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#マッシュル
紅/@日本家
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コメント
1件
おお…これはずしっとくる始まりだな。二本線=天才の証が「当然」で、女だからってだけで失望される世界観がもう冒頭から重い。しかも親の愛情ゼロ、赤子が差し伸べた手を誰も取らないラストはグサッときたわ。「価値を証明しなきゃ」って呪いを背負わされるワースがこれからどう這い上がるのか、ガチで気になる。続き読みたい🔥
マドル家の屋敷に赤子の産声が響いた
助産師
助産師が赤子を抱き上げる
その身体に刻まれた2本の線を確認すると
父親は一瞥した
ワースの父
助産師
ワースの父
それだけだった
喜びの声も、驚きもない
マドル家の血を引く者ならば、
二本線であることなど当然
むしろ、それ以外であれば問題だった
父親は赤子へ視線を移す
ワースの父
助産師
助産師が一瞬だけ言葉を濁した
助産師
ワースの父
沈黙
先程まで響いていた赤子の泣き声だけが、
やけに大きく聞こえていた
ワースの父
父親の表情からわずかに期待が消えた
ワースの父
それは褒め言葉ではなかった
ワースの父
母親もベッドの上から赤子を見つめる
その瞳に浮かんでいるのは、
我が子を迎えた喜びではない
────失望
ワースの母
ワースの父
ワースの母
ワースの母
ワースの母
当然
その言葉が何度も繰り返された
二本線であることは当然
優秀であることも当然
マドル家の名に相応しいことも当然
そして────
男であることも期待されていた
赤子は何も知らない
自分がなにを期待されていたのかも
なぜ両親の顔が暗いのかも
ただ、
小さな手を握ったり開いたりしながら泣いている
ワースの父
ワースの母
ワースの母
母親が呟く
けれど、
その声にも愛情らしいものはなかった
ワースの母
ワースの父
父親は静かに答えた
ワースの父
ワースの父
そして赤子を見る
ワースの父
その言葉には期待すらなかった
ただの、義務だった
ワースの父
ワースの父
ワースの母
ワースの父
父親はそこで言葉を切った
ワースの父
誰も答えなかった
赤子は泣き続けている
その小さな身体には、
二本の線が刻まれていた
けれど、
それは誰かに祝福されるためのものではなかった
「あって当然」
ただ、それだけ
生まれたその日から、
ワースに与えられた価値は────
二本線という「当然」と、
女という「失望」だけだった
やがて助産師が赤子を母親の隣に寝かせる
母親はワースを見下ろした
ワースの母
ワースの母
その言葉を聞いても、
ワースは何も知らない
ただ、小さな手を伸ばす
誰かに触れて欲しくて
誰かに抱いて欲しくて
けれど、
その手を取るものはいなかった
その日から
ワース・マドルは自分でも知らないうちに―
「価値のある人間にならなければいけない」
という呪いを背負って生きることになった