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百合子と居酒屋へ行った後
エリナ
もしもし
健介
おつかれ
エリナ
急にすみません
健介
何があった？
エリナ
まずアキラ君だけど、デートに来なくて
エリナ
そのままフラれました…
エリナ
なんかもう私よく分からなくて、男の人って何なんですか！？
健介
…それは酷いな
健介
男を代表して謝る、ごめん
エリナ
健介先輩が謝ることじゃないけど…
エリナ
あ、あと、偶然知り合いに会って、飲みに行ったら告白されて
エリナ
（職場の百合子さんだってバレないようにしなきゃ）
健介
うん
エリナ
その相手が“女性”なんです
健介
…なるほど
健介
それで、相談ってのは？
エリナ
健介先輩って確か
エリナ
女性とも男性とも、付き合ってましたよね？
健介
うん、そうだよ
健介
元彼も元カノもいる
エリナ
私、真剣に向き合いたくて
エリナ
でもどう考えたらいいか、分からなくて…
健介
そうか…
健介
俺の時は、性別とか恋愛とか
健介
俺は自分で自分を理解できなかった
エリナ
…はい
健介
だから、めちゃくちゃ悩んで考えるのをやめた
エリナ
「やめた」って？
健介
自分は自分
健介
好きなものは好き
健介
それさえ自覚できれば十分かなって
エリナ
なるほど…
エリナ
確かにそうかも
エリナ
（私も当たり前のように男性を好きになってたけど、）
エリナ
（本当は女性の方が合ってるかもしれないし、まだ分からないよな…）
健介
無理に理解しなくて大丈夫
健介
今みたいに寄り添うだけで、相手は楽になるから
エリナ
そうだといいな…
健介
それに、難しいだろうけど
健介
エリナが幸せだと思う方を選べばいいよ
エリナ
私の幸せ…？
エリナ
（どういうこと？私を優先していいのかな…）
健介
うん
健介
すぐ答えを出さなくていいから、エリナの気持ちを大切にね
エリナ
（自分の気持ち…）
エリナ
（考えてなかったかも…）
エリナ
（もっと自分のことにも向き合うべきなんだよな、きっと…）
エリナ
先輩、ありがとうございます
健介
気にしないで
健介
あ、そうだ！
健介
頼りになるゲイの友達がいるんだけど
エリナ
え！そうなんですか！
健介
新宿2丁目で働いてて…
健介
会ってみない？
健介
エリナの助けになるかも
エリナ
会ってみたいです！！
健介
よかった
健介
じゃあ仕事終わりに、一緒に会いに行こうか
エリナ
はい！お願いします！
エリナ
（ちゃんと色んな人から話聞いて）
エリナ
（自分の気持ちと向き合えばいいよね？）
エリナ
（別にすぐ決めなきゃって話でもないし）
エリナ
（百合子さんのこと、簡単に傷つけたりしたくないし…）
エリナ
（あれ？百合子さんから何か来てる…）
健介
また困ったらいつでも頼って
エリナ
ありがとうございます
エリナ
（健介先輩ってやっぱり優しい人…）
エリナ
（だいぶ心が軽くなったな…）
健介
じゃあね
エリナ
はい、また！
エリナは電話を切った
23:32 百合子がメッセージの送信を取り消しました
百合子
今日はありがとう！
百合子
早速だけど、今度ランチに行かない？
百合子
美味しいお店があるの
エリナ
（何を取り消したのかな…）
エリナ
（送信取り消しって一番気になる…）
エリナ
誘ってくれてありがとうございます！
エリナ
ぜひ行きましょう
百合子
百合子
やったぁ♪
楽しみにしてるね！
楽しみにしてるね！
エリナ
私も楽しみにしてます！
百合子の本心が気になった
エリナ
お、おはようございます…
エリナ
（昨日のこと考えると緊張しちゃう…）
エリナ
（普通で居よう、普通で）
エリナ
（いや、普通ってなんだっけ…）
百合子
おはよう、エリナちゃん
百合子
昨日提出してくれた集計結果、完璧だったね
エリナ
そ、そうですか！？
百合子
さすがエリナちゃん
百合子
さ、今日も頑張りましょ
エリナ
…はい！
エリナ
（いつも通りの百合子さんだ…）
エリナ
（よかった、少し安心した…）
エリナ
（私が気にしすぎてるだけなのかも）
エリナは落ち着きを取り戻す
健介
百合子
百合子
え、何？
健介
ちょっといい？
エリナ
（健介先輩が話しかけるなんて珍しい…）
エリナ
（どうしたのかな？）
百合子と健介は会議室へ入っていった
- 昼休み -
百合子
健介、お待たせ！
健介
お疲れ様
エリナ
（またあの2人話してる）
エリナ
（あんなに仲良かったっけ…）
健介
どこ行こうか？
百合子
駅前にできたお店気になってて
健介
よし、そこにしよう
百合子
うん
エリナ
（ランチに行くのかな）
エリナ
（なんか、モヤモヤする…）
エリナ
（なんでモヤモヤしてんだろ…）
エリナ
（なんで私ばっかり気にしてるんだろう）
百合子と健介はオフィスを出て行った
エリナ
あ、健介先輩、お疲れ様です！
健介
お疲れ様
健介
待たせてごめん
エリナ
ううん
エリナ
全然大丈夫ですよ
健介
それじゃ行こうか
エリナ
はい！
新宿2丁目のバーへと向かう2人
エリナ
そういえば
健介
何？
エリナ
今朝、百合子さんに話しかけてましたね
エリナ
（聞いてどうするんだよ…）
健介
そうだな
エリナ
あと昼休みに百合子さんと出かけてましたよね？
エリナ
（私嫉妬深い女みたいじゃん…）
健介
うん
エリナ
珍しい、ですよね？
エリナ
（もう本当自分が嫌いになりそう…）
健介
まぁ、百合子は同期だし、そういうこともたまにはある
エリナ
…………
エリナ
そうですよね
エリナ
（やっぱりモヤっとする）
エリナ
何話してたんですか？
健介
…………
健介
仕事の打ち合わせ…かな
エリナ
なんの仕事ですか？
健介
新しいプロジェクトを考えてて百合子に相談したんだ
健介
アドバイスが欲しくて
エリナ
へぇ…
エリナ
（ちょっと怪しい、何か隠してるかも）
エリナ
（でもやっぱり、聞きすぎたら疑われるし…）
エリナ
（でも気になる…）
エリナ
それだけですか？
健介
うん
健介
エリナ、どうした？いつもと様子が違うよ？
エリナ
何でもないです！
エリナ
仲が良さそうだなって！
エリナ
それだけです！！すみません！！
健介
そうだな
健介
ずっと一緒に仕事してると仲も良くなるよ
エリナ
（そうだよね、私、何してるんだろ…）
エリナ
（何をこんなに焦ってるんだろう…）
健介が立ち止まる
健介
着いた
エリナ
ここですか？
健介
そう
健介
ここが龍平の働いているバー
エリナ
ちょっと緊張する…
健介
こういう場所は初めて？
エリナ
そうなんです
健介
大丈夫、龍平はいい奴だから、きっとエリナも楽しめるよ
エリナ
ありがとうございます
健介
じゃあ、入るよ
健介が扉を開き エリナは後に続いて入っていく
エリナ
（私、本当に入って大丈夫かな…？）
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