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僕と君の365日

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僕と君の365日

3 - 窓際に輝く(3)

♥

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2024年10月25日

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_____無彩病。

それは、10年前から流行りだした 原因不明の病。

初めはある一色から色を認識できなくなって

やがて全てがモノクロになる

そして一年ほどで死に至る

原因も不明で発症理由も分からず、

発症率は十万人に一人と言われている

かかる可能性はほとんどないが、

避けられない死という脅威は、

人々を恐怖に陥れるに十分だった。

政府はこの状況を重く受け止め、

実態を把握するために、 5年前から学校や会社で

年に一度色彩感知テストを実施している

それで以上が見つかったものには

無彩病患者でも最後まで見ることができるふたつの色、

白と黒のうち、黒を使った封筒を 送り通知する

これが『黒の手紙』。

_____別名、『死の手紙』だ。

そんな手紙を握りしめながら

玄関の前で呆然と 立ち尽くしてしまう

👑

そんな、うそやろ…

額に汗が浮かぶ

震える手で封を切ると、 1枚の手紙が出てきた

そこには簡潔な文と 総合病院の名前が書いてある

『色彩テストにて気になる点がございましたので、該当の病院にて 診察を願います。』

ぽつりと口に出して呼んだ瞬間

???

にいに、どーしたの?

声のする方を向くと、 5歳の妹ことねと母親がたっていた

ちょうど幼稚園から帰ってきたのだろう

母親

ほんとにどうしちゃったのよ…

母親

そんなとこに突っ立って…

怪訝な表情でチラシを拾う母と

幼い妹を見て 現実に引き戻された。

慌てて背中に封筒を隠す

母親

何かあったの?

👑

ちょっと風邪気味で…

母親

やだ、大丈夫?

👑

大丈夫、大丈夫

👑

でも念の為病院に行ってくるよ

母親

ほんとうに大丈夫?

👑

うん、ちょっと行ってくる

笑いながら手を振って家を出る

来た道を戻る

手には黒い封筒を握りしめ…

30分ほどすると、有栖総合病院が見える

全力で足を動かした。

走って、走って、自動ドアにぶつくりそうになる

👑

はぁ、、、はあ、、、

乱れた息を整えながら受付に向かう

黒い封筒を差し出せば、

少々お待ちください

と待合席に待たされた

👑

(嘘だよね…?)

いつの間にか時間はたっていて、 自分を呼ぶ声に体が跳ね上がる

看護師

東雲 みことさん、診察室1番へお入りください

👑

ふぅ…(トコトコトコ

医者

初めまして

低い声で話すのは、40代半ばの 整った顔立ちの男性医師

医者

詳しくお話したいので、場所を移しましょう

医者

今日はおひとりなんですか?

👑

はい、来ていません

医者

その手紙のことは知っていますか?

👑

言っていません

医者

そうですか…

医者

さて

医者

色彩感知テストで以上が見つかったため、きた頂いたのですが

医者

みことくんは、人間がどうやって色を感知しているか知っていますか?

👑

え?

思わず素っ頓狂な声が出た

医者

人間の目の網膜には錐体細胞があります

医者

それが色を感知しているのですが、

医者

それが、少しずつ死滅していくのが、

医者

無彩病です

👑

はい…

医者

データを見ると、きみの見えなくなった最初の色は、桜色

医者

みことくん、君は無彩病です。

こうして俺の日常が壊されて行った

病院を後にして、日が暮れた紅葉公園で一人ベンチに座ったままぼんやりと 桜の木を見る

👑

おれ…ほんとに…無彩病なん…?

真っ白な桜の木は 俺の苦労も知らないらしい

悩んだ時や、行き詰まった時はこの公園に来て、時に身を任せていた

しかし、今は足元に落ちている白い桜が、死の色に見える。

👑

もう、桜は見えんな…

信じたくないのに理解してしまっている 自分が嫌いだ

手元には黒い封筒と、カラーパレットが書かれた用紙…

そのカラーパレットの中に一つだけ見えない色があった

『最後に見えなくなる色は、 最初に消えた色の右側にあるもので、 その1番濃い色』

この病気の解説の1部いはそう書かれていた

最初に見える色は例外で、抜けていくように他の色も消えていくらしい

👑

つまり、俺が最後に見えなくなる色は…

👑

濃い赤色か…

なんの因果か、この公園の名前と少し似ている

突然終わりを告げられた日常に対し、 どう反応すれば分からない

帰ろうとベンチから立ち上がろうとするが、その場にしゃがみこんでしまった

👑

地面の色は黄土色や…

👑

いつかこの色も見えなくなるんかな…?

👑

帰るか…

顔を上げずに玄関を開ける

母親

具合はどう?

👑

もう大丈夫!(ニコ

無彩病のことを口にしようとしたが 開いた口から音が出ない

そのまま言葉を飲み込む

👑

きっと言った方がいいんやろうな…

👑

でも…

👑

いってどうする?

言葉にすれば、自分の病気

___死を認めることになる

そして家族に お別れの準備をさせることになる

それがたまらなく嫌だ

母に背を向け、2回に逃げ込む

入り交じった感情は言葉に出来ず、

暗い部屋に溶けていった

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