悪かったな!!

織姫 琴

さ、行こう、
ストーカー大将

白鳥 大将(おおしょう)

微笑みながら言うよな…
そういうこと

水瓶 澄美(すみ)

おっ!琴に白鳥おはよう!

森 ゆうま

はよー!白鳥!織姫!

白鳥 大将(おおしょう)

よー、はよー

織姫 琴

おはよう!

森 ゆうま

今日も2人一緒かよ

水瓶 澄美(すみ)

また白鳥が待ち伏せしてたんだろ

白鳥 大将(おおしょう)

え?
俺ストーカーキャラになってねえか?

男子生徒B

ドンマイ、白鳥…

男子生徒B

犯罪だけは犯すなよ…

白鳥 大将(おおしょう)

するかぼけ!!

女子生徒B

すーみっ
おっはよー♡

水瓶 澄美(すみ)

…おはよ

女子生徒B

アンタらもついでにおっはよ!

白鳥 大将(おおしょう)

森 ゆうま

おっす!

男子生徒B

おはよ〜

女子生徒B

琴ちゃん!おはよう!

織姫 琴

お、おはよう…

一瞬彼女が、私を横目で見た。 周りに気づかれない程度に。

笑顔とは、ほど遠い目が怖い。

織姫 琴

(やっぱり、嫌われてる……?
どっちなんだろ…)

あの屋上の1件後、 学校である噂が広まった。

それは、「私と星がデキている」 というものだった。

噂には尾ヒレが着きまくり 「身体の関係がある」だの 「実は血が繋がってない」だの 好き勝手に廻ったらしい。

誰が広めたのかは一目瞭然

女子生徒A

うっわ最悪
風で前髪崩れたんだけど

女子生徒A

すみーアイロン貸して

水瓶 澄美(すみ)

…持ってない

女子生徒B

あ、私貸すー

あの2人だ。

でも、 星が距離を取ってくれたお陰と、 大将が私の近くに居てくれたお陰で 噂はすぐに風化した。

学生は忙しい。 そんな噂をしている間もなく

白鳥 大将(おおしょう)

やべ…そういや
そろそろだな

水瓶 澄美(すみ)

あー、中間試験?

織姫 琴

あ…私どうしよう
結構まずいかも

白鳥 大将(おおしょう)

そっか、転校してきたもんな

水瓶 澄美(すみ)

アタシで良ければ教えるよ?

織姫 琴

え、でも…すみちゃん陸上部あるでしょ?
忙しくない?

水瓶 澄美(すみ)

大丈夫!
そろそろ、テスト期間入るから

白鳥 大将(おおしょう)

俺も教えて

水瓶 澄美(すみ)

アンタ、運動以外ダメダメだからね…

白鳥 大将(おおしょう)

お前だって運動音痴だろ

森 ゆうま

ぅええぇ!?
そ、そうだったのか!?

水瓶 澄美(すみ)

またあれだろ!?見た目だろ!?
見た目で判断すんなよな!!

男子生徒B

意外すぎる…

織姫 琴

すみちゃんは、昔から頭良かったもんね

水瓶 澄美(すみ)

琴…
フォローになってない…

白鳥 大将(おおしょう)

ちなみに星も頭いいぞ
だいたい学年10位には入ってる

水瓶 澄美(すみ)

悔しい…
今回こそは越えてやる

織姫 琴

え!星、学年1位じゃないの?

織姫 琴

じゃあ、学年1位は誰?

水瓶 澄美(すみ)

アイツ

女子生徒A

あー、まじ学校ダルいんですけど

目線の先にいたのは、 予想外の人物だった。

白鳥 大将(おおしょう)

意外だよな
あんな奴が星より頭良いんだぜ?

織姫 琴

(そうだねって
言いたいけど…
聴こえたら怖い…)

男子生徒B

なーなー!俺の順位知りたい?

白鳥 大将(おおしょう)

だまれ圏外

男子生徒B

白鳥ひどい!!

水瓶 澄美(すみ)

まー、とにかく
明日から勉強会やろ

織姫 琴

ありがとう

白鳥 大将(おおしょう)

お邪魔します

森 ゆうま

じゃあ俺も!

男子生徒B

俺はフィーリングでやるからパス

森 ゆうま

はあ?お前まじかよ…
あ!松彦誘お!

女子生徒B

え、なになにー?勉強会?

女子生徒B

すみいっつも私とやってたじゃん!

水瓶 澄美(すみ)

なに?来たいの?

女子生徒B

当たり前じゃん!

水瓶 澄美(すみ)

………。

織姫 琴

い、一緒にやろう?
すみちゃん

水瓶 澄美(すみ)

え…?琴、いいの?

織姫 琴

うん

織姫 琴

(変な空気にしたくないし…)

水瓶 澄美(すみ)

(琴…。アンタ、相変わらず優しすぎるよ)

女子生徒B

(お前に聞いてねーよ織姫琴!!!💢)

森 ゆうま

(松彦にメッセージっと…
アイツ来るかな?)

白鳥 大将(おおしょう)

(隙見て琴と二人っきりになれねーかな〜)

かくして、 それぞれの思惑を抱えた 勉強会が始まった。

森 ゆうま

なー、勉強会やらね?

松彦 星

珍しいな

松彦 星

いいよ

森 ゆうま

あざー

森 ゆうま

明日の放課後、俺の教室来て

松彦 星

了解

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